2013/05/04

転職を決める背中を押してくれた本5選




先月4月から新しい会社に転職し、2週間が経ちました。

今回のエントリーでは、転職を決断するにあたって参考になった本(と本から学んだ考え方)をいくつかご紹介します。

■ やりたいか、やりたくないか

「やらなきゃゼロ!――財政破綻した夕張を元気にする全国最年少市長の挑戦」

この本は、夕張メロンで知られる北海道夕張市の鈴木市長の話です。元東京都職員のごく普通の若者が財政破綻した夕張市長選挙への立候補を決めたのは、「やりたいか、やりたくないのか」というシンプルな問いからでした。そして、「やりたい」と思った。後押ししてくれたのが、英国元首相であるウイストン・チャーチルの言葉だったそうです。

お金を失うことは小さく失うことだが、名誉を失うことは大きく失うことだ。しかし、勇気を失うことは全てを失うことだ。

今回の転職という自分のキャリアのターニングポイントでも、初めは「できるか、できないか」で考えていました。ただ、この問いかけだと答えは出ないんですよね。できる/できないは転職して行ってみないとわからない。で、色々と悩み考えた後、結局最後は「やりたいか、やりたくないか」に行き着きました。

■ 自分の本当の気持ちに向き合うこと

転職をするかどうかを決めるプロセスは、自分の気持ちに正面から向き合うことでもありました。自分の中の本当の声にきちんと耳を傾けられているか、自分の気持ちに正直になることは思った以上に難しかったです。

だからこそ、本当にやりたいこと・何に自分はワクワクするのかの正直な気持ちを大事にしました。自分の気持ちにウソはつかない、自分の感情や気持ちを誤魔化さないようにすることです。

もう1つ、決断するのにあった視点が「子どもから見て自分のやっていることを誇れるか」でした。「人生を豊かに歩むために大切なこと どうでもいいこと」という本に書かれていたのが以下でした。

  • 子どもから見つめられて正視できるかどうか、自分にウソはついていないとはっきり言えるかどうか
  • 子供の目で自問してほしい。子どもの目は鋭い、ウソをついている大人を確実に見抜く

自分がやっていることを、(今年の秋に生まれる)自分の子どもに嘘偽りなく見せられるか。自分の選択や行動を誇れるか。自分の子どもが今の自分を見てかっこいいと思ってくれるか。子どもに「自分で自分にうそをついていない」とはっきり言えるかどうか。転職を決断するのに、あらためて考えたことでした。

生まれてくる子どもに、自分が選択したチャレンジを伝え、こういう生き方もある・リスクを取って挑戦することの大切さを伝えたいです。チャレンジすることを子どもに強要することはしたくはないですが、少なくともそういう生き方があることを知ってほしいです。単なる上辺だけの言葉ではなく、自分の体験談としてリアリティのある話、伝え方をいつか子供にしたいと思っています。

■「リスクテイク」と「変化をつくること」

岡田武史 × 羽生善治の対談本の「勝負哲学」です。羽生さんが語っていたリスクテイクの考え方が印象的でした。

  • 将棋で少しずつ力が後退していくことがあり、後退要因として最も大きいのが「リスクをとらない」こと。リスクテイクをためらったり怖がると、ちょっとずつだが確実に弱くなっていってしまう
  • というのも、勝つためにリスクを取らず安全地帯にとどまっていると、周囲の変化に取り残される、進歩についていけなくなる。結果、自分の力が弱くなっていく。それを避けるために積極的なリスクテイクが必要。だから必要なリスクは果敢に取りにいくことを心がけている
  • リスクとの上手なつきあい方は勝負にとって非常に大切な要素。「いかに適切なリスクを取るか」を考えるようにしている

あらためて思うのが、リスクを取るとは変化することです。そして大事なのは、主体的に自らが変化をつくること、変わり続けることです。この考え方は、プロゲーマーの梅原大吾氏の著書「勝ち続ける意志力」に書かれていた「変化なくして成長なし」の影響が大きかったです。

梅原氏の考え方でもう1つ特徴的なのは、自らを変化させるかどうか判断する時に「そうすることで良くなるかどうかまで考えないこと」です。とにかく大事なのは変わり続けることである、と。変わったことでもし悪くなったとしても、それに気づいてまた変えればいいという捉え方です。変わる前から、良くなるか or 悪くなるかは自分でも分からないこともあり、であれば「まずは変わってみる」というスタンスです。

転職というのは人生において大きな変化の1つです。リスクもそれなりにあると思えました。だからこそ、受け身ではなく能動的に自分から変えたいです。

■ 自分は何のプロフェッショナルを目指すのか

「ワーク・シフト ― 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図〈2025〉」という本では、広く浅くというゼネラリストではなく、自分の専門性を持つスペシャリストを目指すシフトが大切であると書かれています。スペシャリストでも1つのことを突き詰めすぎるのではなく、連続的に専門性を広げかつ深めていくシフトです。

専門性を考えるにあたって考えさせられたのが、本書にあった3つの問いでした。

  • その専門技能は価値を生み出せるのか?
  • その専門技能は希少性があるか?
  • その専門技能はまねされにくいか?

そもそも、自分の専門性は何なのか。この先、どういう専門技能を磨き、自分は何をやりたいのか。これらの問いも転職を決めるにあたって考えさせられたことでした。

今回の転職は外資系の企業なので、世界に挑戦したい、そして自分の実力を試したいという動機もあります。

■「より困難な道をあえて選ぶ」という考え方

どちらかを選ぶのにより困難なほうを選択する考え方です。自分にとってより厳しい道を選ぶというものです。この考え方は確か高校生くらいの時に、ある雑誌で偶然知りました(雑誌名は忘れてしまいました)。記憶では読者が投稿して北方謙三氏に人生相談をするというコーナーがあって、進路に悩んでいるという読者の質問に対して北方氏はこう答えていました。「より難しい道を選択してみろよ」、と。

それを読んだ時に結構な衝撃でした。なんでわざわざ苦労するほうを選ぶのかと思ったからです。ただ、少なくとも自分の頭には強く印象に残りました。

その後の大学の進路、就職、その他いろいろな場面で判断が迫られた時に、不思議とその考え方が決断に入っていたことに気づきます。だったら、今回の転職もそうしてみようと思いました。

より困難な道をあえて選べば、逆境や試練もその分待っているはずです。苦労しつつもなんとか進んではいけると思っています。




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多田 翼 (書いた人)