2012/11/16

ヨーロッパ海外出張から学んだ「4つの視点」

先週は海外出張でヨーロッパに行っていました。目的の1つがESOMARというマーケティングリサーチ団体主催のカンファレンスに参加することでした。出席したのはこれ:ESOMAR 3D 2012

■講演後の違和感と悔しさ

カンファレンスの講演を聞き終えた時、ふと「あれ?」と思いました。違和感というか。スピーカーの講演発表後にはQ&Aの時間が少しあったのですが、発表を聞き終わった直後なのに質問が頭になかったんですよね。英語とは言えそれなりに聞けてたはずだし、メモも随所で取っていたのですが、なぜか質問が頭に思い浮かばない。

聞いていた内容はその時その時では頭に入れたはずが、終わった段階で話の全体構造がうまく体系立てて理解できていなかったことに気づきました。理解したようで、なんとなくでしか理解できていない状況。発表内容が頭の中にストックされず、フローとして流れていってしまった感じ。

なぜなのか。自分の結論は、講演内容を聞きすぎていたことでした。英語のリスニングに「集中しすぎてしまった」んです。英語を聞くこと自体にフォーカスしすぎてしまったために、表面的な理解にとどまってしまった。

発表内容の構成として、背景があり、課題の説明、目的、仮説や根拠などの詳細、結論、となっていました。ところが、聞いている最中には英語を聞くことばかりに集中してしまったため、前後関係や発表の構成を考えながら聞くことが不十分な状態でした。すごく受け身で英語をリスニングしている感じです。だから、講演発表を聞いている時、終わった直後で質問がすぐには考えられなかったんだと思います。表面的な理解しかできていなく、「問い」がつくれない。なんとも悔しい体験でした。

■体系立った理解のための「4つの視点」

日本語であれば発表内容を聞きながらも、自分の中で「なぜそう言えるのか?」「要するにどういうことか」なども同時に考えていたりします。聞く+解釈・考察を頭の中で同時にやっているので、それが理解にもつながるし、疑問から問いになり聞きたい質問も自分の中で持っておけます。それが英語だと聞くことに頭のリソースを使いすぎていた。聞くことばかりで自分なりの解釈が追い付いていなかったわけです。

じゃあどうすればよかったのか、講演をどういうふうに聞けばよかったのか。あらためて考えてみると、体系だった理解のためには4つの視点が必要だったと思っています。
  1. Whyで深掘り:聞いたことについて少し立ち止まって「なぜ?」と考えてみる。言われたことを鵜呑みにするのではなく、批判的に眺めてみることも時には必要だと思っています。「なぜそう言えるのか」を積極的に考えること。こうすることで能動的な聞き方になる。Why?⇒答え(仮説)⇒Why?⇒・・と下方向に深掘りをしていくイメージです。
  2. So whatで整理する:Whyが下方向ならSo whatは上方向に向けて考えていくことになります。「要するにどういうことか」「まとめるとどう表現できるか」と自分なりに解釈/理解を整理してみる。自分の言葉でまとめてみるのがポイントと思っています。WhyとSo whatは話を体系立てて理解するためにはとても重宝する問いかけ。
  3. 自分の知っていることと比較:ものごとは何かと比較をすることで相対化され、理解がより深まります。例えば、新しく知ったことについて過去の出来事と比べてみる、似たような経験や知識があるか思い出してみる、他業界の話を自分の業界/会社とどこが同じで何が違っているのかを考える。自分がすでに持っている知識や情報と新しく聞いた内容を比較することで、記憶にも定着しやすい。
  4. 自分の意見と根拠:Why、So what、既知情報との比較、あえて言えばこれだけでは単に聞いた内容を整理しただけです。本当に自分のものとして理解するためには、「じゃあ自分はどう思うのか」まで考えること。自分の意見とその根拠や理由も考える。講演で聞いたことにすごいと感じたら、それは何がどうすごいと思ったのかの理由を自分の中で持っておく。

4つの視点を図にするとこんな感じでしょうか。聞いたことに対して上下左右に考え、そこから自分の意見・根拠を出す。

今思い返しても、参加したESOMARのカンファレンスでは講演発表を聞いている時は4つの視点が不十分でした。その結果はすでに書いた通りです。今思い返しても悔しいな、と。

あらためて考えてみると、普段の仕事で海外のパートナー企業だったりベンダーとはテレカン(電話会議)などでは英語のやりとりもするのですが、ミーティングではすぐにその場で質問したり議論したりと、聞いてばかりではなくてこちらも発言します。「なぜなのか?」と確認したり、相手の言っていることを整理する、あるいはこれまでの自分の経験と比較する。クライアントとのやりとりでは英語を聞いていると同時にこうしたこともやっていました。それに比べると、ESOMARの講演では聴きすぎてしまった。英語のリスニング自体が目的化してしまった。本来は英語は手段であり、講演内容を体系立てて理解するためのツールのはず。

今回取り上げた4つの視点は、講演だけではなくて普段の会議とかでもその場の議論やミーティング内容を自分なりに理解するのに役立つと思っています。よくやるのは、4つの視点を意識しながらノートにメモを書く。こうすると頭の中で会議で発言もしやすくなるし、内容の理解も深まります。おすすめですので、ぜひ試してみてはいかがでしょうか。


※参考情報
ESOMAR 3D DIGITAL DIMENSIONS 2012 (ONLINE + SOCIAL MEDIA + MOBILE) RESEARCH

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...