2012/04/28

「象の足を見るな」:新入社員の時に教えられ、今もなお考えさせられる話

「象の足を見るな」。この言葉は新社会人となって会社に入社してすぐくらいに、当時の副社長に言われたものです。

その心は、全体像を見ることの大切さ。

今でもよく思い出す教えで、それくらい当時も今も変わらず心がけています。象の足になるなという例えは、「群盲象を評す」という寓話をもとにした話でした。Wikipediaから引用すると、
盲人達は、それぞれゾウの鼻や牙など別々の一部分だけを触り、その感想について語り合う。しかし触った部位により感想が異なり、それぞれが自分が正しいと主張して対立が深まる。しかし何らかの理由でそれが同じ物の別の部分であると気づき、対立が解消する、というもの。
盲人は6人いて、象に触れた時の各自の答えは全く違ったという話:象の鼻を触った者は「蛇」、耳を触った者は「扇」、牙を触った者は「槍」、足を触った者は「木」、体を触った者は「壁」、尻尾を触った者は「ロープ」。


各部分の特徴の例え自体は間違ってはいない(例。鼻⇒蛇)けど、全体を見た時には各自の齟齬が大きいですよね。物事を正確に、あるいは本質をつかむためには全体像を把握することが大事である、だから決して全体像を見ることなく一部分だけで終わってはいけない。「象の足を見るな」。副社長からはそんな話を聞きました。

■全体像を広げる:業務プロセスを超えた先まで考えてみること

例えば、A⇒B⇒C⇒D⇒E、という社内での仕事のプロセスがあって自分の役割はCを完了させることだとします。自分の仕事だけを考えるのであれば目の前のCだけを見て、次のDに渡すことだけを考えていればよい。これはある意味すごく楽なことです。前後のことは意識せずとも与えられたことだけをやっていれば特に問題はなかったりします。

でも、これだといけないと思うわけです。プロセスの前提が変わった場合、もしかしたらBよりCを先に済ませたほうがいいかもしれません。あるいはBとCを並行して行なうことでプロセス全体の時間短縮も可能かもしれない。これは、目の前のCしか見ていないと決して思いつかないもの。全体像ではなく、まさに「象の足しか見ていない」状態。

A⇒B⇒C⇒D⇒Eは社内でのプロセスと設定しましたが、最近思うのは全体像の位置づけをもっと広く持たないといけないということです。全体像を社内だけではなく、社外までも捉える。Aより前には売り手のお客がいて、Eより後にも買い手のお客があります。もっと言うと、買い手のお客の先には生活者がいます。だから、自分のやるタスクはCだけだとしてもAより前、そしてEより後の消費者や世の中全体にどう影響するかも考えないといけない、と。そうすることで自分がやっていることの意義だったり、自分は世の中の何を変えられるのか、世界にどういうインパクトを与えられるかまで考えることができると思っています。

■ちょっと蛇足かも:マーケティング4Pと4C

自分の役割がCで、その後のD⇒Eと続き、最終的には生活者まで考える。この時に意識するのは生活者としての自分です。自分自身も生活者や消費者、あるいはユーザーの1人とも言えるので、自分がユーザー・消費者の立場に立った時に今の仕事はどう映るのか。この視点は意識するかしないかで結構違うと思っています。

有名なマーケティング理論の1つに4Pというものがあります。Product(製品/サービス)、Price(価格)、Place(売り場・店)、Promotion(広告・宣伝)の4つのPです。マーケティングミックスとも呼ばれます。これはある意味、売り手の視点だと思っていて、買い手である消費者視点に切り替えると、4Cという発想ができます。

Product  → Cutomer value(価値)
Price    → Customer cost(支払うコスト)
Place    → Convenience(利便性:商品の手に入れやすさ)
Promotion → Communication(一方通行ではなく双方向のコミュニケーション)

この4Cの話はエントリー趣旨とはやや蛇足気味ですが、最近あらためて考えさせられ買い手視点の発想はともすれば抜けてしまうなと思ったので紹介させていただきました。


※参考情報
群盲象を評す|Wikipedia


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多田 翼 (書いた人)