2012/08/18

新入社員に伝えたい自分の頭で考えるための3つのこと




最近、自分の所属するチームに新入社員が入ってきました。


新人のメンターを務めることに


今の会社にはメンター制度があります。新人に先輩社員が一人つき、一緒に仕事を進めながら仕事に必要な考え方やスキルを学びます。OJT (On the Job Training) です。

新人のメンターを務めることになりました。あらためて新人にはどんなふうに育ってほしいかを考えるきっかけになりました。

まずはビジネスパーソンになってもらうこと、会社内だけではなくて外の世界でも市場価値のあるプロフェッショナルになってほしいです。

ビジネスパーソンなりプロフェッショナルにしても、大事なのは自分の頭で考えられることです。

今回のエントリーでは自分の頭で考えるために、新入社員に伝えたい3つのことをご紹介します。


1. 「問い」 と 「仮説」 をしつこく考える


自分の頭で考えるための第一歩は、疑問を持つことです。ポイントは、疑問だけで終わらず 「問い」 にすることです。質問の形にすると言ってもいいですが、いかに具体的かつ本質的な質問を自分で作ることができるかです。

問いを考えるためには、why? と so what? の視点が有効です。

Why を5回繰り返すと言われるように、「なぜ?」 と深掘りします。ブレイクダウンを繰り返し、より本質に迫れるようになってほしいです。

So what? というのは 「これは何を意味するのか」 「要するにどういうことか」 「一言で表現するとどうなるか」 を考えるための問いです。Why は深掘りするという下方向に対して、so what は思考を1つ上の次元に上げる問いです。

問いを考えることと同時にやってほしいのが、問いに対する自分の答えも併せて持っておくことです。問いと仮説をセットにして考える習慣をつけてほしいです。

Why を5回繰り返すことは、Why? → 仮説 → Why? → … と、問いと仮説を考えることです。しつこく問いと仮説を繰り返してほしいです。

なお、仮説時点ではあくまで仮の答えにすぎず、正しいかどうかはまだわかりません。

仮説を考えつつ、証明するためには何がわかればよいかも意識してほしいです。仮説検証のためには、今どんな情報が足りていなくて、その情報はどうやったら手に入るか、そもそも手に入るか、どうすれば検証できるかを考えておくとよいです。


2. 全体像から考える


以前のエントリーで、自分が新人の時に全体像を考える大切さを教わったことを書きました。

参考: 「象の足を見るな」 :新入社員の時に教えられ、今もなお考えさせられる話


「群盲像を評す」 という寓話からです。6人の盲人が象に触れた時に、各自の答えが全く違ったという話です。



  • 象の鼻を触った者は 「蛇」
  • 耳を触った者は 「扇」
  • 牙を触った者は 「槍」
  • 足を触った者は 「木」
  • 体を触った者は 「壁」
  • 尻尾を触った者は 「ロープ」

各部分の特徴の例え自体は間違ってはいません (例: 鼻を蛇) 。しかし、全体を見ると各自の齟齬が大きいです。

私が新人当時に教えられたことは、全体像を見ることの大切さでした。物事を正確に、あるいは本質をつかむためには全体像を把握することが大事である、だから決して全体像を見ることなく一部分だけで終わってはいけない。「象の足を見るな」 。

これは今でもついやってしまうのですが、どうしても自分が見えている/捉えやすい部分だけを考えてしまいます。結果、部分最適しかできておらず、必ずしも部分最適が全体最適になっていません。

全体像を捉えるためには、複数の視点でものごとを考える必要があります。

自分だけの見方や切り口だけでは限界があり、複眼で考えるために有効なのが、相手視点で見ることです。相手とは、上司や別の部署やチームの人、あるいは社外のクライアント、ユーザーや消費者、生活者視点で見ることです。

人は立場が違えば、ものの見方や考え方も異なります。会社にいる時の自社の視点と、1人の消費者としての自分の視点は違います。

どちらか一方ではなく、両方の視点で考えることが重要です。意識しないとどうしても自分の視点と1つ見方だけに偏ってしまいがちです。相手視点で見ることを意識してほしいです。


3. 主体的に考える


新しくチームに入ってきた新人が自分の好きな言葉を教えてくれました。

You can't control the wind but you can adjust your sails.
(風向きは変えられないが、帆の向きは変えられる)

良い言葉だと思いました。この言葉の意味することは、自分がコントロールできないことと (風の向き) 、できること (帆の向き) を区別すること、そして自分のコントロールできることに集中することの大切さです。

この考え方は、故スティーブン・コビーの著書 7つの習慣 の中の第一の習慣である主体性を発揮することと同じです。

7つの習慣で印象的だったのは、「刺激に対して自分の反応は選択できる」 と書かれていたことでした。何かが自分に起こった時に、それに対する自分の感情反応は1つではないこと、つまり選べるという考え方です。

例えば、発車間際の電車に乗ろうとして目の前でドアが閉まり、乗り損ねたとします。この出来事に対してどう思うかです。

1つの感情は 「今日はついてないな」 とマイナスの反応で考えてしまうことです。

一方、「次の電車はすぐ来るし、発車間際の電車より空いているかもしれない。待ち時間を有効に使おう。乗り遅れても数分の差で大したことない」 と考えてみるとどうでしょうか。起こってしまったことに、ポジティブな反応になっています。

刺激に対して自分の反応は選択できるのであれば、プラスの反応をしてみるのです。1つ1つは小さなことでも、積み重なると大きいです。

仕事でも同じです。新人の頃の仕事は地味だったり、雑用などとおもしろみに欠けるかもしれません。仕事は選べなくても、自分の反応は選択できます。

嫌々で受け身でやるか、能動的にやるか、主体的にできるかです。風と帆の座右の銘を持っている新人なので、やってくれると期待しています。



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多田 翼 (書いた人)


外資系 IT 会社にてマーケティングリサーチ マネージャー (LinkedIn) 。

1981年 (昭和56年) 生まれ。名古屋出身。学生時代は京都。家族4人で東京23区内に在住、2人の子どもの父親。気分転換は毎朝 8km のランニングとピアノ。

書いている内容は、所属組織や会社の正式見解ではなく個人の見解です。