今回はマーケティング指標の NPI を取り上げます。
✓ この記事でわかること
- マーケティング指標の NPI とは？
- 自動車メーカーの NPI 調査結果
- マーケティングの本質から NPI の有用性と存在意義
おもしろいと思った調査事例をご紹介し、NPI という指標をマーケティングの本質から掘り下げています。
よかったら最後までぜひ読んでみてください。
NPI の調査事例
MarkeZine に、自動車メーカーについて調査をした記事がありました。
シェア拡大･顧客離反の可能性がここまで見える！自動車メーカー3社の NPI (次回購買意向) を調べた結果｜MarkeZine
NPI とは
NPI は Next Purchase Intention の略で、｢次回購入意向｣ を表す指標です。
例えば NPI が 40% なら、対象者100人に訊けば次回もその商品･サービスを買いたいと答えた人が40人いたということです。
自動車メーカー3社の NPI
MarkeZine の記事で紹介されていたのが、トヨタ、ホンダ、日産の3社の NPI 調査結果でした。
自動車メーカーの NPI 結果 (出典: MarkeZine)
調査概要
- ネットリサーチにて自動車免許を保有している 20 ~ 69 歳男女 8,303 人に対し調査
- 2020年8月に実施
- 現在顧客 = ｢ロイヤル顧客 (前･今回と連続して同メーカー) ｣ + ｢一般顧客 (前回は他メーカーだった顧客) ｣ 。メーカー名はいずれも通称
3社を比べると、トヨタの NPI の値が高く、トヨタの車に乗っている人は次もトヨタの車を買いたいという人が多い結果です。
興味深いと思ったのが、｢現在利用メーカー以外の次回購入意向｣ です。
もし今乗っているメーカー以外の中から選ぶとすれば、次に買いたい他のメーカーは何かを尋ねた結果です。どのメーカーが競合になるかが見えてきます。
現在メーカー顧客の他メーカーへの次回購買意向ランキングトップ5 (出典: MarkeZine)
結果で注目したいのはトヨタです。
上位5社のうち、日産以外はトヨタ系列です。トヨタ以外の選択肢として、トヨタグループ全体が受け皿になっています。トヨタ全体での強さが見て取れます。
マーケティングと NPI
ではここからは、マーケティングの本質から NPI の意味合いを掘り下げてみましょう。
マーケティングの本質
そもそもマーケティングとは何でしょうか？
マーケティングについて、これは私の一言の定義になりますが、マーケティングとは ｢顧客から選ばれる理由をつくる活動全般｣ です。
自社商品やサービスが、お客さんから選ばれ続ける状態にするのがマーケティングの役割です。選ばれるのが ｢これでいい｣ という消去法的な理由ではなく、｢これがいい｣ と能動的に選ばれることを目指します。
NPI の存在意義と有用性
ここで NPI と話をつなげると、NPI とは次回購入意向でした。買いたいという ｢お金を払って選びたい度合い｣ を示す指標です。
NPI は量的な指標で、100人中何人が次も買いたい気持ちを持っているかです。より精緻に取り分けるなら、購入意向の強さ、つまり質的な次回購入意向もあると良いです。
例えば、｢絶対に買う｣ なのか、｢おそらく買う｣ 、あるいは ｢機会があれば買っていい｣ かで、次回購入意向の強さが異なります。
マーケティングの本質 (顧客から選ばれる理由をつくる活動全般) から言えば、NPI は ｢お客さんから次に選ばれる可能性｣ を可視化できるので、マーケティング指標として有用です。
NPI はマーケティングの実務でぜひ押さえておきたい指標です。
まとめ
今回はマーケティングの指標の NPI を取り上げ、NPI 調査結果事例やマーケティングでのNPI の意味合いを掘り下げました。
最後にまとめです。
NPI とは
- Next Purchase Intention の略で、｢次回購入意向｣ を表す指標
- 例えば NPI が 40% なら、対象者100人に訊けば次回もその商品･サービスを買いたいと答えた人が40人いたということ
マーケティングと NPI
- マーケティングとは ｢顧客から選ばれる理由をつくる活動全般｣ 。自社商品やサービスが、お客さんから選ばれ続ける状態にするのがマーケティングの役割
- NPI は ｢お客さんから次に選ばれる可能性｣ を可視化できるので、マーケティング指標として有用
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