2013/11/02

身体行動が先で、脳でそれに見合った感情が形成されるという「脳の妙なクセ」がおもしろい




「脳には妙なクセがある」という本がおもしろかったです。著者は脳研究者である池谷裕二氏。脳の最先端の研究結果がわかりやすく紹介されています。

いろんな脳の「クセ」が書かれていて、中でもおもしろいなと思ったのは、脳と身体の関係でした。

例として説明があったのは、楽しいという気持ちと笑顔の関係。一般的な理解としては、楽しいから笑うという順番でしょう。

ところが研究からわかってきたのは、笑顔をつくるから楽しいという逆の因果。その研究によると、笑顔の表情をつくるとドーパミン系の神経活動が変化をするそうです。ドーパミンは快楽に関係した神経伝達物質なので、笑顔をつくることで楽しくなる。

本書によれば、このような身体の変化が先で、脳が後という順番は笑顔だけに限らないようです。恐怖や嫌悪の表情をすることで、脳に恐怖/嫌悪の感情を生むスイッチが入るそう。

表情だけでなく姿勢でも当てはまるとのこと。ある実験では、姿勢が自己評価に与える影響を調べ、背筋を伸ばした姿勢と背中を丸めた姿勢で、被験者に自己評価をしてもらったところ、姿勢を正したほうが自信を持てる結果が出たようです。日本では柔道や弓道、茶道の世界では姿勢の重要性が強調されますが、脳の仕組みにおいても理にかなっているのでしょう。

このように表情や姿勢という身体変化を通じて、その行動に見合った心理状態を脳が生み出すのです。行動→意識変化の順番。

誰にでも一度は経験があると思うのは、面倒だと思うこともちょっとやり出すと気づいたらが手をつける前はめんどくさいと感じていても、いざ掃除を始めてみると気分が乗ってきて部屋がすっかりきれいになったという経験です。

脳と身体の関係を一般化すると、身体行動が先で、脳でそれに見合った感情が形成されるということです。得られた示唆としては、行動を変えることで意識を変える。

「何ごとも始めた時点で、もう半分終わったようなもの」とはよく言ったもの。迷うようなこともとりあえず行動してみる。そうすれば後から気持ちはついてくるはずです。心(脳)は身体行動から派生することは覚えておきたいと思いました。




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