2017/04/12

2017年3月にブログで注目を集めた本 (月間クリック数ランキング)


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このブログでは、訪問いただいた方に役に立つと思ってもらえる本を紹介しています。読んだ本の書評を書いたり、エントリーの参考情報として本の内容を引用しています。

今回のエントリーでは、2017年3月の1ヶ月でクリックが多かった本をご紹介します (6冊) 。クリック数の多かった順番で並んでいます。



ビッグデータの正体 - 情報の産業革命が世界のすべてを変える (ビクター・マイヤー = ショーンベルガー / ケネス・クキエ)



本書では、ビッグデータがもたらす3つのパラダイムシフトが提示されています。

  • 限りなく全てのデータを扱う。母集団から標本データ抽出ではなく、母集団そのものの全数データ
  • 量さえあれば精度は重要ではない
  • 因果関係ではなく相関関係が重要になる

2つ目の 「精度よりも量が大事」 というのは、母集団をいかに代表する標本サンプルデータを抽出する精度よりも、どれだけ数多くの人数のデータの量を集められるかです。

3つ目の 「因果関係ではなく相関関係が重要になる」 についてです。本書で主張されているのは、ビッグデータにおいては因果関係よりも、何と何に相関関係があるかさえわかればよく、その組み合わせを見つけることが重要であるという考え方です。

ビッグデータというあらゆるものについて、大量にデータが安価かつ迅速に手に入るようになると Why ではなく、相関という What に軸足が移るようになっていくのでしょうか。

本書はビッグデータについてよくまとまっています。上記の3つのパラダイムシフトが興味深かったですが、他にも、ビッグデータを活用したビジネスや、プライバシー等の懸念事項も書かれています。ビッグデータをただ称賛するのではなく、マイナス面にも目が向けられています。

関連エントリーはこちらです。

因果関係よりも相関関係:ビッグデータがもたらすパラダイムシフト



WHY から始めよ! - インスパイア型リーダーはここが違う (サイモン・シネック)



TED での 優れたリーダーはどうやって行動を促すか を語ったサイモン・シネックの著書です。

本書で紹介されているアイデアを一言で表現すると、「人は何を (What) ではなくなぜ (Why) に動かされる」 です。

「なぜ」 は、自分の動機やビジョン、理念です。自分が信じていることを語り、共感が生まれれば人々を惹きつけることができるという考え方です。

本書ではゴールデンサークルというフレームが紹介されています。Why, How, What の3つの円があり、この順番がポイントです。

一般的にはゴールデンサークルの外側から内側に向けて考えると言います。What → How → Why の順番です。しかし優れたリーダーは逆で、Why → How → Whatの順で伝えます。

具体例として Apple が取り上げられています。iPhone や Mac を What からではなく、Why からメッセージがあったと著者のサイモンは説明します。Apple の場合は Why は 「世界を変えること」 であり 「Think different に価値がある」 です。

関連のエントリーはこちらです。

Why からはじまるゴールデンサークル:シンプルかつ応用度の高い思考アイデア



経営の教科書 - 社長が押さえておくべき30の基礎科目 (新将命)



書評としてのエントリーは残していませんが、「大局観をいかにして磨くか」 というテーマが興味深かったので、ブログエントリーとして取り上げました。

大局的な視点でものごとを見るには 「多、長、根」 という3つがキーワードだとします。

  • 多:複数の視点から全体像を把握する
  • 長:短期ではなく長期のスケールで考える
  • 根:本質に立ち返る

詳しくはこちらのエントリーで紹介しています。

大局観を持つための視点は 「多 / 長 / 根」



1年で駅弁売上を5000万アップさせたパート主婦が明かす奇跡のサービス (三浦由紀江)



この本の内容紹介を引用します。

44歳でパートデビューの主婦が、53歳で年商12億のカリスマ所長になった秘密を初公開。5秒接客術から、1年で駅弁売上を5000万アップさせたチームづくり、15種の駅弁開発まで、奇跡のサービスを一挙公開!

