
データ分析をするときに、常に意識として持っておきたい大切なことがあります。
今回のエントリーでは、データ分析者として価値のあるものを出せるために必要だと思うことを考えます。
1. 3つの 「情報」 を意識する
日本語の 「情報」 は、英語で言うと3つのレベルのものが1つの言葉で表現できてしまいます。3つとは、Data、Information、Intelligence です。
Data とは、単に集められただけの状態です。ローデータ (生データ) として存在するものです。
ちなみに Data の語源はラテン語の Dare (与える) です。Data は 「与えられたもの」 であり、Data の状態では、その数字からはまだ何も言えません。
Information は、Data が集計され数表やグラフになっている状態です。Data が整理され使える状況になっています。Data が Information になって初めて、分析や解釈ができます。
ビッグデータという言葉はあっても、ビッグインフォメーションとは言いません。データはビッグになろうとも、インフォメーションは多ければ良いというわけではなく、むしろ適切な量がよいでしょう。
Intelligence とは、Data が加工され Information になり、それを分析し評価することで得られる情報です。Intelligence は、目的に応じた見解や示唆までが示されている状態です。
日本語では、Data も Information も Intelligence も、いずれも 「情報」 と表現できてしまいます。逆に言うと、これら3つの状態を区別せずに、ひとくくりに同じものと見なせてしまいます。
だからこそ、データ分析をする上で意識したいのは、自分が取り扱っている情報は Data、Information、Intelligence のどれにあたるのかです。つくり出そうとしているのはまだ Information なのか、Intelligence までいけているかを意識しておくことが大事です。
2. データ集計で満足しない。重要なのはその先
「情報」 を3つのレベルで意識することに関連することです。繰り返しですが3つとは、
- 集計される前の数字情報 (Data)
- 集計してつくった数表やグラフ (Information)
- 分析から得られる評価、解釈や示唆 (Intelligence)
データ分析で起こりがちなのは、2つ目の Information の段階、つまり、単にデータを集計しグラフにした状態で満足してしまうことです。
しかし、データ分析をする立場として求められるのその先です。いかに価値のある Intelligence を提供できるかです。
高度な集計手法を使ったり、労力と時間をかけてつくったグラフが目の前にでき上がれば達成感も得られます。
そこから一歩先に踏み出せるか、つまり、データ集計で終わるのではなく、データ分析をし意味のある情報 (Intelligence) を提供できているかは、データ分析者として意識したいことです。
自分がやっているデータ分析は、そもそも何のためか。目的やゴールを見失わないことが大切です。
3. 事実と考察を区別する
データ分析後のレポート作成のときに注意したいことです。
それは事実と考察を明確に分けることです。
分析結果である 「事実」 と、結果を評価し解釈をしたり見解や仮説 / 示唆の 「考察」 を意識して分けることが重要です。レポートの中で客観的な事実と、主観的な考察を明確に分けて書くことです。
前者の客観的な事実としての情報は、他の担当者がデータ分析をしたとしても、同じファクトが提示されるでしょう。
一方、得られたファクトをどう評価しどんな示唆を与えるか、何を考えたかは、データ分析者の力量が問われます。分析者として価値が出せる部分です。
だからこそ大切にしたいのは、レポートの中でどこまでが客観的事実で、どこからが分析担当者としての考察なのかを、書き手自らが意識することと、読み手にもわかりやすいように書かれていることです。