「リスティング広告 プロの思考回路」という本をご紹介します。ネット広告の1つであるリスティング広告(ユーザーの検索結果に連動して広告が表示される)の基本的な考え方と、実践的な内容もバランスよく書かれています。
■リスティング広告のプロが持つ2つの視点
リスティング広告で大事な3つ視点は、
- 自社(広告主)を知る:ランディングベージ(LP)に訪問者に本当に伝えたいことが書いていない
- 競合を知る:そのキーワードで出稿しても、(同じキーワードで出稿している)他社に勝てない
- お客を知る:その広告文で本当にクリックされるのか
まさに3Cのフレームそのものです。
リスティング広告のプロたちが実践している2つがあって、
- 「お客さまは必ず自社(広告主)と競合他社を比較している」ことを念頭に置く
- 「比較されたときに勝てる武器は何か」を理解している
検索結果に連動されるリスティング広告は、ユーザーが自分のニーズを検索キーワードという形で表現し検索した時に初めて広告が表示されます。ほとんどの場合、競合他社の広告も出ます。これはリスティング広告の特徴。
つまり、比較されることになるので、他社と比べられても自社が選ばれる「武器」がなければ、自社広告が上位に表示されても他社に取られるか、自社広告をクリックされるだけで終わってしまいます。よって、「比較された時に勝てる武器は何か」を理解することが非常に重要。
■リスティング広告の3つの要素
リスティング広告は、①キーワード、②広告文、③ランディングページ(Webサイト)の3つが一体となって初めて大きな成果が出るもの。リスティング効果が高い時は3つのバランスがいいし、効果が出ていない時はバランスが崩れている。
3つの要素それぞれに対して、比較された時に勝てるかという視点が大事だと理解しています。
広告出稿前にキーワードを深掘りする際には、候補となるキーワードについてどんな広告主が入札しているか調査してみます(例:Googleで検索)。その時に広告表示される数(広告主)が多いほど、そのキーワード市場の競争が激しいことがわかる。見方を変えるとその市場はお客ニーズも多いとも言えます。
リスティング広告として表示される広告文も「比較されている」視点は大切です。本来、広告文には自社商品/サービスの特徴が端的に書かれてものであるべき。巧みな広告文で集客できても(クリックされても)、サービス内容と広告文が乖離しれていればコンバージョンされません。いくら広告文で競合と差別化されていても、最終的には正しい情報(ユーザーのニーズにあったもの)につながらないと意味がないのです。
ランディングページでも、ユーザーやお客の立場で考えることが大事。ランディングページの目的は、サービスの特徴を一目でわかりやすく伝えること。そのためには、ランディングページでは自社の強みをまず訴求し、その強みがお客様の役にも立つ・メリットがあることを伝える。お客さまに安心感を与えて納得してもらいコンバージョンにつなげる。大切なのは、ターゲットの具体的な想定と、お客にとって「買わない理由が見つからないページ」にすることです。結局のところは、このランディングページは、お客のニーズに本当に答えているか。
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本書がおもしろかったのは、小手先の技術やテクニックではなく、リスティング広告運用でどういう考え方をすればよいかまで踏み込んで書かれている点です。単にクリック率や広告スコアを上げるにはどうすればいいかではなく。
一通り読むことでリスティング広告の理解も進むし、ケース例とともに説明されているので、具体的なイメージも持てます。タイトルにあるように「リスティング広告のプロの思考回路」が学べます。
佐藤康夫,杉原剛,有園雄一,岡田吉弘,高崎青史,来田貴弘,西原元一 アスキー・メディアワークス 2011-12-08