2015/08/01

リサーチが役立つのは顧客の経験や意見を聴くときである




「エスキモーに氷を売る―魅力のない商品を、いかにセールスするか」という本の中に、マーケティングリサーチについての言及がありました。

「リサーチにだまされない」と題する章において、次のように書かれています。
これが、私が、リサーチに役に立つと考えているタイプの分野である。つまり、商品あるいは経験について現在の顧客にリサーチするというものである。

(中略)

リサーチが役立つのは、顧客の経験や意見をはかるときである。

この考え方は、私自身も経験から同意するものです。(マーケティングリサーチが有用な領域は、既存顧客の声を聴くこと「だけ」ではないと思いますが)

自分たちが提供する自社商品/サービスのこと、特にどういうものかは自分たちが一番わかっているものです。商品の仕様やどのようにつくられるかなど、売っている側なので商品知識は豊富です。

一方、その商品の使い方や利用シーンは、時に商品提供側では想定していない使われ方がされることがあります。このような商品提供側では見えていないことについて、顧客からの直接の声を集める手段として、リサーチは有効なのです。

いつ・どこで・どんな状況で使われるのかの利用シーンを把握することは、顧客が得るベネフィット(価値)を探ることでもあります。

先ほどの引用にあった「リサーチから顧客の経験や意見を知る」こととは、すなわち、顧客が自分たちの提供する商品/サービスの何に「価値」を感じているのかを知ることです。

自分たちが提供しているモノの、具体的にどんな点に顧客は価値を見出しているのか。

私が思うリサーチの魅力は、「価値」を顧客自身の声/言葉で知ることができることです。特に、インタビュー調査やアンケートの自由回答(フリーアンサー / open-ended question)をうまく活用すれば、顧客の生の声を集めることができます。

ただし、リサーチデータを分析したり結果を活用する立場で注意すべきことは、「顧客の声 = 答え」とは必ずしもならない点です。

顧客に聞けば、何でも答えがわかるわけではありません。むしろ、顧客の声を自分がどう解釈し、何を示唆として得るのか。得られたインサイトをいかに活用するか。ここにリサーチの難しさと、何よりおもしろさがあると思っています。




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