2012/05/26

何のために働くか?-「働き方革命」を自分ごと化してみる

今の会社の人事評価に MBO という仕組みがあります。これは Management by Objective の略で、日本語では目標管理制度と呼ばれるものです。

具体的には一定期間(半年や四半期ごと)に個人が目標を設定し、期が終了した後に各目標に対する達成度から評価します。評価は難易度×達成度で考慮されます。MBO は成果を重視する評価システムです。

MBO の設定は結構時間を使うもので、作成だけでも、ドラフトを 作成 ⇒ 上司と面談1 ⇒ 各メンバーの MBO を管理職会議で確認/精査 ⇒ 精査後に上司から各自にフィードバック(上司と面談2)⇒ 過不足を修正し人事に提出、と少なくない工数が発生します。

個人的には MBO は大切にしています。会社が進む方向性と所属組織の役割/目標から自分のテーマを設定、そこからやるべきタスクに落としていきます。

各タスクについて、具体的かつ定量的に、成果(ゴール)をイメージし、その達成目標期日を書いていきます。プロジェクトのスケジュールや進捗も見ながらの作成になり、それなりの時間を使います。

今年から新しい組織に所属していますが、今年の自分の部長はこの MBO をとても重視している方という印象です。MBO について、部長からは以下のようなコメントがありました。

  • 定量的に測定可能かどうかはとても大事。その仕事の中で、何を自分が寄与するのか(自分は何をやるのか)を明確に。ここがはっきりしないということであれば、半年間自分がやる仕事をどこを到達点にして進めるのかが不明なまま時間だけが過ぎる
  • MBO = 目標 によるマネジメントシステムは会社と社員の間の契約。より具体的な契約を結ぶことが大事
  • MBO に魂がこもっていると嬉しい。淡々と項目で書くだけでなく、自分が何を達成するかを宣言したもらいたい

特に、MBO は社員と会社の契約である、という考え方はそうだなと思っています。

MBO を通じて自分がこれから何をするのか、具体的には何を/いつまでに達成するか、つまり、自分が働くことでどんな成果を出すかの宣言です。

■ 働き方革命:働くことは傍(はた)を楽(らく)にすること

以前に読んだ本で、「働くこと」について考えさせれたのが「働き方革命―あなたが今日から日本を変える方法」した。

タイトルの働き方革命とは、個人や企業が働き方を変え生産性を上げ、そして従業員が仕事と生活を両立できることとしています。これだけ聞くと、単なるワークライフバランスにも見えますが、本書を読むと、もっと深い考え方だとわかります。

著者が長時間労働という働き方に疑問を持つようになったきっかけは、友人が鬱になったことでした。明るく優秀な友人が、まさか鬱になるとは思っていなかったそうです。

友人を苦しめた原因は職場での稚拙なマネジメントでした。業務量が膨大になったにも関わらず、上司からは何の解決策も提示されません。友人は押しつぶされてしまったのでした。

もう一つ、著者が働き方を見直すきっかけになったのは、自分が代表をつとめる NPO 法人フローレンスに所属する優秀だった女性社員が「仕事が忙しくなり、家事の時間が減ったことで夫に怒られた」と辞めていったことでした。

夫は仕事だけをし、妻は仕事と家事を行う。できなければ、妻の方が仕事を辞める。こうした馬鹿げた日本の職場環境を変えたいという思いです。

著者である駒崎さんの問題意識です。例えばがむしゃらに働き族やパートナーとの時間を犠牲にする、肉体的にも精神的にも自分の健康を犠牲にする、それは本当に正しいことなのかという問題意識です。

著者の考え方は No です。働き方を変えることは、自分のことだけではなく、家族やパートナー、友人などの大切な人たちにもつながる話です。

働くことは、傍(はた)を楽(らく)にすること、妻・子・家族・友・社会を全ての他者を楽にさせることが働くである。これが著者の考え方のベースです。

働くほど他者への貢献が増え、ひいては世の中が楽になる方向へシフトさせたい。働くほど、自分やまわりを犠牲にすることとは逆の考え方です。

会社で働きつつ、自分も含めた社会のために働く。働くことを他者と自分のために価値を生み出すことと捉え、それが、職場でも地域でも価値を生み出していくことにつながるという考え方。そのためには働くを単に会社で仕事をするだけではなくプライベートにも拡張し、自分のライフビジョンの追求そのものとすることです。

働くを「仕事もプライベートも統合し一つのプロジェクトとして捉える」という考え方が印象的でした。

■「何のために働くか?」

「何のために働くか?」。本書はこの問いに対する視野が広げてくれるものでした。

働くとは突き詰めて考えると、世の中の課題解決のためです。世の中にはありとあらゆる問題があって、それは1人で解決できるものもあれば、多くは組織で解決していくことが必要のものもあります。それを解決するために働くイメージです。

問題解決と同じくらい、時にはそれよりも重要なのが問題発見です。

イシューの立て方で、ここを見誤ると問題解決の方法も間違った方向にいってしまいます。だから思うのは、自分が働く上では問題発見から考えるような仕事をしたいということです。

課題を自分で設定し、それを解決していく。そのプロセスや成果で自分も含めた他者を楽にする、社会を良くする。これが「何のために働くか?」の今の自分の答えです。



そのためには、会社での働くことのゴール、プライベートでのゴール、つまり自分の時間をどう使うか、人生をどう生きるかをあらためて考えることが大事です。

本書「働き方革命―あなたが今日から日本を変える方法」は働くを考える上で示唆に富むものでした。

エントリーでは具体的な方法には触れませんでしたが、働き方革命.netにも紹介されていますので、興味のある方はこちらも参考になると思います。


働き方革命―あなたが今日から日本を変える方法 (ちくま新書)
駒崎 弘樹
筑摩書房
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