2016/04/25

ブランディング効果のある動画広告の使い方を、ミレニアル世代のアテンションスパンから考える




Adweek が動画広告の調査結果を紹介していました (2016年4月11日)。

New Study Shows Millennials Prefer Short Mobile Videos, While Older Crowds Like Long-form | Adweek

■ ミレニアル世代には、短い動画広告のほうが効果がある調査結果

AdWeek に掲載されていたのは動画広告の調査です。広告対象の商品やサービスへのブランディング効果が、動画広告の長さ (尺) やデバイスの違いによって、どのように違うかのリサーチです。

分析の切り口は、18-34才のミレニアル世代と、35才以上の世代の比較です。ミレニアル世代は短い (短尺) 動画を好む傾向にあるようです。

この調査は、IAB (The Interactive Advertising Bureau: アメリカ NY に本拠地とするインタラクティブ広告業界団体) が、Millward Brown Digital と Tremor Video で実施した共同調査です (調査レポート PDF はこちらです)。

調査方法の概要です。

  • 10秒と30秒の動画広告を、パソコン、スマートフォン、タブレットの異なるスクリーンサイズのデバイスで調査
  • 動画広告で扱われた商品/サービス (ブランド) は、自動車、消費財 (CPG)、ファストフード
  • 調査対象者は18-54才。サンプルサイズは 1,800 (3デバイスで 600 ずつ)
  • 対象者は調査対象広告を見て、その後に動画広告や対象ブランドへのアンケートを回答

調査結果には、動画広告の長さ (尺) による広告効果を、18-34才のミレニアル世代と35才以上を比較した分析結果が示されていました。

「効果」とは、広告によってブランドが魅力的になるか (Brand appeal) と、買おうと決めることに広告が影響するかどうか (Persuasion) です。

10秒と30秒の動画広告を比べると、ミレニアル世代には10秒の動画広告の効果が高い傾向が見られたようです。35-54才には、30秒動画広告のほうが効果があるという結果でした。詳細の数字はレポートの17, 18ページです。

■ 女子大生が語った、スマホ世代とアテンションスパンについて

ミレニアル世代は、なぜ短い動画のほうを好むのでしょうか。

参考になるのは、アメリカの女子大生へのインタビュー調査結果でした。アプリマーケティング研究所が、アメリカの若者のソーシャルメディア事情を調べるために、アメリカの女子大生4名にインタビューを実施しました。

いまの若者が「Facebookをつかってない」はウソ、実際は「SNSの使い分け」が進んでいる。アメリカの女子大生に聞いてわかった、Facebookへの本音。 | アプリマーケティング研究所

Facebook の「ここがいやだな」と思うところはありますか?という質問について、アメリカの女子大生は次のように答えていました。

Facebook は文字 (情報量) が多くてつかれちゃうんです。政治や時事ニュースの長文ポストとか読みたくない。それに比べて、インスタは写真メインでシンプル、それが良いんです。

いまのスマホ世代って、「アテンションスパン (コンテンツに集中できる時間)」が短くなってると思うの。それなのに、Facebook のポストって「情報量」が多いから、そこはミスマッチだと感じます。

わたしたちの親というか、もうすこし大人の世代は、長文でも気にしないじゃないですか。新聞とかで「文面でニュースを読むこと」に慣れているからだと思うんですけど。

でも、わたしたちにとっては「短くてわかりやすいもの」がスタンダードです、ずっと SNS で育ったので。文字ばっかりだと、読む気がなくなります。

スマホネイティブの世代は、スマホや SNS が当たり前のようにある環境で育ちました。スマホネイティブ世代は、長文よりも短いメッセージや動画を好むようです。もっと大人の世代は長文に慣れているため、たとえスマホでも長文や長い動画に抵抗がないのではないかという見方です。

■ ブランディング効果のある動画広告の使い方

IAB の動画広告の調査結果に戻ると、ミレニアル世代には短い動画広告のほうが効果がある結果でした。

ただし、どんな場合でも短尺の動画広告がよいかというと、そうではないことを示唆する結果も出ています。

動画広告に自分にとって新しい情報が含まれた場合では、10秒よりも30秒の動画のほうが効果は高い傾向だったようです (レポートの19ページ)。ミレニアル世代も35才以上にも、両方に共通する傾向です。

この結果解釈は、動画からの情報量の多い場合には10秒では足りなかったことです。つまり、情報について既知のことが少ない場合は、頭の中の情報処理に、30秒の一定以上の時間が必要なのではないでしょうか。

ここからの示唆は、動画広告は目的に応じて使い分けることが有効なことです。

例えば、新しいブランドの認知を獲得するために、予告編のようなティザーとして短尺の動画広告をまずは流します。その後、本編として情報量を多くした長めの動画広告を使います。

すでに知られているブランドを扱う場合は、認知より先のブランドへの興味喚起や好意度を上げる目的に、特にミレニアル世代に対しては短尺の動画広告をモバイル向けに使います。

今回紹介した調査結果やインタビューは、いずれも日本人を対象にはしていません。ただ、若い世代ほど短いコンテンツが好まれる傾向は、肌感覚としては同じことが日本でも当てはまると思います。


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