2012/11/16

ヨーロッパ海外出張から学んだ 「4つの視点」


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先週は海外出張でヨーロッパに行っていました (2012年11月) 。目的の1つが、ESOMAR というマーケティングリサーチ団体主催のカンファレンスに参加することでした。

出席したカンファレンス:ESOMAR 3D 2012 (2017年10月追記: ページが削除されていたのでこちらも削除しました)


講演後の違和感


カンファレンスの講演を聞き終えた時、ふと違和感を感じました。

スピーカーの講演発表後には Q & A の時間が少しあったのですが、発表を聞き終わった直後なのに質問が頭に出てきませんでした。英語とは言えそれなりに聞け、メモも随所で取っていたのですが、なぜか質問が頭に思い浮かびませんでした。

聞いていた内容はその時その時では頭に入れたはずが、終わった段階で話の全体構造がうまく体系立てて理解できていなかったことに気づきました。理解したようで、なんとなくでしか理解できていない状況でした。発表内容が頭の中にストックされず、フローとして流れていってしまった感じです。


講演内容を聞きすぎていた


なぜなのかを考えると、自分の結論は、講演内容を聞きすぎていたことでした。英語のリスニングに 「集中しすぎてしまった」 ことです。英語を聞くこと自体にフォーカスしすぎてしまったために、表面的な理解にとどまってしまいました。

発表内容の構成は、背景があり、課題の説明、目的、仮説や根拠などの詳細、結論となっていました。

ところが、聞いている最中には英語を聞くことばかりに集中してしまったため、前後関係や発表の構成を考えながら聞くことが不十分な状態でした。受け身で英語をリスニングしている感じです。

講演発表を聞いている時、終わった直後で質問がすぐには考えられなかったのだと思います。表面的な理解しかできていなく、「問い」 がつくれない。なんとも悔しい体験でした。


体系立った理解のための 「4つの視点」


日本語であれば発表内容を聞きながらも、自分の中で 「なぜそう言えるのか?」 「要するにどういうことか」 なども同時に考えていたりします。

聞くことと、解釈や考察を頭の中で同時にやっています。理解にもつながり、疑問から問いになり聞きたい質問も自分の中で持っておけます。英語だと聞くことに頭のリソースを使いすぎていました。聞くことばかりで自分なりの解釈が追い付いていなかったわけです。

では、どうすればよかったのか、講演をどういうふうに聞けばよかったのかです。あらためて考えてみると、体系だった理解のためには4つの視点が必要でした。


1. Why で深掘り


聞いたことについて少し立ち止まって 「なぜ?」 と考えてみる。言われたことを鵜呑みにするのではなく、批判的に眺めてみることも時には必要。

「なぜそう言えるのか」 を積極的に考えること。こうすることで能動的な聞き方になる。Why? → 答え (仮説) → Why? → … と下方向に深掘りをしていく。


2. So what で整理する


Why が下方向なら、So what は上方向に向けて考えていく。「要するにどういうことか」 「まとめるとどう表現できるか」 と自分なりに解釈し理解を整理してみる。自分の言葉でまとめてみるのがポイント。Why と So what は話を体系立てて理解するために重宝する問いかけ。


3. 自分の知識や情報と比較


ものごとは何かと比較をすることで相対化され、理解がより深まる。

例えば、新しく知ったことについて過去の出来事と比べる、似たような経験や知識があるか思い出してみる、他業界の話を自分の業界や会社とどこが同じで何が違っているのかを考える。

自分がすでに持っている知識や情報と新しく聞いた内容を比較することで、記憶にも定着しやすい。


4. 自分の意見と根拠を持つ


Why 、So what 、既知情報との比較、あえて言えばこれだけでは単に聞いた内容を整理しただけ。

本当に自分のものとして理解するためには、「じゃあ自分はどう思うのか」 まで考えること。自分の意見とその根拠や理由も考える。講演で聞いたことにすごいと感じたら、それは何がどうすごいと思ったのかの理由を自分の中で持っておく。


4つの視点を図にすると


以下は、4つの視点を図にしたものです。聞いたことに、上下左右に考え、そこから自分の意見や根拠を出します。





あらためて振り返ると


今思い返しても、参加した ESOMAR のカンファレンスでは講演発表を聞いている時は4つの視点が不十分でした。その結果はすでに書いた通りです。

あらためて考えてみると、普段の仕事で海外のパートナー企業だったりベンダーとはテレカン (電話会議) などでは英語のやりとりもするのですが、ミーティングではすぐにその場で質問したり議論したりと、聞いてばかりではなくてこちらも発言します。

「なぜなのか?」 と確認したり、相手の言っていることを整理する、あるいはこれまでの自分の経験と比較をします。クライアントとのやりとりでは英語を聞いていると同時にこうしたこともやっていました。

それに比べると、ESOMAR の講演では聴きすぎてしまいました。英語のリスニング自体が目的化されていました。本来は英語は手段であり、講演内容を体系立てて理解するためのツールのはずです。

今回取り上げた4つの視点は、講演だけではなくて普段の会議とかでもその場の議論やミーティング内容を自分なりに理解するのに役立ちます。

よくやるのは、4つの視点を意識しながらノートにメモを書くことです。こうすると頭の中で会議で発言もしやすくなるし、内容の理解も深まります。おすすめですので、ぜひ試してみてはいかがでしょうか。

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多田 翼 (書いた人)


外資系 IT 会社にてマーケティングリサーチ マネージャー (LinkedIn) 。

1981年 (昭和56年) 生まれ。名古屋出身。学生時代は京都。家族4人で東京23区内に在住、2人の子どもの父親。気分転換は毎朝 8km のランニングとピアノ。

書いている内容は、所属組織や会社の正式見解ではなく個人の見解です。