しつけの三原則とは
哲学者で教育者でもあった 故 森信三 は 「しつけの三原則」 として、次の3つを挙げています。
- 朝、必ず親に挨拶をする子にすること
- 親に呼ばれたら必ず、「ハイ」 とハッキリ返事のできる子にすること
- ハキモノを脱いだら、必ずそろえ、席を立ったら必ずイスを入れる子にすること
3つとも、日常生活のことです。やろうと思えば誰でもできる、もしくはすでにできているかもしれません。
ただ、よくよく考えてみると、毎日、あるいは毎回、子どもがやっているかというと、そうではないケースが多いのではないでしょうか。
親ができているか
もう1つ、この三原則で思うのは、子どもにとって最も身近な存在である親が、普段からこの3つをやっているかどうかです。
朝、自分 (親) は家族に 「おはよう」 と挨拶をしない時もあるにもかかわらず、子どもにはしつけとして挨拶をしなさいと言い聞かせるとします。子どもにとっては説得力がないように見えるでしょう。2つ目と3つ目も同様です。
自分自身のことを振り返ると、3の靴を脱いだらそろえることは、特に自宅に帰った際はできていませんでした。離席する時に椅子を元に戻すこともやっていなかったです。
日々の小事にこそ躾の本質がある
しつけ三原則に対するポイントは、一見すると小事に見える日常のことにこそ、毎回毎回できるようにすることです。脱いだ靴をそろえるのは、玄関を共有する他人への気配りです。椅子を入れることも、次に使う他人への配慮です。
一方で、やらなかったからといって、特段に誰かに迷惑をかけるというほどのことでもありません。なので、どうしてもおろそかになりがちです。
だからこそ、それができるかどうか、毎回ちゃんとできるかどうかが、しつけの大事な要素になるのではないでしょうか。そして、子どもをしつけるためには、親である自分ができているかどうかがあらためて問われます。
日々の小事にこそ、躾の本質があります。