2013/05/11

鏡に映った自分とどう向き合うか

「ビジョナリー・カンパニー 2 - 飛躍の法則」という本では、「良い企業(good company)」と「偉大な企業(great company)」の違いを6年に渡り調査し、得られた知見から偉大な企業の法則をがまとめられています。趣旨は、どうすれば良い企業は偉大な企業になれるのか。6つの法則が提示され、1つ目が「第五水準のリーダーシップ」です。

■第五水準のリーダーシップと謙虚さ

第五水準というのは調査の過程で明らかになった経営者の能力の5つの段階のうち、最も高い段階。5つというのは下から順に、
  1. 有能な個人:才能、知識、スキル、勤勉さによって生産的な仕事をする
  2. 組織に寄与する個人:組織目標の達成のために自分の能力を発揮し、組織のなかで他の人たちとうまく協力する
  3. 有能な管理者:人と資源を組織化し、決められた目標を効率的に効果的に追求する
  4. 有能な経営者:明確で説得力のあるビジョンへの支持と、ビジョンの実現に向けた努力を生み出し、これまでより高い水準の業績を達成するよう組織に刺激を与える
  5. 第五水準の経営者:個人としての謙虚と職業人としての意思の強さという矛盾した性格の組み合わせによって、偉大さを持続できる企業を作り上げる
4つ目の段階までは意外感はありませんでしたが、第五水準は独特のものだと感じました。とりわけ謙虚さを挙げているのが印象的です。

謙虚さについて本書で強調していたのが「窓と鏡」という考え方。成功した時と失敗した時の捉え方/考え方で、
  • 窓:成功を収めた時は窓の外を見て、成功をもたらした要因を見つける。まわりのメンバー、外部要因、幸運など
  • 鏡:結果が悪かった時は自分に責任があると考える。他人や外部要因、運の悪さのためだとは考えない
最近思っていることが、謙虚さって大事だなということ。自分には何が足りないかを常に意識していたり、良い仕組みや他人の優れた考え方/やり方を積極的に自分に取り入れる。常に学ぶ姿勢。「窓と鏡」の考え方にあるように、成功した時ほど驕るのではなく勝って兜の緒を締める。失敗した時は自分のことを振り返ってみる。

■鏡を見た後にどうするかが大切

鏡を見ることについてもう少し考えてみます。

自分のミスや至らなさを認識することも大切ですが、もう1つ大事なのはその状況から逃げないことだと思います。「自分は全然だめだ」と考えてしまうかもしれませんが、そんな自分を肯定しそこから一歩踏み出せるかどうか。自分のことをあきらめずにもう一回立ち上がってみるという決意です。鏡を見て、目の前にいる自分を客観的に捉えるだけではなく、受け入れ、じゃあどうするかを考え、ネクストアクションを取る。

良いところも悪いところも含めて今の自分を認めるという自己肯定感は、ここ最近、よく考えることです。大変な状況でも最後には「大丈夫」と思えるか、自分自身や自分のいる環境を受け入れられるか。色々と考えた後に、最終的には自分を肯定して、そこから前向きに考え、行動を1つでも起こす。そんなふうにありたいと思っています。

一度くらい跳び越えられなくても、もう一度跳んでみようと思えるかどうか、それを自分の意思で決められるか。この積み重ねが大事だなと。

米Yahoo!の現CEOであるマリッサ・メイヤーはある対談で次のように言っていました(対談当時はGoogle社員)。
I always worked with the smartest people I could find. You surround yourself with the smartest people. They just challenge you and elevate the way you think and make you think harder and deeper about things.
それはサイコーに頭の良い人たちに囲まれて仕事するような職場だったということ。彼らは自分に挑戦状を叩きつけてきた。それが自分の思考レベルの水準UPにつながるのだ。いままでよりもっと一生懸命考え、ずっと深く考えなければついていけないような環境だ。

And I always did something that I was a little bit not ready to do.
もうひとつの共通点はそれらが「背伸び」しなくてはいけない、ワンランク上の仕事だったということだ。

(引用:サイコーに頭の良い人たちに囲まれて仕事するような職場を選ぶこと そして「背伸び」しなくてはいけないワンランク上の仕事を引き受けろ マリッサ・メイヤー|Market Hack)
この考え方は同意です。あえて厳しい環境に身を置くチャレンジをしてみる。受け身ではなく主体的にそういう場へ飛び込んでみる。

思うのが、自分には大変な状況になった時に、そこから「背伸び」ができるかどうかが分かれ目になるのではということ。まわりの自分より頭の良い人たちに最初は圧倒されますが、その環境や自分の足りない部分を受け入れて、そこからジャンプしようと前向きに捉えられるかが大切だと思っています。

鏡の自分に正面から向き合えるか。映った自分を受け入れられるか。そして、そこから前に一歩踏み出せるか。このあたりがここ最近の自分のテーマです。




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多田 翼 (書いた人)