2015/09/13

経済新聞紙 Economist の電子版と紙でのプライシング調査がおもしろい




経済新聞紙 Economist で、電子版と紙での価格についてのおもしろい調査がありました。

MIT’s Sloan School of Management の生徒100人に「電子版:59ドル」「紙+電子版:125ドル」(価格は1ヶ月の購読料)のどちらを選ぶかを調査したところ、以下のような結果になりました。
  • 電子版 59ドル         :68人
  • 紙+電子版 125ドル :32人
ソース:A user test on decoy pricing: steer decisions and increase conversion - Usabilla Blog

この結果は妥当なところです。紙と電子版の両方で、電子版だけの2倍以上の価格になります。7割弱の生徒が59ドルの電子版のみを選びました。

ここで購読プランをもう1つ増やし調査をしています。紙だけで 125ドル、つまり紙+電子版と同じ価格設定です。先ほどとは別の100人の生徒に、プラン3つを提示し選んでもらった結果は次のとおりです。
  • 電子版 59ドル         :16人
  • 紙 125ドル               :0人
  • 紙+電子版 125ドル :84人
ソース:A user test on decoy pricing: steer decisions and increase conversion - Usabilla Blog

紙だけで125ドルを選んだ生徒は1人もいませんでした。

興味深いのは、電子版のみ59ドルを選んだ生徒は16人のみで、8割以上の生徒が「紙+電子版 125ドル」を選択したことです。「電子版」「紙+電子版」の2つのプランの場合は、電子版のみが7割で多数だったので、結果が逆転しました。

多くの生徒が「紙+電子版 125ドル」を選んだ背景としては、紙だけで125ドルであり、同じ購読料で電子版も追加される紙+電子版で125ドルがお得に見えたのでしょう。

プランが2つしか提示されなかった1つ目の調査では、「電子版 59ドル vs 紙+電子版 125ドル」と紙を追加したプランが電子版の2倍以上であることが、判断基準でした。

一方、プランが3つになり、「紙 125ドル vs 紙+電子版 125ドル」を見て、紙+電子版が魅力に映りました。

Economist のもともとの3つのプラン、電子版: 59ドル、紙: 125ドル、紙+電子版: 125ドルは、3つ目の「紙+電子版」を選んでもらいたい意図が見えます。

仮定の話ですが、もし紙だけの購読料が電子版よりもやや高い69ドルあたりであれば、どういう調査結果になったでしょうか。
  • 電子版       :59ドル
  • 紙               :69ドル
  • 紙+電子版 :125ドル
回答者数はバラけるのではと思います。

Economist でのプランごとの新聞購読料の調査結果は示唆に富みます。お客さんに選んでもらいたい価格プランを選ばれやすくするため、そのプランを魅力的に見せる比較対象のプランをいかに設定するか、ということです。

Economist の今回の例であれば、紙だけで125ドルのプランを見せることで、同じ価格なのに電子版もついてくる「紙+電子版 125ドル」が魅力的に見えました。

もし、紙だけのプランを訴求していくのであれば、紙+電子版の価格をあえて高くし(例: 150ドル)、紙だけのプランを半分未満にすれば、紙だけは魅力のある価格設定です。

適用できる例としては、レストランで A コース: 3000円、B コース: 5000円だとします。2つだと、A コースを選ぶ人が多いでしょう。

コースをもう1つ追加し、A コース: 3000円、B コース: 5000円、C コース: 7000円とすれば、A と B だけの時よりも、(C よりも安い)B コースを注文する人が増えるのではないでしょうか。


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