投稿日 2016/07/02

書評: 投資バカの思考法 (藤野英人) 。未来から今を見て価値があるものに投資をする




投資バカの思考法 という本がおもしろかったのでご紹介します。



エントリー内容です。

  • 本書の内容
  • 未来から今を見て価値があるものに投資をする
  • 全力を尽くす


本書の内容


著者は藤野英人氏です。ひふみ投信のファンドマネージャーであり、レオス・キャピタルワークス最高投資責任者 (CIO) です (2016年現在) 。

本書の内容紹介ページから引用です。

 「本書は、私がこれまで25年間で磨き上げてきた、投資のプロとしての経験と知見、メソッドを一冊に凝縮したものです。『投資』と『お金』の考えをすべて詰め込みました」

著者の藤野英人氏は、「ひふみ投信」 のファンドマネジャーとして、R&I ファンド大賞を4年連続で受賞、デフレやリーマンショック、東日本大震災など、どんな経済状況でも、25年以上実績を出し続け、「カリスマ投資家」 と呼ばれている。

著者は、「投資とは、日経平均を予測するギャンブルではない。未来が予測できなくても、長期的には勝ち続けることは不可能ではない」 という。

なぜ、激動の時代でも勝ち続けることができたのか。その方法を、すべて明かしたのが本書である。

 「損するのが怖い」 と投資にしり込みしている人、貯金ばかりで未来が不安な人、日々トレードをこなしている個人投資家。誰も教えてくれなかった 「投資」 「お金」 「経済」 の本質がつまった1冊!


未来から今を見て価値があるものに投資をする


この本は、著者の藤野さんの哲学が書かれています。投資への哲学だけではなく、こういう生き方をしたいという人生観まで含まれます。

藤野さんの投資の考え方は、未来から今を見たときに価値があるものに投資をする、そして、価値と株価は長い目で見れば連動するので、投資をして価値が上がれば株価も上がるというものです。

藤野さんが、母親から 「ファンドマネジャーの仕事はどういうものか」 と尋ねられたときに答えたエピソードが書かれています。

 「会社を公平公正に見て、公平公正に評価して、その会社に価値があるのかを判断して、価値が認められるのであれば、投資をする。

投資をして価値が上がれば株価も上がるし、価値が下がれば株価も下がる。

結果的には、価値が上がる会社に投資できているから、お客様から預かったお金が増えているんだよ」

 (引用:投資バカの思考法)


全力を尽くす


どうすれば会社の成長を予測し、価値を評価できるのでしょうか?藤野さんはそのために 「全力を尽くすこと」 を強調します。

死に物狂いになるという意味ではなく、自分が持っている全ての能力、知恵、経験を出し尽くすことです。

ここに、本書のタイトルに入っている 「投資バカ」 に込めた意味が読み取れます。本書から、該当箇所を引用します。

ファンドマネジャーであれ、職人であれ、サラリーマンであれ、プロフェッショナルの仕事とは、「全力を尽くして、お客様を満足させること」 だと私は考えています。

そして、目の前のタスクに対して全力投球できるようになったとき、自分のやるべきことに対して夢中で入れ込み、真摯に、一途に取り組めるようになったとき、その人は周囲から、敬意を込めて……

 「○○ バカ」

と呼ばれるのではないでしょうか。

 (引用:投資バカの思考法)

この考え方は示唆に富みます。読んでいて印象的でした。投資だけではなく、私自身の仕事でもできているかを問われたように思い、本書の中でも特に印象に残っています。


最後に


本書で興味深く読めたのは、藤野さんの投資の考え方です。例えば、投資する会社の価値を見極めるために、普段から何を考え、どういうふうに行動をしているかが紹介されています。

マーケットを判断するための視点、その会社に投資をするかをどう決めるか、判断と決断の違い、レオス・キャピタルワークスの採用基準です。

投資銘柄の中にはあえて仮説に合わないものを入れておく 「不完全さを保つ」 という考え方も興味深かったです。



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書いている人 (多田 翼)

Aqxis 代表 (会社 HP はこちら) 。Google でシニアマーケティングリサーチマネージャーを経て独立し現職。ベンチャーから一部上場企業の事業戦略やマーケティングのコンサルティングに従事。

ブログ以外にマーケティングレターを毎週1万字で配信しています。音声配信は Podcast, Spotify, Amazon music, stand.fm からどうぞ。

名古屋出身、学生時代は京都。気分転換は朝のランニング。