投稿日 2012/10/20

裸踊りと桃太郎から考える、リーダーシップに求められる3つの力


リーダーシップについてです。

TED のある動画と、桃太郎からリーダーシップについて書いています。

1人のバカ (リーダー) とフォロワー


最近リーダーについて考える機会があったのですが、あらためて思ったのは 「リーダーとは結果論」 だということです。

リーダーは英語では leader と書きます。何かをリードする、誰かをリードするという意味です。リーダーする人とリードされる人はセットです。リーダーが成立するのは、リーダーについていく人がいる必要があります。

リーダーとフォロワーの関係を的確に説明するプレゼンがあります。

TED の How to start a movement (社会運動はどうやって起こすか) です。実際にプレゼンの様子を見てもらうとわかりやすいです。3分ほどのプレゼンでリーダーとフォロワーについて紹介されています。


プレゼン内容を一言でまとめると、「最初のフォロワーの存在が1人のバカをリーダーへと変える」 です。

プレゼン内で紹介される動画では、野外である男性が上半身裸で1人踊っているシーンから始まります。傍から見ればクレイジーな人にしか見えません。

ある時、別の1人がダンスに加わります。これがターニングポイントです。

次第にダンス参加者が増えていき、途中からは我先にと次々に人々が踊りの輪に参加していきます。始めは1人で踊っていたところに、フォロワーがついた結果、裸踊りを始めた男性はリーダーになったのです。まさに 「リーダーとは結果論」 です。


桃太郎に見るリーダーとフォロワー


後にリーダーとなる立場でも行動開始した時点では1人で、その後にフォロワーがつくとリーダーになります。リーダーとフォロワーの視点で興味深いのは、おとぎ話の桃太郎です。

桃太郎のあらすじは、桃太郎は人々を苦しめる鬼ヶ島の鬼を退治するために旅立ち、途中で出会う犬・猿・きじを仲間にします。鬼ヶ島の鬼を退治し、桃太郎は鬼たちが人々から奪っていた財宝を持ち帰り、おじいさんとおばあさんと幸せに暮らすというおとぎ話です。

鬼退治に出かけると決意した時点では、桃太郎はまだリーダーではありませんでした。その後、鬼退治をするという桃太郎の思いと、キビ団子というインセンティブもあり、イヌ・サル・キジというフォロワーが生まれました。

桃太郎は、鬼退治という共通の目標に向かって2匹と1羽を先導するリーダーになったのです。


リーダーシップに求められる3つの能力


ここからは、どうやってリーダーシップを身につけていけばよいかです。リーダーに求められる要素は3つです。

  • 構想力
  • 決断力
  • 人間力

以下、それぞれをご説明します。

1. 構想力


リーダーとは目標やゴールという未来に向けて先導する人です。

いかに未来という夢を、なるべく鮮明に、具体的なイメージとして描けるかが大事です。未来を絵にするためには、その未来が自分の中で見えていないといけません。他の人には見えていないものがリーダーとなる人には見えている必要があります。

描いた絵を自分だけで終わらせずに、人々に示し、語ること。人々にはまだ見えていない、まだ気づいていない未来なので、始めは受け入れられないでしょう。始めは単なるバカに映ることもあり得ます。

大事なのが 「最初のフォロワーの存在が1人のバカをリーダーへと変える」 です。

未来を示し続け共感してくれるフォロワーが生まれれば、1人の夢が皆の夢になります。この瞬間にその人はリーダーになるのです。

2. 決断力


誰が考えても答えが1つしかないような場合はリーダーは特に不要です。答えのない状況こそ、リーダーが必要です。

大事な決断を迫られる場面では、A か B で甲乙つけがたいでしょう。50 : 50 なものを 51 : 49 にして決断できるかが問われます。トレードオフで、選ばない選択肢をいかに捨てられるかです。

どれだけ腹をくくれるかがリーダーには求められます。

3. 人間力


リーダーとはフォロワーという存在がいてはじめて成立します。

フォロワーの立場から見て、この人ならついて行っても良いと思える魅力があるかです。魅力的な人間であることもリーダーの大事な要素です。どこか人を惹きつける魅力があるなど、リーダーシップとは人間力です。

人間力と一言で言っても多様です。

  • 未来を語ること自体が魅力的に映る
  • 始めに起こした行動がフォロワーを惹きつける
  • 大事な場面での決断や責任感
  • 人々を明るくさせるユーモア
  • うそをつかない誠実な態度


最後に


リーダーシップとは、プロセスで3段階に分けることができます。

  • 行動を起こすという自分自身をリードする
  • 次にフォロワーとなる人を巻き込んでいく
  • 最後に共感してくれたみんなを未来に導いていく

大事なのは、まずは自分で第一歩を踏み出す少しの勇気です。

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書いている人 (多田 翼)

Aqxis 代表 (会社 HP はこちら) 。Google でシニアマーケティングリサーチマネージャーを経て独立し現職。ベンチャーから一部上場企業の事業戦略やマーケティングのコンサルティングに従事。

ブログ以外にマーケティングレターを毎週1万字で配信しています。音声配信は Podcast, Spotify, Amazon music, stand.fm からどうぞ。

名古屋出身、学生時代は京都。気分転換は朝のランニング。