2014/06/08

かつて情熱的に愛しあった夫婦ほど、ある意味で相性はサイアクらしい




話を聞かない男、地図が読めない女。男女でこんなに違うという話は、誰しもが一度は聞いたり、実感したことがあります。

夫婦脳 - 夫心と妻心は、なぜこうも相容れないのか という本が興味深く読めました。一般的な男女間の違いではなく、夫婦という切り口で、一歩踏み込んだ男女間の違いをわかりやすく説明されています。



女性は、右脳で感じたことがそのまま言葉に出る


女性脳の特徴は、男性と比べて右脳と左脳の連携が良いことだそうです。

女性のほうが、右脳と左脳をつなく脳梁 (神経線の束) が 20% 太いためです。女性は右脳で感じたことがそのまま言葉として出します。例えば本書で紹介されていたのは、以下の女性同士の会話です。

美味しい焼き鳥をほおばりながら、女たちは言う。
「このじゅわっと出てくる肉汁がたまらない。皮もかりっとしてるよね」
「スパイスが絶妙なのよ」
「ゆずこしょう?」
「そうそう、それそれ!」
「こんな美味しいもの食べられて、私たち、しあわせよねぇ」
「ねぇ〜っ」

このような会話は、男性同士ではまずされません。


女性同士で共感するワケ


男性からすると女性同士の会話は、よくそんなに次から次に話すことがあるものだと思えます。本書には、奥が深いことが書かれていました。

女性同士で、自分が感じたことを言葉にし共感しあい、コミュニティ形成をしているそうです。情報伝達というよりも感性を共有することに目的があるのです。

大昔、男が狩りに出かけ、女は残り子育てを担っていた頃は、子育てを担当する個体は互いに群れていたほうが子の生存可能性が上がりました。女性脳には今でも本能的にコミュニティ形成を行なっているそうです。


夫婦の会話に見るすれ違い


もう1つ、男女間の違いがよく表れていた例がこちらです。妻がキッチンカウンターで指をぶつけてしまい、ちょうどその場に夫が登場した会話です。

妻 「手をぶつけちゃった」
夫 「このキッチンカウンター、10年前からここにあるよなぁ。どうして、今さら手をぶつけたりするわけ?」
妻 「どうしてって……、手を振り回したから、かしら」
夫 「なぜ、朝の六時から、手なんか振り回したんだ?」
妻 「え、なぜって?なぜかなぁ?あー、痛い。っていうか、その質問に答えることに、何の意味があるの?」
夫 「理由がわからなきゃ、対策が立てられない」
妻 「対策!?私は、ただ、可哀想に、と言って欲しいだけなのに」
夫 「可哀想に、と言われることに、何の意味があるんだ?」

共感してほしい女性、問題解決をしたいのが男性です。


ある意味で相性が最悪...!なのが夫婦


本書の出発点は、男女間のものの見方や考え方、コミュニケーションは異なり、夫婦間では違いがさらに大きいということです。

かつて恋に落ち、互いに愛し合った夫婦は、生殖相性 (遺伝子配合の相性) は良い一方で、人としての相性は最悪なのだそうです。本書のポイントです。


なぜ夫婦の相性は最悪なのか


生殖相性は、免疫抗体の型が遠くはなれ一致していないほど良いのです。理由は、異なる免疫の組み合わせを増やすほど多様性が増え、子孫の生存可能性が上がるからです。恋をするというのは、本能的に相手が生殖相性が良いかどうかを見極めています。

一方、免疫抗体の型が異なると (生殖相性が良いと) 、生体としての反応が違います。例えば、大きな音がすれば片方はしゃがみ、もう一方は逃げ出します。暑がりと寒がり、神経質と無神経、などと逆の反応をするそうです。

お互いに恋愛感情が強い期間は、生殖相性が良いこともありパートナーとしてうまくいきます。しかし、二人が結婚した後はこれが悪い方に作用します。ことごとく自分とは反対の見方や考え方、行動をする相手に対して理解に苦しむことになります。

顕在化するのが結婚後しばらくしてからです。ふと 「この人でよかったのかしら」 という疑問が浮かんでしまいます。それもかつて、恋人同士で情熱的に愛し合った夫婦ほどです。


夫婦間では、いつも 「自分が真」 ではない


この本での発見は、夫婦間の違いは、一般の男女間の違いよりも大きいことです。

それも、根本的なところでそもそも違います。夫婦というとお互いのことを理解できているイメージを持っていましたが、脳科学の視点からすると、夫婦こそ違っているのです。

どうすれば夫婦でうまくいくのでしょうか。

まずは、夫婦ほど生体としての相性は最悪である、という認識が第一歩です。自分の妻まはた夫だからこそわかっているはず、という思い込みが危うくさせます。夫婦間では、いつもいつも 「自分が真」 ではありません

男性からすると、今話されていることの結論が知りたいので相手につい促してしまいます。しかし、女性は結論ではなく、自分が感じままに言葉にし、ただ共感しほしいのです。

女性は自分が見ているものや考えていることは、言わなくても夫がわかると思いがちです。しかし、男性からすると 「言ってくれないとわからない」 のです。女性同士では通じる目配せのような 「察してよ」 は、男性には悲しいかな、通じない (気づかない) のです。


最後に


本書のサブタイトルは 「夫心と妻心は、なぜこうも相容れないのか」 です。著者の軽妙な語り口で、なるほどと思わせてくれます。他人の事例なのに、思い当たることが多くあります。

相容れないからこそ、 お互いが理解すれば、組み合わせとして、これほどよいパートナーは他にはないはずです。

新婚の雰囲気がそろそろ落ち着いてきたなと思った夫婦、それ以上の結婚生活を送っている夫婦、熟年のご夫婦、お互いに読み合わせてみるのもオススメです。

自分の親にも読んでもらって、感想聞いてみたいです。



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多田 翼 (書いた人)


外資系 IT 会社にてマーケティングリサーチ マネージャー (LinkedIn) 。

1981年 (昭和56年) 生まれ。名古屋出身。学生時代は京都。家族4人で東京23区内に在住、2人の子どもの父親。気分転換は毎朝 8km のランニングとピアノ。

書いている内容は、所属組織や会社の正式見解ではなく個人の見解です。