2013/06/15

書評「続ける」技術

「続ける」技術という本がおもしろかったのでご紹介。

タイトルの通り、何かの行動を続けるためにはどうすればよいかが書かれています。内容はシンプルで、論理的でわかりやすい内容でした。実際に自分が続けたいこと・習慣にしたいことに使ってみて、応用もしやすいです。

■ターゲット行動とライバル行動

本書では「続けたい行動」をターゲット行動と呼び、2つに分けます。やりたいことなのか、やめたいことなのか。やりたいことの例は、英語の勉強をする、ランニングなどの運動をする、など自分にとってプラスになるであろうこと。後者のやめたいことの例は、ついついTVを見てしまうのをやめる、ダイエットのために甘いものを食べない、禁煙をする、などなど。

ターゲット行動とセットになるのがライバル行動。ターゲット行動の邪魔をするものです。例えば、来週の期末テストの勉強をするぞ!というターゲット行動に対して、なぜか机の上を片付けだし、気づけば部屋の掃除までやってしまった…、というのがライバル行動です。本書での原則となる考え方は、ターゲット行動を増やす(or減らす)のと、ライバル行動を減らす(or増やす)のをセットで考えて、コントロールしていこうというもの。

■ハードルとご褒美

どうコントロールしていけばよいのか。ポイントになるのがハードル設定とご褒美です。やりたいターゲット行動でハードルとご褒美を考えると、いかに取り組みやすい仕組みを作るか、その行動を始められる一歩を踏み出せるかのハードルを低くするかが大事です。もう1つは、その行動をした、もしくは何かの目標を達成した時の自分へのご褒美をどう設定するか。これも続けるモチベーションになります。ハードルとご褒美はターゲット行動とライバル行動の両方で設定するとより効果があります。

ハードルとご褒美の例としては、さっきのテスト勉強で考えると、まずは簡単な問題から、自分の得意な教科から始める、と言った勉強を始めるハードルをいかに低く設定するか。家だと集中できないので、図書館や喫茶店に行くことも勉強をするハードルを下げられます。ご褒美については、1時間勉強すれば何か好きなことをする、といった、これはわかりやすいイメージだと思います。

ライバル行動にもハードルとご褒美の考え方は適用できて、特にハードルをいかに高くするかが効果があると思います。勉強の邪魔になりそうなものは目につかないところにしまうとか。

■「続ける」技術

以上の内容をまとめてみます。
  • 自分がやりたいこと(orやめたいこと)をターゲット行動とする。例:勉強をする。ターゲット行動を邪魔するものがライバル行動(例:マンガを読んでしまうこと)
  • やりたいターゲット行動については、いかにハードルを下げられるか、やったことにご褒美をつけることも効果的。ライバル行動は逆で、いかにハードルを上げられるか
例えば、ダイエットをすることで考えてみます。

ダイエットの方法は色々ありますが、突き詰めると2つしかありません。食事で取るカロリーをいかに減らすか、摂取したカロリーをどう消費するか。単純に体重を減らすということであれば、「摂取カロリー<消費カロリー」の不等号が成り立てば自ずと減っていきます。これはダイエットの大原則。

摂取カロリーを減らすためのターゲット行動とライバル行動をどうするか。一方で消費カロリーを増やすためのターゲット行動とライバル行動をどうするか。この4つをどう設定するかという話になります。

消費カロリー増のためには、ベースとなる基礎代謝を高めるか、プラスアルファとして運動をすることでどうカロリーを消費するか。基礎代謝を高めるためには、身体を冷やさないようにする、筋肉量を増やす、運動をするためには・・、と言った感じで分解しターゲット行動を設定する。始めるためのハードルをどう低くするか、続けるためのハードルは何でそれをどうさげられるか、と考えていきます。

★  ★  ★

本書の特徴は、紹介されている方法がいろんなことへの汎用性だと思いました。特に行動に着目することで、いかに第一歩を踏み出せるか、それを続けられるかが大事であると読めます。

自分がどうなりたいかのゴール目標と、現状を見つめることでやるべきこと/やめることを決める(ターゲット行動)。それを阻害する要因を確認する(ライバル行動)。ターゲット行動とライバル行動それぞれを分解していき、それぞれのハードルを設定し、可能ならご褒美をつける。

目的地と現状から課題を設定し、そのためにはどうすればよいか。MECEとかロジカルツリーなどのロジカルシンキングの実践としても使えそうです。




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多田 翼 (書いた人)


外資系 IT 会社にて 「シニア マーケティングリサーチ マネージャー」 (LinkedIn) 。

1981年 (昭和56年) 生まれ。名古屋出身。学生時代は京都。家族4人で東京23区内に在住、2人の子どもの父親。気分転換は毎朝1時間のランニング。

書いている内容は、所属組織や会社の正式見解ではなく個人の見解です。