2016/07/04

2016年6月にブログで注目を集めた本 (月間クリック数ランキング)




このブログでは、訪問いただいた方に役に立つと思ってもらえる本を紹介しています。読んだ本の書評を書いたり、エントリーの参考情報として本の内容を引用しています。

今回のエントリーでは、2016年6月の1ヶ月で、クリックが多かった本をご紹介します (5冊) 。順番はクリック数の多かったものです。


究極の身体 (高岡英夫)




運動や体の本で、今まで読んだ中で最もおすすめの一冊です。人の身体構造や運動のメカニズムについて独自理論が、興味深く読めます。

本書の究極の身体の定義は 「人体の中で眠っている四足動物、あるいは魚類の構造までをも見事に利用しきって生まれる身体 「です。

人間の進化は、魚類 → 爬虫類 → 哺乳類 → 人間と経てきており、人間の身体には、魚類、爬虫類や哺乳類などの四足動物の構造を受け継いでいると著者の高岡英夫氏は言います。

究極の身体は 「魚類運動=脊椎を使った動作 「 「四足動物の運動=脊椎の体幹主導動作+4本足主導の動作 「の両方を使えます。

著者の問題意識は、究極の身体を持っているにもかかわらず、現在の人類の多くはその身体資源を使いきれていないことです。究極の身体を実現するために印象的だったことは、

  • 究極の身体に不可欠なことは重心の意識。そのために筋肉の脱力が必要
  • 身体の中にセンター (軸) を構築する。センターは、身体の重力線とほぼ一致するところを通る身体意識
  • 究極の身体の立ち方は、吊り人形のように頭部の糸で身体を吊り上げ、そこからゆっくり下ろして足を接地させたような立ち方 (緩重垂立) 。体重を支えるギリギリのところまで力を抜いたプラプラの状態

身体動作や運動構造に興味のある方は、おもしろく読める本です。

書評エントリーです。

書籍 「究極の身体 「がおもしろい



エクサスケールの衝撃 - 次世代スーパーコンピュータが壮大な新世界の扉を開く (齊藤元章)




読んだ当時、書かれている内容に衝撃を受けたことを覚えています。

  • 近い将来にエネルギーがフリーになるとほぼ断定されている。人間の社会生活の原動力のベースとなるエネルギーが、ほぼコストなしに無尽蔵に算出されるようになる
  • エネルギー問題というボトルネックが解消されるので、人々の生活の基礎となる衣食住が無料になる
  • 生活必需品の全てが事実上無料で提供されるため、お金を使わなくても生きていける
  • お金を稼ぐために働く必要がなくなる。お金や資本主義という社会形態も変わる。ただし、お金を得る以外の労働へのモチベーション、例えば社会貢献や自己実現のために働くことは残るので、労働が全くゼロにはならない
  • 病気や老化がなくなり、寿命からも解放される

こうした社会全体の変化は、エクサスケールというコンピュータに実現されると著者は言います。本書には、エクサスケールコンピューティングの詳細よりも、それによってどういった恩惠が人類にもたらされるのかの近未来像が描かれています。

本書は総ページ数が600ページほどあります。内容は興味深く、一気に読み終えました。全ての箇所は精読しなかったので、もしじっくりと読めばある程度の時間は必要です。

もちろん、書かれていることが本当に、数十年以内くらいのタイムスパンで起こるかどうかはわかりません。

それでも、壮大なスケールで書かれている本書からは考えさせられることが多く、読んでよかったと思える内容でした。

書評エントリーはこちらです。

書評: エクサスケールの衝撃 - 次世代スーパーコンピュータが壮大な新世界の扉を開く (齊藤元章)



なぜ、あの会社は儲かるのか? - ビジネスモデル編 (山田英夫)




様々な企業のビジネスモデルが紹介され、興味深く読めます。

他の類似本と違い、単にビジネスモデルを紹介しているだけで終わりません。ビジネスモデルの事例紹介 → 仕組みの一般化 → 他業界にある同様のモデル紹介となっています。具体化 → 抽象化と縦に考え、抽象化 → (他の) 具体化と横展開されているのです。

同じビジネスモデルでも違う業界に適用されているので、そのモデルの本質的な仕組みを理解できます。書かれている内容がきっかけや刺激になり、そのビジネスモデルを自分の業界や、自分の仕事に活かせないかと考えてみると発想が広がるでしょう。

この本の関連エントリーです。本書で取り上げられていたビジネスモデルのうち、最も印象的だったコマツ建機の KOMTRAX (コムトラックス) について取り上げています。

KOMTRAX:コマツ建機の美しいビジネスモデル



経営学 (小倉昌男)




著者はクロネコヤマトの宅急便の生みの親である故・小倉昌男です。

ヤマト運輸の宅急便がサービス開始されたのは1975年です。本書には、新規事業開発、サービスイン、その後の拡大が詳しく書かれています。

当時、個人向け宅配マーケットは 「絶対に赤字になる 「という業界の常識がありました。官である郵便小包が独占し、小口荷物は、集荷・配達に手間がかかり採算が合わないと考えられていました。

このような状況に果敢に挑んだヤマト運輸でした。宅配便という民間業者が誰もやっていなかった、家庭への宅配サービスへの挑戦が描かれています。

小倉は業界の常識を疑い、既成概念や先入観にとらわれずに、どうすれば個人宅配市場で効率良く集配作業ができるかを考えます。本書は、小倉が何から発想のヒントを得たかがよく書かれています。

次々に起こる難題に1つ1つ解決していく話は、現代でも示唆に富む内容です。飽きることなく読めます。

書評エントリーはこちらです。

「絶対赤字 「の非常識に挑んだクロネコヤマトの競争戦略



ハーバード流交渉術 (ロジャー フィッシャー, ウィリアム ユーリー)




この本には、交渉のテクニックや心理学を有効に使った交渉術は書かれていません。本書が提案しているのは原則立脚型の交渉です。駆け引き型の交渉よりも優れた交渉方法として、詳しく説明されています。

交渉とは、少しでも自分にとって有利な条件を相手から勝ち取るものではありません。相互理解と信頼、そして原則に則って双方に共通の利益を目指すことです。そのために、交渉相手と協力し、共通の利益を達成するための方法を見つけ出す共同作業であると書かれています。

交渉で大切なのは、交渉相手と良い人間関係を築けるか、どれだけ相手と Win-Win を目指せるかということを、あらためて考えさせられました。

交渉相手を尊重し、相手の立場で考える。交渉では人と問題を分離し、問題に焦点を当てる。相手からの表面的な要求の背後にある利害 (主張や結論を導き出した背景や根拠) に目を向ける。

日常生活から仕事まで、あらゆる交渉で心がけたいことです。

関連エントリーです。

どれだけタフな交渉でも大切にしたい5つの原則

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多田 翼 (書いた人)


外資系 IT 会社にてマーケティングリサーチ マネージャー (LinkedIn) 。

1981年 (昭和56年) 生まれ。名古屋出身。学生時代は京都。家族4人で東京23区内に在住、2人の子どもの父親。気分転換は毎朝 8km のランニングとピアノ。

書いている内容は、所属組織や会社の正式見解ではなく個人の見解です。