
マーケティングについてです。顧客のライフステージの変化に、どう対応するかを考えます。
エントリー内容です。
- 「ライフステージに沿ったマーケティング」 は具体的か?
- ライフステージ変化と買う理由
- 買う理由と使われ方
「ライフステージに沿ったマーケティング」 は具体的か?
マーケティングでは、人のライフステージの変化によって、顧客へのアプローチを変えることが大切であると考えられています。
ライフステージとは人生の節目となる段階のことで、例えば、就職、引越し (居住形態や生活場所の変化)、結婚、子育て、子どもの独自、リタイヤなどです。
こうしたライフステージの変化には、支出の変化が伴います。従って、ライフステージに適したマーケティングが求められます。
「ライフステージごとにマーケティングは変えるべき」 と言っても、具体的にどう考え、何をすればよいかがわかりにくいです。少なくとも、もう一段深掘りをする必要があるというのが、今回の問題意識です。
ライフステージが変化すると買う理由が変わる
ライフステージの変化によって影響するのは、人が買うものを選ぶときに、どんな価値に重きを置くかです。平たく言えば選ぶ理由が変わります。
具体例で考えてみます。ある休日に、家族4人で出かけた時のことです。昼ごはんを家族で外食をしました。
お店の候補は、始めはスペイン料理店を予定していました。しかし、店舗内のつくりや雰囲気が、小さい子ども2人 (2才と0才) がいる自分たちには適していないように見えました。予定を変更し、近くのフードコートで食べることにしました。
フードコートはよくある一般的なものでした。チェーン店を中心に何店かが連なり、お店ごとに注文し、自分で料理を取りに行って運び、テーブルで食べる形です。子ども用の椅子や食器が用意されていて、家族連れが多かったです。
もし子どもがいなく夫婦2人であれば、そのフードコートでお昼ごはんを食べる選択はまずなかったでしょう。料理の質はスペイン料理店のほうが良さそうだったからです。
しかし、実際に自分たちが選んだのはフードコートでした。小さい子ども2人がいる食事に都合が良いと判断したからです。
具体的な選択理由は、子ども用の椅子があり子どもと一緒に食べやすい環境、メニューもスペイン料理単体よりも幅広く子どもが残さずに食べられそう、待たずにすぐ座れる、などです。
ライフステージの視点で言えば、外食店の選ぶ理由 (どんな価値に重きを置くか) は以下のように違います。
- 子どもなしの夫婦:料理の質や静かでゆっくりした雰囲気
- 家族4人:小さい子どもと一緒でも食べやすい環境。料理の質は優先度が下がる
ライフステージが変われば、何かを買うときに頭の中に浮かぶ選択肢に対して、選ぶ理由が変わるのです。
買う理由が変わるのは、使われ方が変わるから
選ぶ理由が変わるのはなぜでしょうか?
ライフステージによって利用シーンが変わるからです。利用シーンとは、製品やサービスがどう使われるかです。
先ほどの外食の例で言えば、子どもなしの夫婦2人での食事の仕方と、小さい子どもがいる4人家族での食事の仕方は、食べる状況が異なります。
ある製品やサービスが使われているとき、そこには利用者が得ている何らかの価値があります。そのベネフィットにこそ、生活者はお金を払います。
先日の家族での外食の例では、自分たちがお金を払ったのは、単にお昼ごはんを食べるためではなく、家族4人でゆっくりと、普段の自宅とは異なる食事の時間を楽しむためです。これが自分たちが得られた価値でした。
まとめ
今回のまとめです。
- 「ライフステージごとにマーケティングは変えるべき」 は具体的ではない
- ライフステージの変化とは、選ぶ理由が変わること
- 選ぶ理由が変わるのは、利用シーンや使い方が変わるから
自分の実感から、これまでの人生において、子どもが生まれてからのライフステージの変化が最も大きいです。
何かを買ったり、家族で行なうことの判断基準や選ぶ理由が変わりました。ライフステージの変化に伴って、利用シーンや使い方が変わったからです。