2013/04/18

問題解決を一歩前に進めるための「魔法の質問」

だいぶ前の話になりますが、参加していたプロジェクトである問題が発生した時のことです。それまではプロジェクトは順調に進んでいましたが、問題が表面化したことでプロジェクト全体のスケジュールに影響を及ぼしかねない状況になりました。

そのプロジェクトでは海外のベンダー企業と一緒にやっていました。問題発生後、急きょ担当者に来日してもらい対応策を考えることになったのです。

■「What can I do for you?」という問いかけ

ベンダー会社の現地メンバーも入り緊急の電話会議をすぐに開きました。来日した担当者が向こうのメンバーに発生状況を伝え、問題の原因究明から着手へ。こちらの期待とは裏腹になかなか打開策が出ない状態でした。そんな状況での電話会議で、来日担当者がある言葉を現地メンバーに投げかけていることに気付きました。

What can I do for you?

直訳すれば、私はあなたのために何ができるのか。相手に対して「自分ができることは何かあるか?」という問いです。このフェーズを半ば口ぐせのように繰り返していたのです。

何回目かの「What can I do for you?」を聞いた時、自分の中でちょっとした発見がありました。この問いかけは、問題解決に向けて一歩前へ進めることができる、というもの。

目の前にある問題に対して原因が明らかになっていない状況だったので、MTG(会議)での議論は堂々巡りをしている感じでした。「あぁでもない」「こうでもない」という、各メンバーが発言はするけど、議論が前に進んでいない。そんな時に「What can I do for you?」という質問が出ると、思考が建設的になりました。「今、何ができるのか」、「自分は問題に対してどう貢献できるのか」。前向きに「できること」にフォーカスできたんですよね。

問題に対して「どうすればいいのか?」と悩んでいるのに比べて、「What can I do for you?(自分は何ができるか)」と変えるだけで、頭の中でスイッチが切り替わったような感覚でした。繰り返し問いかけがあったことでMTG全体の雰囲気も変わっていきました。

「今できること」を中心に考えることで議論が整理され、現実的になっていった。発生事実を把握し、問題が整理され、解決に向けた課題設定へ。課題/やることに対して、誰が・いつまでにと落とし込んでいく。少しずつでしたが、問題解決へと一歩ずつ前へ進むことができた。その後、なんとかプロジェクトも軌道修正できました。

上記のプロジェクトエピソード以外にも、これまでの経験から思うのは、困難な状況であっても何かしらやれることが見出せるということ。できることが見えていないだけで、考え方を変えると希望があったりする。自分が今できること・自分たちは何ができるかを問いかける「What can I do for you?」という質問は、隠れている希望のベールをとく魔法のような質問なのかもしれません。

■父親からのメッセージ

もう少し「What can I do for you」について考えてみます。What can I do for you?とは、相手に対して自分がどう貢献できるかを問うもの。相手への貢献で思い出すのは、自分の父親がくれたあるメッセージについてです。

それは、結婚式披露宴で最後のあいさつでした。キーメッセージは「まず相手を幸せにすることで、自分の心を豊かにする」という考え方。(結婚式ということもあり)お互いがパートナーを思いやり、相手が幸せになることで自分の幸せにもつながる、そんな家庭を築いてほしい。父親からのメッセージでした。

What can I do for youの考え方とも通じるものがあります。どんな状況でも、自分が貢献できることは何かを問う姿勢。相手を慮ること。それが結局は問題解決につながり、ひいては自分にもプラスになって返ってくる。問題解決と幸せでは概念というかレイヤー/レベルが違いますが、本質のところは同じなんじゃないかなと。

厳しい環境であっても、むしろ困難な状況だからこそ、「What can I do for you?」という問いかけは忘れないようにしたいと思っています。


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