2012/08/25

Leap:優れたユーザーインターフェイスの1つの未来




今回のエントリーでは Leap (リープ) をご紹介します。

米 Leap Motion が開発した小型のモーションコントローラーです。百聞は一見なので、こちらの動画をご覧ください。


Introducing the Leap|YouTube


Leap の特徴と価格


Leap の特徴は、キーボードやマウスを一切使わずに、指先や手の動きでコンピュータを操作できることです。

空間上での操作がそのままディスプレイに反映されます。地図の拡大や縮小、画像の回転、指先やペンを使って細かい入力もできます。Leap Motion の About ページには、精度は既存のものより200倍、100分の1ミリの動きをも認識するとあります。 (2017年8月追記:リンク先が削除されていたので、こちらも削除しました)

技術的とともに驚いたのは Leap の価格でした。

Leap のサイトには70ドルとあります (2012年8月現在) 。今のドル円換算で5,500円程度です。

一般的に新しい技術が使われた端末は価格が高く、特に量産効果が期待できないリリース直後はなおさらです。しかし5,500円という価格設定は、イノベーターやアーリーアダプター層以外でも試してみたいと思わせる印象です。


資料作成と操作性


先ほどご紹介した Leap の紹介動画を見ると、可能性は色々と広がると思います。何かを操作する時に、どれだけ使いやすいかのユーザーインターフェイスは重要だからです。

例えば、プレゼン資料を作成する場合、最終的にはパワーポイントやキーノートを使います。

あらためて考えるとパワーポイントの操作性は非効率です。特に図解などのチャートを入れる時に、パワーポイント上で描くのと、紙やホワイトボードで描くのとでは効率が違います。

同じマトリクス図でもノートなら10秒でできるものも、パソコンでそれを作ろうとすると1分以上、細かい図の調整までやってしまうと5分や10分はすぐに経過します。

普段は当たり前のようにパワーポイントで作っていますが、このような無駄な時間は積みあがると結構な時間です。

なぜこのようなことが起こるかと言うと、ユーザーインターフェイスが悪いからです。パワーポイントの操作性やマウスとキーボードを使うという今のパソコンの主流である操作設計がそもそもよくないのです。資料作成のボトルネックです。

ちなみに、パワーポイントで企画書や報告書、プレゼン資料を作る時は、全体の構成を一度紙に書き、全体像のイメージを把握してからパワーポイントに入るようにしています。

いきなりパソコンに向かってパワーポイント作業から入ってしまうと、全体ストーリー構成よりも枝葉ばかりの作り込みに目が行ってしまいます。

もし、ノートに書くくらいの手軽さで、かつ手書きよりも洗練された図がパソコン上に作れ、調整してくれるような新しいインターフェイスがあればどうでしょうか。資料作成に使っていた 「作業」 時間が減り、その分を構成やストーリー・結論や提案を考えたりと 「思考」 時間にできるのです。


二次元操作のタッチパネル、三次元操作の Leap


モバイルの世界では、ボタンがたくさんあった従来型の携帯電話 (フィーチャーフォン) から、タッチパネル操作を前提とするスマートフォンが少しずつ主流になっています。2012年8月時点で、スマホの日本の普及率は5割程度です。

タッチパネルは直観的操作の代表的な例ですが、それでもまだ本当の直感的なレベルには達していません。タッチパネルという名前の通り、画面に触れて操作ができますが、画面は二次元なので操作も二次元の範囲を超えることはありません。

一部にシェイクしたり傾ける操作はありますが、タッチパネル操作は二次元です。それに比べて普段の私たちの動作は三次元なので、二次元と三次元の差の分だけタッチパネルの操作性は直感的ではありません。

今回ご紹介している Leap は、画面にタッチは必要なく空間上の動作をデバイスが高精度で認識します。つまり三次元の操作が反映されるのです。動画を見ただけで実際に Leap を使ったことはありませんが、より直感的な操作ができる印象です。

タッチパネルと違って、Leap は画面に触れる必要がないメリットはまだあります。画面を触れるということは、それだけ面上は不衛生になりがちです。空間上の動作だけでよいので、例えば医療現場では重宝されるのではないでしょうか。


優れたユーザーインターフェイスに見る 「おもてなしの心」


ユーザーインターフェイス (UI) というのは、人とデバイスをつなぐものです。

UI が使いやすいデザインになっているかどうかが、そのままボトルネックになります。何かを操作する時に、直感的な操作とはなるべくユーザーに使い方を考えさせないことです。重要なのは、UI の作り手側がユーザーへの 「おもてなしの心」 をいかに考え、提供できるかです。

Leap は手や指の動作からの入力、他にも音声認識があります。今後は表情認識からの入力もできるようになるかもしれません。

いかに人間の自然な動作がユーザーインターフェイスになるかです。今後のテクノロジー発展に期待しています。


※ 参考情報

Leap Motion
LEAP (About) (2017年8月追記:リンク先が削除されていたので、こちらも削除しました)
小型モーションコントローラー 「リープ」 、米ベンチャーが発表|日本経済新聞 (2012.5.22)
Introducing the Leap|YouTube
Controlling Computers With Hand Motion|WSJ Live

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多田 翼 (書いた人)


外資系 IT 会社にてマーケティングリサーチ マネージャー (LinkedIn) 。

1981年 (昭和56年) 生まれ。名古屋出身。学生時代は京都。家族4人で東京23区内に在住、2人の子どもの父親。気分転換は毎朝 8km のランニングとピアノ。

書いている内容は、所属組織や会社の正式見解ではなく個人の見解です。