
少し前にある方から資産運用の相談を受けました。
相談時の状況は、金融資産のほぼ 100% が現金、普通または定期預金として銀行口座にありました。株式等のリスク資産は持っていませんでした。その方はアラサー女性です。
今回のエントリーでは、その時にアドバイスした 「資産運用のはじめ方」 をご紹介します。
1. 現状の金融資産を調べて把握する
まずは自分が今、どれだけのお金を持っているかを理解することが第一歩です。
手持ちの現金、各銀行口座にいくら入っているかです。すでに株式や投資信託を持っている場合は、値上がり/下がり益も含めてどれだけあるかを調べます。
どこまでを金融資産に含めるかですが、この時のケースでは各種保険は含めませんでした。年金は含めました。自分の年金が現時点でどれくらい分の資産になるかはねんきんネットで確認できます。
各資産を洗い出した後、カテゴリーに分類します。キャッシュ、国内株式、国内債券、外国株式、外国債券、年金、その他 (REIT 等) の7つに振り分け、それぞれにいくらあり、全体の何 % を占めるかを見える化します。
なお、今回の相談のケースでは、キャッシュと年金のみでした。
2. 目標を決める
資産運用にあたって、何のために / いつまでに / いくらを目指すのかを明確にします。例えば、リタイヤ後の生活資金のために、30年後に3,000万円を目指す、などです。
3. 資産配分を決める
30年後に3000万円を目指すなどのゴールに向けて、目標とする資産配分を決めます。上記の 1 で確認した資産配分と同じカテゴリー区分において、キャッシュに xx% 、国内株式に xx% 、と割り振ります。
厳密には、期待リターンとしての年率を設定し (例: 3%) 、それを30年間で複利運用し、目標とする資産額に届くかどうかを計算することになります。
ただ、今回のケースでは複雑なことはやらないと決めました。まずは、はじめの一歩ということで、キャッシュと年金を 80%、残りの 20% を株式や債券などのリスク資産とする方針にしました。彼女にとってはリスク資産 0% → 20% を資産運用をしながら目指すことになります。
4. 投資対象を決める
色々と話をした結果、投資信託に毎月一定額の自動積立をすることになりました。購入対象は以下の通りです。
- 国内株式:ひふみ投信
- 外国株式:三井住友・DC 全海外株式インデックス F
5. 投資額 (毎月の積立額) を決める
投資対象が決まれば、どれだけの資産額を投資するかを決めます。
今回の場合、毎月の投資額は、手取り収入から生活費等の支出を引き、残った分としました。これまでは普通口座または定期預金として貯金にまわっていたものです。
つまり、現金としての資産額は当面は増やすことなく、その分を投資信託で積み立てをしていくことになります。
6. 証券口座を開設
今回のケースでは、ひふみ投信は独立の投資信託なので、ひふみ投信に口座を開設します。詳しくはこちらにあります (ひふみ投信|口座開設のお申込み) 。
外国株式の投資信託運用のための証券会社としては、SBI 証券と楽天証券を勧めました。証券会社にお金を入れる銀行口座はすでに持っている口座を使えました。
7. 運用開始 → 定期的に資産配分を確認
口座開設後に、それぞれで自動積立設定をします。
その後は、毎月や3ヶ月ごとくらいで、資産配分を確認していきます。今回のケースでは、投資信託がリスク資産に当たり、全体金融資産の 20% を目指します。
まずは資産運用をやってみようというスタンスではあるものの、目標とするこの資産配分 (アセットアロケーション) を意識しながら運用をします。
一方で、日々の値上がり/下がりに一喜一憂することなく (資産の確認頻度が多くなりすぎず) 、コツコツと長い目でやっていくことが大切であることを伝えました。