2013/10/13

「これは厳しい…」 と思った時こそ大切にしたい交渉の3つのポイント




今回は、ある姉妹の喧嘩から学ぶ、ビジネスなどでの交渉力を高めるために気をつけたいことです。

エントリー内容です。

  • 姉妹喧嘩から交渉への示唆
  • 交渉力を高める3つのヒント


姉妹喧嘩から交渉への示唆


武器としての交渉思考 という本に書かれていた、ある姉妹の話です。


該当箇所を引用します。

2人の姉妹が、ひとつのオレンジをめぐって口喧嘩をしています。「半分に分けたら?」 と親が言いましたが、2人とも 「ひとつ分が必要なの!」 と言って譲りません。

しかし数分後、話し合いの結果、姉妹で無事に分け合うことができました。
いったい何が起きたのでしょう?

(引用:武器としての交渉思考)

1つしかないオレンジを、お互いが 「1つ分を全部ほしい」 と譲りませんでした。しかし、問題は解決したようです。

ポイントは、お互いに欲しいものが違っていたことでした。具体的には、オレンジの中身と皮を分け合いました。姉はオレンジ (中身) を食べたかった、妹はオレンジの皮でマーマレードをつくりたかったようです。

意地悪クイズみたいですが、このエピソードからは交渉への示唆があります。

 「一見すると主張がぶつかっている場合でも、実は双方で求めているものが違うことがある。相手の主張を正しく理解すれば、問題は解決する」 。


交渉力を高める3つのヒント


ここからは、ビジネスでの交渉力を高めるために、どんなことに気をつければよいかです。具体的には3つです。

  • 交渉では相手の主張をどれだけ聞けるか
  • 譲歩をうまく使う
  • 交渉は準備が8割

以下、それぞれについてご説明します。


1. 交渉では相手の主張をどれだけ聞けるか


交渉と聞くと、自分の欲しいものや意見を多く言ったほうが勝つというイメージがあるかもしれません。自分の言い分をどれだけ相手に飲んでもらうかです。しかし、姉妹のオレンジの話では、自分の主張だけでは解決しませんでした。

大事なのは 「相手の主張を聞き、相手を理解すること」 です。相手の利害に焦点を当てることです。そのためには、相手の立場を理解し、自分が話すよりも相手の言い分をまずは聞く姿勢が大切です。


2. 譲歩をうまく使う


交渉では譲歩はつきものです。ただし、間違った理解をしてはいけないのは、譲歩したほうが負けではないことです。

大事なのは、譲歩をうまく使うことです。確かに自分たちの譲歩なしに交渉が成立することが良いですが、現実的にはそうはなりません。お互いの主張や利害が成立しない時は、譲歩をし歩み寄り合意を目指します (あるいは全くの第三の道を模索することもあります) 。

譲歩の対象になるのは、「相手にとって価値があること」 と 「自分にとっては価値の低い条件」 です。

譲歩から相手にとっては新しい情報を伝えると、相手の反応を見ることできます。相手の交渉の判断基準を理解することにもつながります。


3. 交渉は準備が8割


交渉がうまい人は、交渉のテーブルで話術を駆使するというイメージがあるかもしれません。しかし、実際は交渉で勝負が決まるのは、事前準備をいかにできるかです。

具体的な準備としては、

  • 理想の交渉ゴール、落としどころ、絶対に譲れないところを明確にする
  • 相手の立場・主張を可能な限り理解しておく。交渉の争点も洗い出しておくとよい
  • 選択肢を多くもっておく

3つめの選択肢について補足です。選択肢の意味は2つあります。1つは交渉相手との交渉材料や譲歩の選択肢です。

2つめの意味は、交渉相手以外との選択肢です。交渉相手に、「自分はあなたと合意しなくても、別の選択肢がある。それよりも良い条件でなければ合意しない」 と言えれば、交渉では優位な立場になれます。たとえ相手に伝えなくても、自分の中で他の選択肢を持っておけば精神的な余裕が生まれます。


最後に


交渉は相手があってのコミュニケーションです。

私の仕事での交渉の経験から言えるのは、交渉相手は初めは闘う相手だったのが、何度も交渉の場で膝を突き合わせてやりとりをする間に、いつしかパートナーのような存在になっていったことです。

互いの後ろには上司がいて、会社のメンツもある制約条件の中、何が満たされれば合意できるのかという、交渉の上位レベルで共通認識を持てました。

この経験からの学びは、今回ご紹介した交渉で心がけたい3つです。

  • 交渉では相手の主張をどれだけ聞けるか
  • 譲歩をうまく使う
  • 交渉は準備が8割



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書いている人 (多田 翼)

ベンチャーから一部上場企業の経営・事業戦略を支援。マーケティング、コンサルティング・アドバイザー・メンター、プロダクトマネジメント。前職は Google でシニアマーケティングリサーチマネージャー、現在は独立 (詳細は LinkedIn または Facebook をご覧ください) 。

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1981年 (昭和56年) 生まれ。名古屋出身、学生時代は京都。現在は東京23区内に在住。気分転換は毎朝の1時間のランニング。