平易な語り口で、具体的なエピソードを交えながら書かれています。色々と学びもありました。特に印象的だったのは 「幕の内弁当はダメ」 でした。

著者が地方の駅弁業者と新しい駅弁を開発するエピソードです。駅弁業者に 「幕の内弁当ではダメ。その地方で自慢できる素材を1つだけ使って、シンプルな駅弁を開発してほしい」 と要望した話です。

おかずの種類が多く、各おかずの量が少いお弁当が、幕の内弁当です。幕の内弁当は、100人全員が当たり障りなく食べられる駅弁です。

著者の考えは、幕の内弁当ではなく、100人のうち5人だけでいいので、その5人が本当に満足してくれる駅弁が良いというものです。その地方で自慢できる素材を1つだけ使う、それ以外の素材は使いません。やることが明確です。

考え方は、「100人にウケる1つの駅弁よりも、5人にウケる駅弁を20種類あったほうがよい」 というものです。

戦略の要諦は 「何を捨てるか」 です。幕の内弁当には、多くの人が満足するために色々なおかずが入っています。「シンプルな駅弁」 はそれを捨て、素材を1点に絞ったものです。マーケティングの観点から興味深く読めました。

関連エントリーはこちらの2つです。

幕の内弁当ではダメ。100人のうち5人が本当に満足する駅弁を。戦略の要諦は 「何を捨てるか」
駅弁販売員の説得力あるセールストークから考える、データ分析における 「現場の大切さ」



ストーリーとしての競争戦略 - 優れた戦略の条件 (楠木建)



この本の内容紹介は、次のように書かれています。

戦略の神髄は、思わず人に話したくなるような面白いストーリーにある。

大きな成功を収め、その成功を持続している企業は、戦略が流れと動きを持った「ストーリー」として組み立てられているという点で共通している。

戦略とは、必要に迫られて、難しい顔をしながら仕方なくつらされるものではなく、誰かに話したくてたまらなくなるような、面白い「お話」をつくるということなのだ。

本書では、多くの事例をもとに 「ストーリー」 という視点から、究極の競争優位をもたらす論理を解明していく。

本書で書かれていたことで、思わず人に話したくなったのは、ある競争戦略フレームでした。SP と OC という戦略概念です。

  • SP (Strategic Positioning): ポジショニングの戦略。他社と違うところに自社を位置づけること。SP は、何をやり / 何をやらないかという意思決定や活動の選択
  • OC (Organization Capability): 組織能力による差別化。他社には簡単に真似できない組織や仕組みとしての強みのこと。表面的には真似することができても、実際の組織内での実行レベルでは中々真似できないもの。時間とともに常に進化していく

SP が他社と違ったことを 「やる」 に対して、OC は他社と違ったものを 「持つ」 ことです。SP は短期的な戦略的意思決定で、OC は中長期での競争優位性となるものです。

SP と OC のわかりやすい例えが、レストランです。

SP (やること) はどんなメニューを提供するかです。例えば日本食なのか中華なのかイタリアンか、さらには日本食でも高級か庶民的か、あるいは伝統的な料理か新しい料理かの、他店との違い (ポジショニング) です。

一方の OC (持つこと) は、腕前のよい料理人やシェフを雇い、どんな厨房や、料理の注文・調理・提供する仕組みを持つか、あるいは仕入先やどんな素材を持っておくかです。



究極の身体 (高岡英夫)



運動や体の本で、今まで読んだ中で最もおすすめの一冊です。人の身体構造や運動のメカニズムについて独自理論が、興味深く読めます。

本書の究極の身体の定義は 「人体の中で眠っている四足動物、あるいは魚類の構造までをも見事に利用しきって生まれる身体」 です。

人間の進化は、魚類 → 爬虫類 → 哺乳類 → 人間と経ています。人間の身体には、魚類、爬虫類や哺乳類などの四足動物の構造も受け継いでいると著者の高岡英夫氏は言います。

著者の問題意識は、究極の身体を持っているにもかかわらず、現在の人類の多くはその身体資源を使いきれていないことです。

究極の身体を実現するために印象的だったことは、以下でした。

  • 究極の身体に不可欠なことは重心の意識。そのために筋肉の脱力が必要
  • 身体の中にセンター (軸) を構築する。センターは、身体の重力線とほぼ一致するところを通る身体意識
  • 究極の身体の立ち方は、吊り人形のように頭部の糸で身体を吊り上げ、そこからゆっくり下ろして足を接地させたような立ち方 (緩重垂立) 。体重を支えるギリギリのところまで力を抜いたプラプラの状態

身体動作や運動構造に興味のある方は、おもしろく読める本です。書評エントリーはこちらです。

書籍 「究極の身体」 がおもしろい


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