2010/03/14

書籍 「マネー・ボール」

現在プロ野球はオープン戦の真っ最中ですが、パ・リーグは20日(土)、セ・リーグは26日(金)にペナントレースが開幕します。個人的な感覚として、オープン戦の話題になると「冬が終わる」気がし、開幕戦を迎えると「春が来た」という感じがします。



今回の内容は、最近読んだ「マネー・ボール」(マイケル・ルイス 中山宥(訳) ランダムハウス講談社)という本についてです。

この本は、実話をもとに描かれたあるメジャーリーグチームの話です。主人公はアスレチックスのゼネラルマネージャーであるビリー・ビーン。彼はそれまでの球界にはなかった考え方で、年俸トータルはヤンキースの3分の1でしかないのに、アスレチックスの成績をほぼ同等まで導いていたという内容です。

2010/03/10

マーケティングスタディ:書籍「生命保険のカラクリ」

大手出版社である文芸春秋のある取組みが話題を呼んでいます。昨年10月に出版した新書「生命保険のカラクリ」(岩瀬大輔著)を、インターネット上でPDFにより全文無料で読めるようにするというものです。

著者は既存の生命保険には次の2点の問題点を挙げています。(1)従来の生命保険の高コスト体質、(2)売り手と買い手との間に存在する情報の非対称。この全文無料公開の試みは、作者の「もっと多くの人に読んでもらいたい」という強い希望で実現したようです。

今回は、この書籍の「フリー」という試みをマーケティングの視点から整理してみました。使用したフレームは「図解 実践マーケティング戦略」(佐藤義則 日本能率協会マネジメントセンター)で紹介されている以下の2つです。

(1)プロダクトフロー
(2)マインドフロー



■プロダクトフロー

プロダクトフローには、前提となっている考え方があります。それは、「購買には心理的な障害がある」というもの。どういうことかと言うと、「財布の中身と相談する」という表現があるように、(衝動買いは別として)何かを買う時には何かしらの迷いがあります。これが「心理的な抵抗」のことです。

プロダクトフローの説明ですが、売りたい商品・サービスを3段階に分けて考え、以下のような3つのステップを設定しています。(図1)


つまり、いきなりスキンケアセット商品を買うのは抵抗がある消費者でも、このプロダクトフローの3段階を踏むことで、「購買への心理的抵抗」が下がります。よって、本当に売りたい商品(スキンケアセット)を買ってもらえるというわけです。

このプロダクトフローに「生命保険のカラクリ」を当てはめると、(1)あげる商品:無料PDF、(2)売れる商品:書籍、になりそうです。

それでは、(3)売りたい商品は何かと考えてみると、「生命保険」になるかと思います。もちろん、筆者の目的はまずは生命保険について様々な人々に知ってもらいたいという思いがあるはずですが、現実的なビジネスとしては、生命保険の販売があるのではないでしょうか。



■マインドフロー

マインドフローというのは、AIDMAのような商品認知~購買~リピートまでの購買ステップのことです。「図解 実践マーケティング戦略」では、7つのステップを定義しています。(図2)






ここで、前述のプロダクトフローである、(1)無料PDF(あげる商品)、(2)書籍(売れる商品)、(3)生命保険(売りたい商品)、をこのマインドフローに当てはめてみました。モデルは、無料PDFで知り、詳細を書籍から読み、生命保険を購入した場合のフローです。(図3)





図から、生命保険についてまずは知ってもらうために、本だけではなく無料PDFのダウンロードにより、効果的に施策が実施されていると思いました。



今回取り上げた「生命保険のカラクリ」の著者である岩瀬大輔氏は、ライフネット生命の副社長です。今後のライフネット生命と、書籍のフリーあるいは電子化については注目したいですね。



※参考情報

日経ビジネス「この本、丸ごと無料です」
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20100225/213027/

生命保険 立ち上げ日誌 書籍は「フリー」になるか
http://totodaisuke.asablo.jp/blog/2010/02/27/4910657

現代ビジネス 対談 岩瀬大輔×坪田知己
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/280?

「生命保険のカラクリ」PDF全文ダウンロード (2010/4/15まで)
https://f.msgs.jp/webapp/wish/org/showEnquete.do?enqueteid=20&clientid=12820&databaseid=czs

生命保険のカラクリ (文春新書)

図解 実戦マーケティング戦略

2010/03/06

書くということ

今こうしてブログの記事を書いていますが、この「書く」という行為は実際にやってみるとなかなか大変な作業だったりします。というのも、書く前段階として何かを考えているわけですが、思考が浅かったりまとまっていない状態では、思うように文章が進まないからです。この書くことについて、「知的複眼思考法」(刈谷剛彦 講談社+α文庫)では次のように書かれています。
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書くという行為は、もやもやしたアイデアに明確なことばを与えていくことであり、だからこそ、書くことで考える力もついてくるのです。(p131より引用)
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この指摘は、ブログを更新する理由にそのまま当てはまります。ブログの題材は、日常生活や仕事、またはニュースなどから得た気づきとそれにより考えたことが主ですが、考えただけの段階では、まだ頭の中では整理しきれていないことがよくあります。そこで、書いてみることで頭の中を整理し、ひいてはそれが考える力をつけることになると思っています。



もう少しブログを書くことについて掘り下げてみると、上記の理由だけではネット上に公開することへの説明にはなっていないことがわかります。単に書くだけであればそれをPC内やノートなどで保存しておけばいいからです。

公開するということは、それはつまり第三者の目に触れるということです。偶然にしろ必然にしろ、その人がクリックしてわざわざ自分の時間を割いて読んでくれる。やや大げさに言えば、その割いた時間に対して、読んでくれた後に無駄な時間だったと感じてもらわないことが、書く側としての責任ではないかと思います。その意味で、公開する前提として「下手な文章は出せない」という意識があり、それが自分の書いた文章を推敲する動機にもなるのです。



ここで公開することから書くことへと話を戻しますが、「思考の整理学」(外山滋比古 ちくま文庫)という本にはこう書いてありました。
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書き進めば進むほど、頭がすっきりしてくる。先が見えてくる。もっとおもしろいのは、あらかじめ考えてもいなかったことが、書いているうちにふと頭に浮かんでくることである。そういうことが何度も起れば、それは自分にとってできのよい論文になると見当をつけてもよかろう。(p137より引用)
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今回の記事て言うと、上記の「公開する理由」がそれにあたります。書く前の段階ではそこまで考えていませんでしたが、書いていくうちに頭の中が整理された結果及んだ考えでした。今後も時間を作り、更新していきたいです。


知的複眼思考法 誰でも持っている創造力のスイッチ (講談社+α文庫)

思考の整理学 (ちくま文庫)


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書いている人 (多田 翼)

ベンチャーから一部上場企業の経営・事業戦略を支援。マーケティング、コンサルティング・アドバイザー・メンター、プロダクトマネジメント。前職は Google でシニアマーケティングリサーチマネージャー、現在は独立 (詳細は LinkedIn または Facebook をご覧ください) 。

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1981年 (昭和56年) 生まれ。名古屋出身、学生時代は京都。現在は東京23区内に在住。気分転換は毎朝の1時間のランニング。