投稿日 2012/12/15

人生はスーパーマリオ


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スーパーマリオのアナロジーから、人生やビジネスキャリアをどうつくるかを考えます。

エントリー内容です。

  • 人生はスーパーマリオ
  • これまでの 「今」 の積み重ねが今の自分をつくっている
  • 風向きは変えられないが、帆の向きは変えられる。結果とプロセスのバランス感


人生はスーパーマリオ


孫泰蔵氏はかつて起業したばかりの頃、資金繰りや社内の人間関係に苦しみ人生のどん底にあったと言います。


そんな時に兄でもあるソフトバンク孫正義社長から 「人生はスーパーマリオ」 という話を聞いたそうです。

以下は、書籍 僕たちがスタートアップした理由 からの引用です。

泰蔵、辛いやろ。苦しかろう。ばってん、お前は今いい経験をしよるとぞ。その苦労や経験は必ず実となって今後お前の人生に絶対に役に立つ。

人生はスーパーマリオみたいなものだ。

最初に1面を始めたときを考えてみい。ザコキャラのノコノコにすぐやられるし、雲に乗ることもできん。だんだん習熟してくるとボスキャラのクッパにたどり着けるようになる。だけど、本当にクッパを倒せるまでに何度も死ぬことになる。そこで挫折しそうになるのをこらえて挑戦を続けて、やっとクッパをやっつけてピーチ姫を助けることができる。次の2面はまた一段と難しくなっとる。そこで何度も何度も失敗するけど、努力と訓練でスキルを上げてクリアしてゆく。

いまのお前は1面で苦労している段階や。それでいかにも俺に助けてもらいたそうな顔をしているけど、プライドがあって言い出せんのだろう。最初に言っとくけど、俺は助けてやらん。お前の今の困難はおれも経験したし、助けてやるのは簡単やぞ。だけど、ここで助けてたらお前のためにならん。

『そこの土管から3面にワープできるぞ』と教えるのは簡単やけど、いまのお前の実力では3面にいったら瞬殺やぞ。だから、1面、2面で『必ず経験しておくべき失敗をして』、そのうえでクリアしていって、やっと3面のボスキャラに対抗できる実力が身に付く。ここで俺がお前を助けて3面に行かせてやったら、そこで致命的な失敗をする。だから、ここは逃げちゃいかん。お前の勝負どころやぞ。

 (引用:僕たちがスタートアップした理由)

当時、孫泰蔵氏は 「死んでお詫びしよう」 とまで考えていたそうです。

マリオという身近なストーリーであったこともあり気持ちが明るくなり、これをきっかけに苦境を乗り越えたとのことでした。


これまでの 「今」 の積み重ねが今の自分をつくっている


人生はスーパーマリオとは、興味深い例えです。私自身の人生観とも近いです。

自分自身の考え方の1つに、これまでの 「今」 の積み重ねが今の自分をつくっている、いかに毎日きちんと生活するか、というものがあります。

これは自分の中でベースになっているもの。過去の積み重ねが今で、今を積み重ねると未来になる。だから、いつ何時も 「今」 というこの瞬間をいかに生きるかが大事、という考え方です。

マリオの話で言うと、1-1 という最初のステージから始まり、目の前の障害を1つ1つクリアしていきます。その積み重ねで、マリオやプレイヤーは成長し、ステージを進んでいくことができます。

その過程で時には失敗もします。敵キャラにやられたり、穴に落ちてしまったり。でもゲームでは復活できるのでその経験は次に活かすことができる。実社会においても今失敗したことを次にどう活かすかは、失敗を糧にできるかどうかの分かれ目です。

失敗は、ミスってしまったその時は何かとんでもないことをやってしまった感じが大きいものですが、後から振り返ってみると、実はそんなに大したことではなかったと思うことがあります。1年後とかに当時を振り返ると、失敗をしたことで自分の経験値が増えたと思うこともあるし、失敗もポジティブに捉えられることもあります。

これはマリオの話で言うと、「泰蔵、辛いやろ。苦しかろう。ばってん、お前は今いい経験をしよるとぞ。その苦労や経験は必ず実となって今後お前の人生に絶対に役に立つ」 という状況です。


風向きは変えられないが、帆の向きは変えられる


マリオの話で思ったのは、人生においては変えられることと変えられないことがある、ということです。

当たり前と言えばそれまでなのですが、マリオで言うと、ゲーム内に用意された各ステージはプレイヤーに変えることはできません。どうしてもクリアできないからと言って、敵の出現やステージ構成をいじることはできません。

しかし、各ステージや敵に対してどう対処するかは変えることができます。敵キャラをやっつけるのか、それとも攻撃をよけて先に進むのか。あるいは土管や雲の上に行くことでショートカットをするのかです。

この話は以前のエントリーで書いた、You can't control the wind but you can adjust your sails. (風向きは変えられないが、帆の向きは変えられる) 、とも通じるものです。

自分がコントロールできないことと (風の向き) できること (帆の向き) を区別すること、そして自分のコントロールできることに集中することの重要性を示した言葉です。

参考:新入社員に伝えたい自分の頭で考えるための3つのこと


もう少し踏み込んで考えると、刺激に対して自分の反応・感情の間には選択の自由がある、という考え方です。何かが自分に起こった時に、それに対する自分の感情反応は1つではないこと、つまり選べるのです。

例えば、発車間際の電車に乗ろうとして目の前でドアが閉まり乗り損ねたとします。

この出来事に対してどう思うか、1つの感情は 「今日はついてないな」 とマイナスの反応で考えてしまうことです。

しかし、「次の電車はすぐ来るし、発車間際の電車より空いているかもしれない。待ち時間も有効に使おう、乗り遅れても数分の差で大したことない」 と考えてみるとどうでしょうか。

起こってしまったことに対してポジティブな反応になっています。刺激に対して自分の反応は選択できること、選ぶならプラスの反応をしてみるのです。


結果とプロセスのバランス感


もう1つ、マリオの話であらためて思ったのは、人生では結果 (目的) とプロセスのバランスです。

スーパーマリオではクッパにさらわれたピーチ姫を助け出すという目的があります。一方で、救出という結果を出すまでには様々な敵キャラに対応し、各ステージをクリアするというプロセスがあります。

ゲーム自体はステージの難易度が絶妙に上がり、このプロセスでのスリルというかおもしろさがあるからこそ、マリオというゲームにハマります。

いくらピーチ姫を助け出すことができたという結果がうれしくても、そこに行き着くプロセスが楽しくなければマリオの楽しさは半減してしまうでしょう。

普段の過ごし方でも結果とプロセスのバランスは意識したいものです。

結果だけを追い求めすぎず、プロセスだけでもなくです。考え方は上に書いた 「今の積み重ねが未来をつくる」 です。プロセスを積み重ねることで結果や成果を出すことを意識しておきたいと思っています。


※ 参考情報
スーパーマリオとバックパッカー|TAIZO SON'S BLOG
新入社員に伝えたい自分の頭で考えるための3つのこと|思考の整理日記



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書いている人 (多田 翼)

Aqxis 代表 (会社 HP はこちら) 。Google でシニアマーケティングリサーチマネージャーを経て独立し現職。ベンチャーから一部上場企業の事業戦略やマーケティングのコンサルティングに従事。

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名古屋出身、学生時代は京都。気分転換は朝のランニング。