2016/01/20

トンカツ理論はマーケティングもキャリアにも使える




私の尊敬するマーケターが佐藤義典氏です。佐藤氏の提唱するマーケティング理論の1つに、「トンカツ理論」があります。

■ トンカツ理論

トンカツ理論とは、トンカツを自宅で食べたいときに、自分で作らずスーパーで買う理由を整理すると、そのまま企業が外注する理由になるというものです。

自分で作らないでスーパーでとんかつを買う理由は、以下のようなものが挙げられています。

  • 道具 / スキルが無いために、そもそも自分では作られないから
  • スーパーで買った方がラクで早いから
  • スーパーで買った方が低コストだから
  • スーパーの方が自分より上手に作れるから
  • スーパーで買った方が選択肢が多いから

必ずしもトンカツでなくても、コロッケなど揚げ物の全般や、惣菜コーナー買えるメニューで考えてもよいです。あるいは、ハンバーガーなどのファストフードも当てはまります。

要は、自分で作らない / 作れないメニューでも、食べたいと思ったときにスーパー等で買う、または飲食店で食べる理由です。

トンカツ理論の上記5つは、3つにまとめることができます。

  • 自分にはできないことを外で買ってくる
  • 外で買う方が手軽、早い、安い
  • 外で買う方が高品質、または種類が豊富

自分がやることと、お金を払って他の人にやってもらうことを天秤にかけ、後者が選ばれる理由です。

トンカツ理論が興味深いのは、自分がスーパーでトンカツを買う根拠が、企業が自社業務を他の企業に外注する理由に当てはまることです。

■ トンカツ理論を逆の視点から考える

トンカツ理論を一般化すると、自分がやるのではなく、誰か他の人に何かを依頼する理由です (例: 他の会社に発注する)。

視点を逆転させると、別の示唆を与えてくれます。

外注する側ではなく、受け手、つまり自分たちがどうすれば発注してもらえるか、仕事やビジネスをどう取ってくるかを考えるヒントになるのです。

  • 他社にはできないことを自分たちはできる
  • 自分たちのほうが早く、安く済ませられる。発注元にとっては楽ができる
  • 自分たちのほうがいいものを提供できる。やれることが多様なので、発注元にとって選択肢の幅が広い

発注する依頼主の頭の中には、依頼する候補先の選択肢があります。その選択肢にある自社以外のプレイヤーが競合です。


競合ではなく自分たちが選ばれる理由は何か。この理由こそが自分たちの「強み」なのです。

■ 書籍「ワークシフト」と「トンカツ理論」

書籍 ワーク シフト - 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図 2025 では、未来を変えるためのマインドチェンジが提唱されています。

そのうちの1つが知的能力のシフトでした。広く浅くというゼネラリストではなく、自分の専門性を持つスペシャリストを目指そうというマインドチェンジです。

知的能力の獲得のプロセスとしては、1つのことを突き詰めすぎるのではなく、連続的に専門性を広げかつ深めていくという考え方が提唱されていました。

専門性を考えるにあたって、3つの問いが読者に投げかけられます。

  • その専門技能は価値を生み出せるのか?
  • その専門技能は希少性があるか?
  • その専門技能はまねされにくいか?

この3つと、トンカツ理論の3つはつながります。

①他の人にはできないことを自分はできる (希少性 / 真似されにくい)、②自分のほうが早く低コストでできる (価値)、③自分のほうが高品質 / 多様にできる (価値)。

トンカツを自分でつくるか、スーパーのお惣菜屋さんで買うか。そこには無意識的にも何かしらの理由が隠れています。その要因を構造化し一般化してみるのです。

日常の1シーンには、マーケティングやビジネス、キャリアへのヒントが隠されています。




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