投稿日 2014/09/14

Google アンケートモニターが普及するための2つのポイント




グーグルのアンケートサービスである Google Opinion Rewards が日本でもローンチされました (2014年9月11日) 。

Google Opinion Rewards Now Available in Italy and Japan! | Google Consumer Surveys (Google+)

日本でのサービス名は 「Google アンケート モニター」 です。

すでにローンチされているのは、アメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリアの英語圏の国です。非英語圏ではドイツとオランダに続き、日本はイタリアと同じタイミングでのリリースです。


Google アンケートモニターとは


Google Opinion Rewards (Google アンケートモニター) とは、グーグルが提供するマーケティングリサーチのサービスです。

Google アンケートモニターの特徴は以下です (2014年9月現在) 。

  • Android のアンケートアプリ。アプリ上でアンケートが配信される
  • アプリをインストールしたユーザーは、随時配信されるアンケートに回答する
  • アンケートの質問数は最大10問。スマホから短時間で答えられる程度の分量 
  • アンケート頻度は1週間に1回程度 (参考: Google アンケート モニター - Google Play)  
  • アンケート報酬は、Google Play で使えるクレジット。1回のアンケートで最大100円分。クレジットは、Google Play にある有料アプリや音楽や映画などの有料コンテンツ購入に使用できる

Google アンケートモニターのプロモーションビデオはこちらです。




アンケート対象者に注意


アンケート作成者にとって注意が必要なのは、Google アンケートモニターの回答者母集団です。

Android ユーザー、かつアンケートアプリをインストールしている人たちです。注意が必要なのは、Android ユーザーとそうでないユーザーで、傾向に違い (バイアス) がありそうな調査をする場合ことについてアンケートを作る場合です。

例えば、先週発表された iPhone 6 へのニーズを知りたい場合です。Google アンケートモニターのユーザーには Android ユーザーです (iPhone の2台持ちもいますが) 。今の iPhone から新しく iPhone 6 にするニーズを調べるのは不向きです。

Google アンケートモニターが適切なのは、現 Android ユーザーの iPhone 6 ニーズをアンケートで調査することです。


アンケート作成方法


アンケートは、グーグルアカウントがあればすぐに作ることができます。

こちらの Surveys のぺージの 「Create a Survey」 ボタンを押せば、アンケート作成画面にいきます。

作成イメージは以下の動画で紹介されています。




ローンチの意味は Google が調査パネルを持つということ


日本語サービス名は 「Google アンケート モニター」 です。日本でのローンチの意味は、グーグルが、マーケティングリサーチ用のモバイルパネルを保有することです。

パネルでのアンケート回答者は、Android ユーザーで Google アンケートモニターのアプリをインストールしている人です。

2014年現在、スマホ普及率を5割、スマホ内の Android シェアを6割と見れば、日本人の3割程度が最大規模です。これに対して、アプリがどこまでインストールされるかです。


普及するためのポイント 1: アンケートの頻度


ここからは、Google アンケートモニターが普及するためのポイントを考えてみます。2つあります。

1つ目は、アンケートの頻度です。どれだけ多くアンケートが来るかです。

Google アンケートモニターというアプリユーザー (アンケートモニター) にとっての魅力は、アンケートに回答すると Google Play クレジットがもらえることです。Play 上でしか使えないとはいえ、お金に該当する対価がアンケートに答えれば得られることです。

せっかくアプリをインストールしても、アンケートが来なければアプリは使われません。



ユーザーにとって、常に多様なアンケートが答えられる状態になるかどうかです。ユーザーにとっての価値は、アンケートに答えて Play クレジットが獲得できることです。もちろん、アンケートに答えるというユーザー体験自体も、ユーザーにとっては価値があることでしょう。



普及するためのポイント 2: Google Play に魅力があるか


2つ目は、ユーザーにとって Google Play に魅力があるかどうかです。

アンケートに答えて獲得できる Google Play クレジットが、ユーザーにとってインセンティブになることです。

Google Play に魅力があるとは、ユーザーが使いたくなるような有料アプリや、音楽・映画などのコンテンツが充実していることです。

ユーザーにとって、Google Play に欲しい有料コンテンツがそろっていないと、せっかくアンケートに答えて獲得したポイントも、使われないままです。ただ貯まっていくだけです。

先ほど、Google アンケートモニターのユーザーにとっての価値は Google Play クレジットがもらえることと書きました。ユーザー視点で言えば、ユーザーの利用価値は獲得したクレジットを Google Play の有料コンテンツ購入に使い、そのコンテンツで楽しむことです。

本来はお金を払う必要があるものを、アンケートに答え、もらえたポイントでそれができるかどうかです。Google アンケートモニターが普及するかは、この点にかかっています。


普及のポイントのまとめ


Google アンケートモニターのユーザーが増えるかどうかは、2つのコンテンツがどれだけ充実するかです。

  • Google アンケートモニターに配信されるアンケート
  • Google Play 上の有料コンテンツ

アンケート作成者の立場では、Google アンケートモニターは調査実施の候補の1つとして興味深い存在です。日本でどれだけ普及するかに注目です。


インストールはこちら


Google アンケートモニターアプリは、下記のリンク先からインストールできます。Android のみです (2014年9月現在) 。

Google アンケート モニター - Google Play

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書いている人 (多田 翼)

Aqxis 代表 (会社 HP はこちら) 。Google でシニアマーケティングリサーチマネージャーを経て独立し現職。ベンチャーから一部上場企業の事業戦略やマーケティングのコンサルティングに従事。

ブログ以外にマーケティングレターを毎週1万字で配信しています。音声配信は Podcast, Spotify, Amazon music, stand.fm からどうぞ。

名古屋出身、学生時代は京都。気分転換は朝のランニング。