2013/03/16

スティーブ・ジョブズのメッセージ「点と点をつなげる」ために大切にしている3つのこと



スティーブ・ジョブズのプレゼンは見る者を惹きつけます。

中でも自分にとって最も印象的なのは、2005年の米国スタンフォード大学卒業式の祝賀式で卒業生に向けて行ったスピーチです。

Text of Steve Jobs' Commencement address (2005) |STANFORD UNIVERSITY

■ スティーブ・ジョブズからの3つのメッセージ

卒業生を前に、ジョブズは伝えたいことが3つあると言ってスピーチは始まります。その3つとは以下です。

  • 点と点をつなげる:バラバラの経験であっても将来それが何らかのかたちで繋がる。大学を中退し、自分の好きなことをやって得られた経験は、後にMacを生み出すときに大いに役立った。
  • 愛と敗北:アップルでの突然の解雇される(人生をかけて築いたものを失ってしまう)。アップルから追い出されたことで、も う一度挑戦者になる気持ちに。私は人生でもっとも創造的な時期を迎えることができた。妻とも出会えた。アップルを追われなかったら、今の自分はなかっただろう。
  • 死について:毎朝、鏡に映る自分に問いかけるようにしている。「もし今日が最後の日だとしても、今からやろうとしていたことをするだろうか」と。「違う」という答えが何日も続くようなら、ちょっと生き方を見直せということ。1年前にすい臓ガンを患っていた。一時は死を覚悟したことから、死というものが大切な概念であると言うことができる。誰もがいつかは死を迎える、自分もいつかは死ぬという認識が、重大な決断を下すときに一番役立つ。死は生命の最高の発明である。

1つ目の「点と点をつなげて線にする」というのは、よく考えさせられることです。一見すると違う経験が、別のところで役に立つからです。

例えば、去年に引越しをしました。その時に仕事でやっているプロジェクトマネジメントの考え方が使えました。引越しは、やることが多く、物件探しから始まり、荷造りなどの準備、引越し、引越し後の対応など、半年くらいかかりました。

途中まではあまり考えずに進めていたのですが、タスクが増えてきて見えなくなっていたことに気づきました。一度全てのタスクを洗い出し、スケジュール表を作りました。全体像が見えて、今何をやらないといけないのか、各タスクの期限はいつかがわかり、それ以降は計画通りに進められることができたのです。

引っ越しの ToDo とスケジュール管理以外にも、それまで住んでいたマンション貸主との敷金返却の交渉、新居貸主との家賃交渉、引越し業者との値段交渉も仕事の経験が役に立ちました。プロジェクトではクライアントやベンダー各社と契約書のやりとりもしているので、マンション貸主との契約書もどう見ればよいかもわかったのも大きかったです。

引越しにトラブルもなくスムーズに進み、無事に完了できたのも、プロジェクトマネジメントでの経験があったからだと思っています。

■ 「点と点をつなげる」ために大切にしている3つのこと

点と点をつなげることに対して、スピーチでジョブズは次のように言っています。

将来をあらかじめ見据えて、点と点をつなぎあわせることなどできません。できるのは、後からつなぎ合わせることだけです。だから、我々はいまやっていることがいずれ人生のどこかでつながって実を結ぶだろうと信じるしかない。

You can't connect the dots looking forward; you can only connect them looking backwards. So you have to trust that the dots will somehow connect in your future.

(引用:「ハングリーであれ。愚か者であれ」 ジョブズ氏スピーチ全訳|日本経済新聞

自分の経験が他でも役に立つというのは、実際に役に立って初めて気づくことが多いです。

その時はつながらなくても、後からつながりやすいようにしておきたいです。だからこそ思うのが、点と点をつなげるために、普段からどう意識し行動しておけばよいかです。あらためて考えてみると、ポイントは3つあります。

1. 共通点と相違点を意識する

普段から異なる2つのもので、共通することと違うことを意識して考えてみます。

例としては、話や説明をする時にたとえ話を入れてみることです。喩えや比喩はうまく使うと効果的です。聞いている側も自分に馴染みのあることで喩えられると理解しやすいメリットがあり、自分にとっても喩えをつくる過程でより理解が深まります。

喩え話を考える時にやることが、2つのことの共通点と相違点を見つけることです。本質的な共通点を理解しているほど、たとえ話の切れ味が上がります。異なるものに対して共通点と相違点は何かを考える習慣をつけておくと、点と点がつながる確率が上がります。

2. 具体的な経験を一般化し、応用する

以前のエントリーで取り上げた、「経験値を得ること」と「レベルアップ」は異なるという考え方です。

  • 経験値を積むとは、体験という具体例を自分の中に蓄積していくこと。自分の行動・情報・得られた結果・失敗等々から学ぶ
  • レベルアップをするためには具体例の蓄積だけでは不十分。レベルアップとは、蓄積した具体例を抽象化すること、経験したことを一般化すること。表面的ではなく本質理解ができるか。具体⇒抽象化して初めて次に活かすことができる
  • レベルアップも2つ段階があると思っていて、①経験した具体的なことを抽象化できた時、②抽象化したことを他のケースで活かせた時(応用/横展開)

2段階目が「点と点がつながった」状態です。経験したことの一般化のために有効だと考えているのが、要するにどういうことか、So what?と問いてみることです。ここでもポイントはものごとの本質理解がどこまでできるか、それを普段からどれだけ意識しておけるかです。

3. 全ての経験は無駄にはならない

自分の行ないや経験は全て自分に蓄積され、あらゆることが自分にとって無駄にはなりません。この考え方が点と点をつなげるために大切です。

だから大切にしたいと思っているのが、目の前のことに本気になることです。「今」を精一杯生きることです。

自分の人生観として、「これまでの『今』の積み重ねが今の自分をつくっている」があります。過去の全ての「今」が今の自分を形成していて、生まれてから死ぬまでの「今」を合計すると、それが自分の人生になるという考え方です。

こう考えるようになってから、たとえ無駄に思えるような時間でも、なるべく楽しんでみたり、見方を変えて得られるものがないかとか、「今」を無駄にしたくないと思うようになりました。

点と点をつなげるための意識として、あらゆる経験はどこかで役に立つ、決して無駄にはならないと考え方を変えてみるのです。点と点をつなげて線にするために、有効です。

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最後に、実際のジョブズのスピーチはこちら。日本語の字幕付きのものです。


スティーブ・ジョブス スタンフォード大学卒業式辞 日本語字幕版|YouTube


※参考情報

Text of Steve Jobs' Commencement address (2005) |STANFORD UNIVERSITY
「ハングリーであれ。愚か者であれ」 ジョブズ氏スピーチ全訳|日本経済新聞
Steve Jobs' 2005 Stanford Commencement Address|YouTube
スティーブ・ジョブス スタンフォード大学卒業式辞 日本語字幕版|YouTube
「経験値を積む」と「レベルアップ」は別もので考える|思考の整理日記


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