2015/06/10

Google フォトはグーグルの悲願であるサインインユーザー増の起爆剤になるか




Google はミッション (使命) として、次のことを掲げています。

世界中の情報を整理し、世界中の人々がアクセスできて使えるようにすること
Google’s mission is to organize the world’s information and make it universally accessible and useful.


ミッションを実現する写真サービス


このミッションを体現したものが、写真サービス Google Photos (Google フォト) です。2015年5月末の開発者向けイベント Google I/O で発表されました。

以下は Google フォトのイメージ動画です


Introducing the new Google Photos - YouTube


Google フォトとは


最大1600万画素までの写真が、容量無制限で、かつ無料で保存ができます (2015年6月現在) 。

特徴は、グーグル人工知能 (AI) によって、写真が自動的に整理されることです。スマホから写真を撮ることが多くなった一方で、撮った写真は溜まるだけだった状況が、Google フォトによって大きく変わるのではないでしょうか。

メディアでは、Google フォトのインパクトを、Gmail になぞらえて評価されているようです。



サインインユーザーを増やす起爆剤になるか


Google フォトと Gmail を結びつけるこれらの記事を読んでいて思ったのは、Google フォトがグーグルアカウントからのサインイン (ログイン) ユーザーを増やす起爆剤になるのでは、ということです。

グーグルにとって望ましいのは、自分たちが提供する各種サービスをより便利に使ってもらうために、サインインをしてもらうことです。


Facebook の場合はログインが前提


比較のためにフェイスブックを考えてみます。

フェイスブックは、ユーザーがログインをして使うことが前提です。ログインをしていない状態でもフェイスブック内の一部の公開情報は見られますが、友人の写真やコメント等を見たり、自分のタイムラインに書き込むためにはログインが必須です。


Google は必ずしもサインインしなくても便利なサービスもある


一方のグーグルのサービスは、必ずしもサインインをしなくても、ユーザーにとっては不自由なく使えてしまうものがあります。利用ユーザー数が多いもので当てはまるのは、検索、Google マップ、YouTube 、Chrome です。これらはサインイン状態ではなくとも、十分に利用価値があります。

それに対して、サインインをしないと価値がないグーグルサービスもあります。ユーザ―数の多い代表例は、Gmail 、Google カレンダーでしょう。


Google はサインインユーザーを増やしたい


グーグルは、検索やマップでも、そして YouTube でもサインインをした状態で使ってほしいと考えているはずです。グーグルにとって、ユーザーのデータを手に入れることができ、利益の源泉である広告ビジネスも含めて考えると、検索や YouTube でサインインユーザーが増えるほうがなおさらよいのです。

だからこそ、グーグルはあの手この手でサインインユーザーを増やそうとしてきました。しかし、現状を見る限りはあまり成功しているようには見えません。例えば、ソーシャルネットワークである Google+ (グーグルプラス) です。サインインユーザーをサービス横断的に増やそうとチャレンジしたものの、ユーザー数は増えていません。

サインインユーザーをさらに増やすために、例えば Gmail ユーザーを増やす方法もあり得ます。しかし、Line などのメッセージを使う人が多い状況では、メールサービスである Gmail ユーザーを一気に増加させることは難しいのではないでしょうか。


Google フォトへの期待


Google フォトはサインインをして使うことが前提のサービスです。

新しい Google フォトの登場によって、初めてGoogleサービスをサインインしてアクティブに使う人が増えることを期待できそうです。

例えば、これまでグーグルサービスを使っていたのは、(サインインしていない状態での) 検索・マップ・YouTube といったユーザーです。特に iPhone ユーザーは Android ユーザーに比べ、その傾向がありそうです。

グーグルにとって理想的なのは、Google フォトだけではなくあらゆるグーグルサービスを、グーグルアカウントからサインインをして使ってもらうことです。

Google フォトがユーザーの写真体験だけではなく、グーグル全体にどんなインパクトを与えるのかに注目しています。

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多田 翼 (書いた人)