2010/02/13

ハッピーターンからマーケティングを考える

あまりの衝撃で思わず衝動買いをしてしまいました。「ハッピーパウダー200% ハッピーターン」です。(画像1)



ハッピーターンはあの粉があってこそのハッピーだと思っていますが、この商品はその粉が従来品よりも2倍になったらしいのです。セブンイレブンにて、50g入りで105円だったのですが、これ以上の量だとやや重いかもしれませんが、一個目に食べた時は確かに普通のものより「濃い」印象でした。



ところで、「経営戦略立案シナリオ」(佐藤義典 かんき出版)には市場について次のように書かれています(この本では、全体の話の流れから市場を「戦場」と表現しています)。
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(p55より引用)
実は、昔から競合は顧客が決めていた。ただ、同じ価値を提供するのは昔は同業者だけだったので、顧客のベネフィットを意識しなくても、”たまたま”同業者だけを意識していればよかった。 しかし、今は違う。 (中略) 顧客が「戦場」を決める。戦場が決まる基準は、業種・業態ではなく、「顧客にとっての価値」だ。
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これはどういうことかと言うと、競合というのは消費者の頭の中で選択肢として浮かんだものである、という考え方です。つまり、売り手が設定するのではなく、あくまで買い手(消費者)が決めるというもの。

例えば、本ではマクドナルドが例として挙げられていますが、彼らの競合は、ハンバーガー市場だけではなく、
・ 手早く安く済ませたい (競合例.浮かんだ選択肢は牛丼専門店)
・ 机で食べるためのテイクアウト (競合例.浮かんだ選択肢はコンビニ弁当)
・ 食後のコーヒーを飲みたい (競合例.浮かんだ選択肢はスターバックス)
・ 休日に家族で外食として (競合例.浮かんだ選択肢はファミレス)
・ ちょっとだけ店内で無線LANを使用したい (競合例.浮かんだ選択肢はネットカフェ)
といった感じです。



やや恐縮ですが、仮に何かお菓子を食べたいと思った時に、自分の頭に浮かんだ競合を整理してみました。
競合が多いか少ないか × 定番商品かどうか
のマトリクスで考えています(画像2)。



■定番・競合多い
ポテトチップやチョコレート、ガムなど
ポテトチップと言えばカルビーですが、多くのメーカーが販売しています。チョコやガムなどと同様、選ぶのに迷ってしまうほど、選択肢はたくさんあります。

■定番・競合少ない
ハッピーターン、カール、かっぱえびせん、カラムーチョ、うまい棒など
ここにハッピーターンは入ります。あの味は、ハッピーターン以外ではなかなかないのではと思います(単に知らないだけかもしれませんが)。それ以外にも、独特の商品が思い浮かびます。つまり差別化されたお菓子。

■一発屋・競合多い
ナタデココやベルギーワッフル
このセグメントはすぐに思いつかなかったのですが、一時大流行した時のナタデココやベルギーワッフルなどは、複数のメーカーが参入していたように記憶しています。

■一発屋・競合少ない
サイバー菓子(ねるねるねるね など)
一般用語になっているか定かではありませんが、ねるねるねるねなどに代表される「サイバー菓子」です。これは競合は(おそらく)少ないものの、短期の商品サイクルでたくさん出ていたんじゃないかと思います。当時のCMも印象的でした。



「経営戦略立案シナリオ」には、戦略要素として次の点を挙げています。
1.戦いやすい戦場で(市場で)
2.独自資源を活かし、差別化された商品を
3.ターゲットとなる顧客に対し
4.わかりやすく伝えること
そして何より重要なことは、この4点に対して「一貫性があること」である、としています。

今回買った「200%ハッピーターン」でこれらの点を考えた時に、
1.お菓子の中でも独特のポジションを築いている
2.粉をうまく接着させる技術(パウダーポケット)があり、他のお菓子にはない味を持つ(差別化)
4.「ハッピーパウダー200%」とわかりやすい商品名
の3つは一貫性がありそうです。そして、3.ターゲット顧客については予想の範囲でしかわからないですが、コンビニ先行販売という点ももしかしたら関係しているのかもしれません。



最後に
上記はあくまで個人的な「頭の中」での競合状況で、人によっては異なるかもしれません。あなたがお菓子を買った時、その時に思い浮かんだ他の選択肢は何でしたか?



※パウダー200%ハッピーターン
http://www.kamedaseika.co.jp/item/itemDetail.html?itemId=446

※ハッピーターンのサイト
http://www.happyturn.com/

※ねるねるねるね
http://www.kracie.co.jp/products/neruneru/index.html

※ねるねるねるね Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%AD%E3%82%8B%E3%81%AD%E3%82%8B%E3%81%AD%E3%82%8B%E3%81%AD

※経営戦略立案シナリオ
http://www.amazon.co.jp/%E7%B5%8C%E5%96%B6%E6%88%A6%E7%95%A5%E7%AB%8B%E6%A1%88%E3%82%B7%E3%83%8A%E3%83%AA%E3%82%AA-%E3%81%8B%E3%82%93%E3%81%8D%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%8D%E3%82%B9%E9%81%93%E5%A0%B4-%E4%BD%90%E8%97%A4-%E7%BE%A9%E5%85%B8/dp/4761264284

http://www.amazon.co.jp/経営戦略立案シナリオ-かんきビジネス道場-佐藤-義典/dp/4761264284


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多田 翼 (書いた人)


外資系 IT 会社にてマーケティングリサーチ マネージャー (LinkedIn) 。

1981年 (昭和56年) 生まれ。名古屋出身。学生時代は京都。家族4人で東京23区内に在住、2人の子どもの父親。気分転換は毎朝 8km のランニングとピアノ。

書いている内容は、所属組織や会社の正式見解ではなく個人の見解です。