投稿日 2015/04/18

Google のエイプリルフールに見る郵便受けの不便さ




2015年4月1日 (エイプリルフールです) 、グーグルは Smartbox by Inbox という、全く新しいメールサービスを発表しました。

Smartbox by Inbox: the mailbox of tomorrow, today | Official Google Blog


Google の Smartbox by Inbox とは


Smartbox by Inbox は電子メールではなく、通常の郵便受けです。イメージは、以下のグーグルが作成した紹介映像をご覧ください。




Smartbox by Inbox には様々な機能があります。

  • 専用アプリを使うことでスマホと連携。郵便受けに手紙が入ると通知があり、実際に郵便受けを見なくても確認できる
  • 手紙の自動振り分け機能がある。迷惑メール機能があり、チラシなどの不要なものを受け入れない (不要チラシを入れようとすると静電気が発生 (?) し、郵便受けに触れさせない)
  • 郵便受けの側面にあるディスプレイでタッチパネル操作が可能
  • 郵便受けを持ち運ぶこともできる


電子メールの機能


Smartbox by Inbox、これはもちろん架空の話です。グーグルならではのエイプリルフールです。

ただ、Smartbox by Inbox のことを知り上の動画を見た時、あらためて Gmail などの電子メールと実際のメール (郵便受け) との違いを感じました。

Gmail や Yahoo! メールなどの E メールでは、受信ボックスがあり、整理/保管するためフォルダを自由につくることができます。特定のメールは受信ボックスに入らないような設定が可能です。

例えば、フェイスブックやツイッターの通知メールは 「SNS フォルダ」 、アマゾンやネット通販などのメールは 「買いもの用のフォルダ」 というメールの振り分けができます。

他にも、迷惑メールを E メールが自動で判断し、スパムとして受信ボックスや各フォルダに入らないような迷惑メール機能があります。迷惑メールが大量に受信ボックスを占領し、重要なメールを見落とすことを防いでくれます。

このように、電子メールの世界では、メールの振り分け機能が充実しています。


電子メールと比べた郵便受けの不便さ


一方で、自宅の郵便受けはどうでしょうか。電子メールと郵便を比べると、上記のような電子メールの機能は、郵便受けには全て持っていません。

受信ボックスは基本的には1つで、あらゆる手紙やはがき、チラシが全て1つの場所に入れられます。中身の整理はされず、郵便受けの中は、手紙やちらしが入れられた順番に積み上がっていきます。

何よりもストレスなのは、自分にとって全くの不要なチラシが多く入ることです。

そもそもの郵便受けのつくりとして、誰でも入れることができる状態なので、色々なチラシが日々入ってきます。

マンションなどの不動産、ダイエットや美容関連、学習塾などの案内、金融や資産運用、新聞購読の案内、ピザなどの宅配、不要品回収の案内、などです。自宅に来るこうしたチラシの量は、自分の感覚として自分や家族への宛名のある手紙やはがきの 10 倍はあります。

こうした不要なチラシは、マンションの郵便受けの横にあるゴミ箱に、その場で振り分けて捨てるか、家に全てを持ち帰ってから捨てることになります。いずれにせよ、必要な手紙と迷惑チラシを振り分ける作業を、自分の手でやらざるを得ない状況です。

電子メールで当たり前にできている迷惑メール処理が、リアルの郵便受けでは人が仕分けないといけません。

普段は当たり前のように不要なチラシをその都度で処理していますが、よくよく考えると、無駄以外のなにものでもありません。自分ひとりに起こっているわけではなく、程度の違いはあれ、どの家庭でも発生しています。

Smartbox by Inbox のことを 4月1日に見て、本当にこういうスマートな郵便受けが実現しないかと、あらためて思いました。

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書いている人 (多田 翼)

Aqxis 代表 (会社 HP はこちら) 。Google でシニアマーケティングリサーチマネージャーを経て独立し現職。ベンチャーから一部上場企業の事業戦略やマーケティングのコンサルティングに従事。

ブログ以外にマーケティングレターを毎週1万字で配信しています。音声配信は Podcast, Spotify, Amazon music, stand.fm からどうぞ。

名古屋出身、学生時代は京都。気分転換は朝のランニング。