2016/07/16

株式投資のためのマーケットの本質を見抜く3つの習慣は、マーケティングでも役に立つ




投資バカの思考法という本は、ひふみ投信のファンドマネージャーであり、レオス・キャピタルワークス最高投資責任者 (CIO (2016年現在)) の藤野英人氏の投資哲学が余すことなく紹介されています。

この本は、株式投資などの資産運用の考え方を学べると同時に、マーケティングの視点でも興味深く読むことができます。



マーケティングの観点で参考になったのは「マーケットの本質を見抜く3つの習慣」でした。

  • 他人の目になりきる
  • 関心事を増やす
  • 物事を複合的かつ立体的に見る

1. 他人の目になりきる

「自分はどう思うか」ではなく「相手はどう思うか」をイメージすることです。主観とは別の視点でものごとを観察できます。

著者の藤野さんは、株式投資では美人投票の視点が重要であると言います。自分が美人だと思う人に投票するのではなく、みんなが美人だと思う人を選ぶということです。そのためには、自分の考えは置いておき、自分がどう思うかではなく、世の中や多くの人はどう思うかを考える習慣をつけることが大切です。

藤野さんが使う方法に、ある人になりきって考えることがあるそうです。

  • このような状況のとき、仙台在住の20代 未婚 OL だったらどう考えるか
  • 山梨で果樹園を営んでいる70歳のおじいさんだったら、どう考えるか

「自分がどう思うかではなく、多くの人や相手がどう思うか」の視点は、マーケティングでも重要です。

ポイントは、ターゲットとなる顧客は、自分ではないという認識を持つことです。

方法として「自分 = ターゲット顧客」と考えるやり方もありますが、機能するのはそのような限定された場合のみです。多くのケースでは、自分はターゲット顧客ではありません。

自分のセンスや味の好みとは違っても、ターゲット顧客がそれを求めるのであれば、マーケティングでは優先されるべきです。このあたりは、下記のエントリーで書いています。

マーケティングに必須の顧客視点。どうすれば顧客視点を持てるかを考えてみる


2. 関心事を増やす

人は、関心がないことは目に入らないようにできています。関心事を増やしたり、知らないことにも興味を持つことを意識すれば、見えることが増えます。関心事が増えれば、それだけインプットできる情報量が多くなるのです。

藤野さんが日常的にチェックしている情報源は3つあるそうです。① 新聞 (日本経済新聞) 、② SNS 、③ 街 (街歩き) 。

3つ目の街歩きに関して、マーケットの真実は街 (現場) を見ないとわからないので、藤野さんはレオスの社員に「とにかく街に出よう」と言っているとのことです。

どの年代の人がどんな服を着ているか。靴や鞄、ヘアスタイル、表情はどうか。その街にどのような商業施設があり、どのようなお客がどれくらい入っているか。

マーケットの「今」を知るためには、自分の足で現場を回り、街の雰囲気を五感を使い肌感覚で理解することが大事であると言います。

本書で紹介されている街歩きのポイントは以下です。

  • 大手家電量販店を定点観測する
  • 話題の店に行ってみる
  • 電車やバスの車内で、乗客を観察する
  • 他の人の会話に聞き耳を立てる
  • 写真を撮る

3. 物事を複合的かつ立体的に見る

複数の視点でものごとを見るために、ユニークな考え方が本書で書かれていました。ものの見方を変えるには、無理に見方を変えようとするのではなく、「経験」を増やして違う視点を手に入れる、というものです。

ものごとへの視点は、過去の自分の経験に左右されます。経験とは、会った人、仕事などやってきたこと、旅行、読んだ本や見た映画、食べたものなどです。

これまでの人生で自分がやってきた経験を変えることはできません。可能なのはこれからのことに、別の新しい経験を加えることです。たくさんの経験を積み、思考の幅を広げることができます。それによって、新しい視点でものごとを捉えられるようになります。

★  ★  ★

資産運用では、将来価値があるものを見極め、現在で投資すべきと判断したものに投資します。

マーケティングは、競合よりも高い価値を、その価値を求めるターゲット顧客にどうやって提供するかを考えます。

共通するのは「価値」です。その意味で、投資でのマーケットを知り、価値を見極める方法は、マーケティングにも活かせるのです。




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