2017/08/30

センス不要。「レイアウトの5つの法則」 で見違えるほど伝わるデザインに


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伝わるデザインの基本 (増補改訂版) - よい資料を作るためのレイアウトのルール という本には、デザインの基本が丁寧にわかりやすく紹介されています。



デザインの基本はデザインを専門にする人に限らず、ビジネスパーソンであれば知っておいて損はないルールです。

今回のエントリーでは、わかりやすい資料をつくるためのデザインのルールをご紹介します。


レイアウトの5つの法則


本書では、レイアウトの目的を 「情報構造を明確にし、相手に伝わりやすくすること」 とします。

では、情報の構造を明確にするためには、どうすればよいのでしょうか。

本書では 「レイアウトの5つの法則」 が紹介されています。法則というのはルールです。センスの有無よりも、知っているかどうかで相手に伝わりやすいレイアウトにできます。

レイアウトの5つの法則は次の通りです。

  • 余白を十分にとる
  • 揃えて配置する
  • 関連するものをグループ化する
  • 強弱をつける (重要な箇所を強調する)
  • 同じパターンを繰り返す

以下、それぞれについて説明します。

なお、この本の Google Books のレビューページで、5つの法則のうち4つを見ることができます。良い例と悪い例がわかりやすく図で説明されていて、参考になります。興味のある方はぜひご覧ください。


1. 余白を十分にとる


資料の端から端まで何かが書いてあると、読み手は窮屈に感じます。見づらい資料・読みづらい資料になってしまいます。

レイアウトでは、余白をとり余裕をもって配置します。スライドの一番外側、図や写真、テキストボックスなどの各要素のまわりに余白をとります。

余白とは、余ったスペースではありません。意図的に情報がないスペースをつくることです。つまり、テキストボックスやグラフなどの要素を配置して結果的にスペースが余っているのではなく、意識して余白という空間を設けるのです。


2. 揃えて配置する


たとえ文字や図を美しく作っても、各要素がバラバラの位置に配置されていると、資料は混沌としたイメージを与えます。読み手には見づらい資料です。

スライド資料であれば左揃えを基本にし、要素同士を縦と横で揃えて配置すると見やすくなります。

各要素を揃えるために便利なのは、グリッド線やガイド線を使うことです。資料作成時に仮想の線に沿って図やテキストボックスを配置し、位置をそろえるようにします。


3. 関連するものをグループ化する


関連のあるもの同士を近づけます。内容に沿ってグループ化をすると、読み手には資料全体の構成やロジックが理解しやすくなります。関連の弱いものの間には余白を設けるとよいです。

報告書やレポートなどの文字が中心の書類も、グループ化すると読みやすくなります。文章で章が変わる際は改行をし行間を取れば、文章構造のまとまりが見やすくなります。


4. 強弱をつける (重要な箇所を強調する)


文章や単語・図は重要度に応じて目立ちやすさを変え、見た目の強弱をつけます。重要箇所を強調し読み手の視線を誘導します。強弱から、読み手は資料の内容を把握しやすくなります。

強弱のつけ方は、サイズ、太さ、色、枠で囲む、背景をつけることです。

ただし、強くする要素を増やしすぎると資料は見づらくなり逆効果です。1つの資料に使う文字の太さやサイズ、色が多すぎないように注意します。


5. 同じパターンを繰り返す


資料に統一感があると、読み手はストレスなく見たり読むことができます。統一感のない資料は、ページやスライドごとに読み手は構造を理解しなければなりません。スムーズな把握の妨げになります。

スライドを例にすると、タイトルのサイズや色、余白の量、本文の文字フォントを、スライドを通して統一します。同じパターンで繰り返せば、安定感のある資料を作ることができます。


5つの法則の共通点


ここまで、レイアウトの5つの法則をご紹介しました。

  • 余白を十分にとる
  • 揃えて配置する
  • 関連するものをグループ化する
  • 強弱をつける (重要な箇所を強調する)
  • 同じパターンを繰り返す

レイアウトの5つの法則には、共通点があります。

いかに受け手や読み手が見やすいデザインにするかです。読み手にストレスなく、余分に考えさせることなく、作り手の言いたいことが伝わるかです。

読み手にこちらの意図で誘導するために、レイアウトのデザインでエスコートするという考え方です。

本書で印象的だったのは、「全ての配置に必然を」 という言葉でした。

十分な余白、配置をそろえる、関連するもの同士を近づける、強調する、これらを資料内で統一することに、全て意味を持たせることです。全ての配置には、読み手の視点で考えられた作り手の意図があり、必然としてそこにあることが大切です。


デザインの基本が豊富な例でわかりやすい本


今回ご紹介した 伝わるデザインの基本 (増補改訂版) - よい資料を作るためのレイアウトのルール は、デザインの基本を、豊富な例とともにわかりやすく解説した本です。

レイアウトの5つの法則など、自分の作る資料にすぐに取り入れられる方法が紹介されています。

説明にはデザインの Before と After の例があり、何がポイントなのかがひと目でわかります。After のデザインには学びがあります。

デザインと聞くと、センスが求められると思ってしまうかもしれません。この本に載っているのは、デザインの基本ルールです。自分はデザインセンスに自信ががないと思う人にも取り入れられる内容です。

特に今回ご紹介した 「レイアウトの5つの法則」 は、センスは不要で、活用すれば見違えるほど伝わるデザインになります。

最後に、本書の内容説明からの引用です。よい資料とは、見栄えがよくかっこいいものではなく、伝わりやすい資料と書かれています。

実は、見栄えを良くするために必要なのは、センスではありません。学校や会社では教わることのなかった、デザインの基本的なルールに従えばいいのです。

デザインは、見栄えをよくすることではなく、情報を整理してわかりやすく伝えることが第一目的です。基本ルールに従ってデザインし、受け手のストレスになりそうな要素を減らしていけば、理解しやすい、そして見栄えもよい資料を作ることができます。よい資料とは、かっこいい資料ではなく、伝わりやすい資料なのです。

増補改訂版では、図版の作り方や実践例などを内容を拡充してさらにパワーアップ。作例の図も大きくなり、さらに読みやすくなりました。

デザインの基本的なルールに加え、そのルールを MS Office で実現するための具体的操作方法も充実しています。

フォントの使い分けから文字の並べ方、図解・グラフ・表の作り方、全体のレイアウトなど、伝わる資料作成に必要な知識を1冊に盛り込んだ、すべての学生・すべての社会人必携の1冊です。



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多田 翼 (書いた人)


外資系 IT 会社にて 「シニア マーケティングリサーチ マネージャー」 (LinkedIn) 。

1981年 (昭和56年) 生まれ。名古屋出身。学生時代は京都。家族4人で東京23区内に在住、2人の子どもの父親。気分転換は毎朝1時間のランニング。

書いている内容は、所属組織や会社の正式見解ではなく個人の見解です。