2015/02/18

Facebook が新しい広告効果指標 Relevance Score をリリース (2015年2月) 。要するに何を意味するかを考える




Facebook が新しい広告効果指標を発表しました (2015年2月11日) 。

Facebook の広告が、その広告を見たユーザーにとってどれくらい受け入れられたかを点数化した、Relevance Score (レリバンススコア) と呼ばれる広告効果指標です。

参考:Relevance Score for Facebook Ads | Facebook for Business


Facebook の Relevance Score とは


Relevance Score は 1~10 点で表示され、最も良いスコアが 10 点のようです。


Relevance Score の表示イメージ


スコアはユーザーの広告への反応を基に算出されます。以下のようなポジティブな反応とネガティブな反応の両方を使うようです。

  • ポジティブ評価:その広告がシェアされたりクリックされる、動画広告であれば視聴される
  • ネガティブ評価:広告を非表示にされたり、スパムとしてレポートされる

参考:It's a 10: Facebook Starts Telling Brands How Relevant Their Ads Are | Advertising Age (該当箇所を下記に引用)

Facebook determines an ad's relevance by measuring how positively or negatively its target audience may respond to it. Positive measurements include video views, shares and clicks, and negative measurements include the number of times people click to hide an ad or report it as spam.


一般的に、広告の効果を知るにはクリック数を見たり、特別なやり方をすれば態度変容 (ブランド認知や購入意向) を評価します。ここで言うクリック (アクション) は、単純に何回クリックされたかの数です。

対して、Facebook が新しくリリースする Relevance Score は、アクションの中身をポジティブかネガティブかを見ます。そう考えると、Relevance Score は、従来のクリック数評価と態度変容の中間くらいにある位置づけです。


広告主にとっての Relevance Score の価値


Facebook に自社広告を出す広告主にとって、Relevance Score はどういう意味があるのでしょうか。

広告がポジティブかネガティブかの反応がわかるので、質的な広告評価ができます。広告出稿コストと併せて見れば、費用対効果もわかるでしょう。

広告のクリエイティブテストに Relevance Score は活用できます。例えば、広告出稿のキャンペーンが始まる前の段階で、複数候補クリエイティブの A / B テストを行ない、スコアがより高かったほうを、本番キャンペーンに使うやり方です。

あるいは、キャンペーンが開始した後にリアルタイムで Relevance Score を追っていけば、キャンペーン中でもターゲットユーザーを変更していくなど、柔軟な運用に寄与できそうです。


Facebook にとって Relevance Score の価値


Facebook にとってはどんな価値があるのでしょうか。

1つは、Facebook 広告には、Relevance Score という広告を質的に評価するスコアという広告主にとってわかりやすい仕組みがあるので、より多くの広告を出してもらえることが期待できます。つまりは、Facebook の広告売上が増える価値です。

もう1つは、Facebook 上の広告がより良い情報になっていく価値です。

広告主に Relevance Score が浸透し使われるようになれば、Facebook 上の広告は Relevance Score を 1点でも良くしたいという流れができます。スコア算出はユーザーのアクション (シェアされたりクリックなど) に基いているので、そういった広告がフェイスブック上に増えていくことが期待できます。

Facebook 上にユーザーの反応が高いポジティブな広告がネガティブな広告よりもより多く占めている状態は、長い目で見ると、Facebook のプラットフォームとして価値を高めます。


広告効果指標がどうやってつくられたかを考慮して、意思決定することが大事


Relevance Score が算出され、広告主に簡単にフィードバックされる仕組みは、興味深いです。

一方で、スコア算出が、その広告に対する Facebook ユーザーの行動に基いているというのが、本当にどこまでその広告に対するポジティブかネガティブかを反映しているのかが気になります。

というのは、広告に対して、ポジティブな行動であるシェアや、ネガティブなスパム報告をするユーザーはごく一部のはずで、大部分はただ広告を見るユーザーではと思うからです。この大部分の「サイレントマジョリティ」というユーザーがその広告にどう反応したのか、あるいは気にもとめられず何の反応もない (ポジティブかネガティブかすらでない) のかは、Relevance Score には反映されないのです。

これは Facebook Relevant Score に限らずですが、広告効果指標がどうやって出されたものなのかが置き忘れられず、判断の際に念頭に置いて意思決定することが大事です。

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多田 翼 (書いた人)


外資系 IT 会社にてマーケティングリサーチ マネージャー (LinkedIn) 。

1981年 (昭和56年) 生まれ。名古屋出身。学生時代は京都。家族4人で東京23区内に在住、2人の子どもの父親。気分転換は毎朝 8km のランニングとピアノ。

書いている内容は、所属組織や会社の正式見解ではなく個人の見解です。