2013/02/16

イチローが目指す努力から考える「努力と習慣化」

努力は大事。これは誰もがそう思う、共通の認識だと思います。一方でどういう努力がよいのか?についての努力の中身や仕方の捉え方は、人によって考え方が違うのかもしれません。

あらためてそう思ったのは、イチローがインタビュー記事で以下のように語っていたからです。

努力をすれば報われると本人が思っているとしたら残念だ。それは自分以外の第三者が思うこと。もっと言うなら本人が努力だと認識しているような努力ではなく、第三者が見ていると努力に見えるが本人にとっては全くそうでない、という状態になくてはならないのではないか。(引用:イチロー、40歳にして惑わず ヤンキースでの決意|日本経済新聞(13/2/13)

■ イチローの目指す努力との違い

この部分を読んだ時、自分の中でちょっとしたひっかかりを感じました。なぜだろうと考えてみると、努力の捉え方が自分の評価基準と少し違っているからだと気づきました。

上で引用した最後の部分「もっと言うなら本人が努力だと認識しているような努力ではなく、第三者が見ていると努力に見えるが本人にとっては全くそうでない、という状態になくてはならないのではないか」には、2つの評価軸があります。

  • 本人が自分の努力を認識しているかどうか
  • まわり(第三者)に自分の努力が見えているかどうか
この2軸の中でイチローが目指す努力領域は図のようになります。




私が目指したい努力の評価軸は、

  • 本人が自分の努力を認識しているかどうか
  • 努力の成果が出ているかどうか

で、2点目がイチローの語ったことと違うわけです。図で表すと以下です。



図で考えると、イチローの言葉になぜひっかかったのかがよくわかりました。2つの図で横軸が違います。

私自身が考える努力の評価基準では「第三者に自分の努力が見えているかどうか」をあまり重要視していなかったからです。「努力が成果につながるかどうか」を重視しています。つまり、そもそもの評価軸が違っていた。だから同じマッピング上で並べて比較ができないので、イチローが語る努力についてひっかかりを覚えたのです。

■ 努力と習慣化

新しい考え方・評価基準を知った瞬間、自分の頭の中で何かが生まれる感覚があります。

自分はどう考えるか(図のどこに位置するか)、どこが共通で何が違うのか、なぜ違うのか、を色々と考えるのがおもしろいです。今回で言うと、イチローは「本人が自分の努力を認識していない」状態の努力を目指しています。努力を努力と思わないレベルにするということ。

思ったのが、努力と習慣化の関係です。自分が取り組んでいることを「自分は努力しているな」と思っている段階はまだ習慣化できていない状態、ということです。努力していると思う時点で、まだどこかで自分はがんばっている意識があります。

それに対して、自分が努力していることを認識しない状況というのは、その行為が習慣化されていて、まるで朝起きて顔を洗ったり歯を磨くようなごく自然な行ないとしてできている状態です。

習慣化できているので本人にとっては努力している意識はもはやない、でもまわりから見ると努力に見える。これがイチローの言う目指したい努力の姿です。

例えば、イチローは試合がある日は誰よりも早く球場に来て、入念な準備をします。これは本人にとっては当たり前の習慣です。でも他の選手からすると、「イチローはすごく努力している」と思います。

イチローの言葉から得られたのは、努力を続けることで習慣化できるかどうか、習慣化できるくらいになって初めて「努力」と言えるという考え方です。

ここで思い出しましたが、プロゲーマーの梅原大吾氏は著書『勝ち続ける意志力 世界一プロ・ゲーマーの「仕事術」』において、こう書いています。

「その努力は10年続けられるかものなのか?」

自問自答してみるのがいい。甘過ぎることなく、厳し過ぎるわけでもない。10年続けられる努力であれば、ちょうどいいと言える。

10年続けられる努力かどうか考えれば、おのずと自分にとっての努力の適量、正しい努力の度合いが見えてくるのではないだろうか。

10年続けるという意味は、それくらい継続できそうなことが努力できるレベルであり、本当の習慣にできること、とも考えることができます。

自分の考え方としては、10年までの間にもっと細かく区切りを設定します。

  • まずは3日続けてみる(3日坊主とは言い得て妙です)
  • もう少し続けられそうなら3週間で設定
  • 次が3ヶ月。そして3年

もちろん、続けていく中で「やめる」という選択肢もあってよいと思うし、自分の気持ちに背くような行ないを継続することは難しいです。

努力を続けて習慣にまでもっていけるか、そして成果につなげられるか。あらためて考えさせられたことでした。


※参考情報

イチロー、40歳にして惑わず ヤンキースでの決意|日本経済新聞
イチローが語った生き方に見る「勝ち続ける意志力」|思考の整理日記


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