2016/10/13

教育経済学の研究から子どもをほめるのは「子ども自らがコントロールできること」についてがよい


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子どもはほめて育てたほうがいい?
子どもが勉強するように、ご褒美で釣ってもいい?

子どもを持つ親であれば、気になる質問です。

「学力」の経済学 という本では、これらの質問に個人の主観ではなく、教育経済学の視点から科学的な根拠で答えています。

■ 子どもをほめるのは、能力ではなく「取り組んだ努力」についてがよい

この本では、コロンビア大学のミューラー教授らが行った、効率小学生を対象にした実験が紹介されていました。

生徒をランダムに3つのグループに分け、1つ目のグループは頭の良さなどの能力をほめる、2つ目のグループは「よくがんばった」と努力をほめる、3つ目のグループは比較対照として何もほめませんでした。

実験の結果、2つ目の努力をほめられたグループで、1つ目の能力をほめられたグループよりも IQ テストの結果が統計的に有意に高かったという結果が得られました。

実験結果からの示唆は次の通りです。子どもには「かしこいね」などのもともとその子どもが備わっている能力をほめるのではなく、「今日1時間も勉強できたね」「今月は朝寝坊が一度もなかったね」などの具体的に子どもが取り組んだことや達成した内容をほめるほうがよいということです。

研究からは、子どもたちの取り組んだ内容をほめると、さらなる努力を引き出し、より難しいことでも挑戦しようとする子どもに育つ傾向も見られたそうです。

■ 子どもにご褒美をあげるのは、結果ではなく「取り組んだプロセス」がよい

別の研究を本書からご紹介します。

ハーバード大学のフライヤー教授は、子どもに与えるご褒美の違いで学力テストの結果が変わるかどうかを実験調査しました。

ご褒美を、以下の2つの場合にあげ、どちらが子どもたちの学力を向上させたかを比較しました。

  • 学力テストや通知表の成績がよくなればご褒美をあげる
  • 本を読む、宿題をやる、学校にちゃんと出席をする、制服を着るなどをやればご褒美をあげる

結果は、学力テストの成績がよかったのは後者でした。子どもたちが自らが取り組めることに対してご褒美をあげたほうに効果が見られたのです。

なぜ通知表などの成績が上がったことに対してご褒美をあげる場合は、効果が小さかったのでしょうか?

テストの点数や通知表の良くなればご褒美をもらえると言われても、子どもにとってはそれをどうやって達成するかは考えなければいけません。一方、本を読むなどの具体的なプロセスに対してご褒美をもらえるとわかれば、それをやるインセンティブになります。

そのプロセスが学力向上に貢献するものであれば、インセンティブ → 取り組む → ご褒美 → 結果と、自然な流れができます。

■ 共通点は「子ども自らがコントロールできること」

子どもをほめるのは能力ではなく努力、ご褒美を与えるのは結果ではなくプロセスにする。

この2つに共通するのは、ほめるのもご褒美を与えるのも「子ども自らがコントロールできること」に対してということです。

努力など自分がやったこと、自分の意志でやれることをほめてもらえれば、子どもは次もほめてもらえたいと思い、適切な取り組みを自ら進んでやっていくでしょう。ご褒美というインセンティブ設計も同じです。

親にとってのポイントは、子どもが実現してほしい結果に結びつくプロセス (子どもがコントロールできること) は何かを見極め、それに対して適切なほめ方をし、インセンティブをつくってあげることです。

いくら子ども自身がコントロールできる内容であっても、それが目指した結果につながらなければ望ましくありません。

ゴールから逆算して、目標を遠すぎず近すぎないバランスでつくる。子どもにとっては、難しすぎず簡単すぎない「自分がコントロールできること」です。それに対して、どんなほめ方や時にはご褒美を用意するのか。

親や先生としての腕の見せどころです。




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