投稿日 2020/09/05

PDCA と OODA ループは 「合わせ技」 からの相乗効果が正解


今回は PDCA と OODA ループを取り上げます。

✓ この記事でわかること
  • OODA ループとは
  • PDCA で大事なこと
  • PDCA と OODA の相乗効果
  • 「これからは ○○○ だ」 を疑おう

記事の最初に OODA ループをご紹介して、PDCAと OODA の関係を解説しています。

PDCA を効果的に回すための OODA ループという位置付けです。ぜひ記事を最後まで読んでいただき、お仕事での参考にしてみてください。

OODA ループ


いきなりの質問ですが、OODA ループご存知でしょうか?

OODA ループは、意思決定と実行のプロセスです。OODA は4つの頭文字です。

✓ OODA ループ
  • Observe (観察) : 情報を収集する
  • Orient (状況判断) : 収集した情報を解釈し、何を意味するのかを考える
  • Decide (意思決定) : 状況判断から決断をする
  • Act (行動) : 行動に移す


PDCA と OODA ループ


皆さんは、PDCA サイクルはよくご存知かと思います。

一見すると PDCA と OODA ループは似ているように見えるかもしれませんが、2つをより解像度高く見ると似て非なるものです。

よく聞くのが 「PDCA は古い。これからは OODA ループだ」 があります。本当にそうなのでしょうか?

私の考えは OODA ループが PDCA を代替したり置き換えるのではなく、PDCA を回すために OODA ループを取り入れると良いです。

つまり、PDCA と OODA ループは補完関係にあり、うまく使えば相乗効果を期待できます

ではまずは、PDCA について見ていきましょう。


PDCA で大事なこと


PDCA サイクルがうまく回らないパターンは、次の通りです。

✓ PDCA で陥りがちなこと
  • 計画なき実行
  • 計画を作って終わってしまう。実行までに時間がかかりすぎる
  • 実行をやりっ放し。振り返りをせず教訓を得ない。次に生かされない

それぞれを補足します。

1つ目のパターンは、計画や戦略・仮説がない中での実行です。絨毯爆撃での実行になるので、下手な鉄砲数を数多く撃ち当てるしかありません。

2つ目のパターンは、計画を作って実行されない、あるいは計画を作るのに時間をかけすぎてしまう状況です。

3つ目のパターンは実行をやりっ放しにすることです。PDCA の後半である、振り返りから学びと教訓を得て、次に活かすというサイクルにつながりません。


PDCA と OODA ループの相乗効果


では、PDCA を効果的に回すために OODA ループをどのように活用すればいいのでしょうか?

一言で言えば、PDCA を1回まわす間に、OODA ループを2回まわします

具体的には、P と D で OODA を1回、C と A で一度 OODA です。これを図で表すと、次のようになります。


✓ PDCA と OODA ループの相乗効果
  • PD で OODA を1回まわす
  • CA でもう一度 OODA ループを回す

それぞれについてもう少し補足をしますね。

[相乗効果 1] PD と OODA


プラン (戦略や仮説) をつくるときに OODA ループを回します。

観察から意味合いを解釈し大きな方向性を判断し、実行への意思決定をします (PDCA の D) 。

[相乗効果 2] CA と OODA


PDCA のチェック (振り返り, 検証, 評価) の中でも、観察から解釈・方向性判断、意思決定をします (PDCA の A) 。意思決定は次の PDCA に何をするかです。

このようにチェックから次に実行するために、2回目の OODA を回します。


 「これからは ○○○ だ」 は本当か?


この記事のきっかけになっているのは、時々聞く 「PDCA は古い。これからは OODA だ」 です。

こういう話で意識したいと思っているのは、「これからは ○○○ 」 という言葉や話に思考停止になってしまい、安易にその流れに乗らないことです。

良い意味での健全な批判的精神を持っておきます。もう古いと言われていることに対して、本当に古いのか、なぜ古いのか、具体的に何が機能しないのかを掘り下げます

一方の 「これから ○○○ 」 に対しても、本当にそうなのかも見極めます。今までできなかったことに対して何を解決するのか、具体的にどこが新しいのか、どういう条件や前提で機能する・有効なのかを理解しますか。

いずれも解像度を高く、自分の言葉で掘り下げてみるといいです。


まとめ


今回は、PDCA と OODA ループを取り上げました。

最後にまとめです。

OODA ループ
  • Observe (観察) : 情報を収集する
  • Orient (状況判断) : 収集した情報を解釈し、何を意味するのかを考える
  • Decide (意思決定) : 状況判断から決断をする
  • Act (行動) : 実際の行動に移す

PDCA と OODA ループの相乗効果
  • OODA ループは PDCA の代替や置き換えではない
  • PDCA を1回まわすために、OODA ループを2回まわす
  • PDCA と OODA ループとの補完関係から相乗効果を期待できる



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多田 翼 (運営者)

書いている人 (多田 翼)

Aqxis 代表 (会社 HP はこちら) 。マーケティングおよびマーケティングリサーチのプロフェッショナル。ベンチャーから一部上場企業の事業戦略やマーケティングのコンサルティングに従事。

前職の Google ではシニアマネージャーとしてユーザーインサイトや広告効果測定、リサーチ開発に注力し、複数のグローバルのプロジェクトに参画。Google 以前はマーケティングリサーチ会社にて、クライアントのマーケティング支援に取り組むとともに、新規事業の立ち上げや消費者パネルの刷新をリードした。独立後も培った経験と洞察力で、クライアントにソリューションを提供している。

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名古屋出身、学生時代は京都。気分転換は朝のランニング。