2015/04/25

書評「統計学が最強の学問である[実践編]」(西内啓)




「統計学が最強の学問である[実践編]」という本をご紹介します。

タイトルに実践編とあるように、前作「統計学が最強の学問である」に比べると、統計学をどう使うか、特にビジネスにどう活用するかに軸足が移った内容になっています。

実践編のほうの本書で、著者は、統計学は使う目的は大きく3つに分けられると言います。①現状の把握のため、②将来予測のため、③人間を洞察するため因果関係を知ることです。

これら3つの違いを理解するために、健康診断や医者からの診断に例えるとわかりやすいです。

現状把握というのは、健康診断によって、自分の今の健康状態を知ることです。体重や体脂肪率、血圧、心拍、視力や聴力、血液状態、肝臓の状態などの各検査結果から、どこに健康上の問題がありそうなのかを知ることができます。

将来予測とは、健康診断や人間ドックの結果から、例えば、今の生活を続けると、将来に糖尿病の可能性がxx%上がる。極端な例で言うと、あなたの余名はあとxx年(残り何年生きられる)というものです。

因果関係を知るとは、医者からの診断によって、普段の生活の何を改善すればより健康になれるのか、余名を伸ばせるのか、を把握することです。心身ともに健康的な生活を送ることを目的とし、そのためにどんな取り組みをすれば目的に寄与するかという因果関係を知ることです。

この例で言うと、自分であれば最も知りたいことは、自分自身の何を変えればより健康になれるかです。自分の健康状態について、現状把握や将来予測は重要ではないとは言いませんが、健康になるための因果関係を知ることが欲しい情報です。

話を本書に戻すと、統計学を使う3つの目的のうち、「統計学が最強の学問である[実践編]」で扱われているのは、3つ目の「人間の行動を洞察するための統計学」です。別の表現をすれば「人間の行動の『因果関係』を洞察するための統計学」です。

以下は本書からの引用です。
調達や仕入れを担当する部門の人であれば、仕入れ価格や出荷数の変動を予測して対処するということが一番の関心かもしれないが、マーケティング部門などではしばしば予測よりも洞察のほうが重要になる。

たとえば、いざ完成した商品に対して、「この商品がいくつ売れるか」という正確な予測よりも、「どのようなプロモーションをすれば商品が売れるか」「どのような商品を作ればヒットするか」という洞察のほうが利益の源泉となるのだ。

すなわち、購買という求める結果の背後にどのような原因が存在するか、という因果関係を探り当てることが重要なのである。

本書が最も刺さる読者は、データ分析者というよりも、分析されたレポートを読み、報告や提案内容をどう次に活かすかの判断する人だと思いました。

統計学の視点を持つことで、データや集計情報、考察された結果/示唆をどう読むかのリテラシーを高めてくれる本です。




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