
今回は、自動車の将来的な有望性を考えます。
携帯電話もパソコンも便利になったのは、インターネットにつながったからです。
ネットというオープンなネットワーク系に高速・常時・低コストでアクセスできるようになったことは画期的だったと思っています。
ネットアクセスを期待したいもので残っているのは、テレビや家電、そして自動車です。
インターネットの本質
デバイスがインターネットと組み合わさることの本質は、2つです。
- 個の情報発信
- 双方向性
例えば、スマホに当てはめてみます。
スマホからの通信を情報発信という観点で見ると、ネットに向かって情報発信が行われ、ネットを介してスマホ同士が双方向のやりとりを行なっている状態です。
各スマホが、オープンであるネットにつながり、スマホには様々な情報が入ってきます。スマホという個が情報発信を双方向に行なうことによって、スマホ利用者に利便性をもたらしています。
ネットにつながり自動車情報が可視化される恩恵
自動車もネットにつながると、「個の情報発信」 「双方向性」 が起こります。スマホで享受されている利便性が期待できます。
自動車それぞれのデータが集まり、集約することによって情報が可視化されます。具体的にもたらせられる利便性は何があるでしょうか?
以下では、5つご紹介します。
1. 渋滞情報
道路上の走行情報から、リアルタイムにどの道が混んでいるかの渋滞情報がわかる。xx 分後の渋滞予測や、来週のお盆の時期の混み具合も予測できる。
すでに Google map では Android の位置情報を活用して実現できているが、「車に乗っている Android ユーザー (かつ位置情報オン & 情報提供 OK ) 」 ではなく 「車そのもの」 の情報で、かつ全ての自動車から情報が収集されれば、より精度が上がる。
2. 駐車場の空き状況
どの駐車場が今空いているかもリアルタイムでわかる。
自分が行きたい場所の近くで、どこに駐車場があるかは今でもわかるが、満車なのか空きなのかは駐車場に行ってみないとわからない。
自動車からの情報発信によって、満車が続くと駐車場をたらい回しにされている体験がなくなる。空き状況の把握と、車の中から駐車場の予約もできるようになる。
3. カーナビの利便性向上
自動車用の現在のカーナビは、地図情報がアップデート頻度が遅いので使いにくい。自動車がネットにつながり、不便さは解消される。
4. 天気 (降雨情報)
車がワイパーを使っている情報を集められれば、どのエリアで雨が降っているかがわかる。ワイパーの速度情報から降雨量も把握できる。
すでにユーザーからの雨が降っているという提供情報から、リアルタイム降雨情報を公開していることを、自動車の情報で実現する。
5. タクシーなどの商用車
タクシー会社によっては、アプリを使ってタクシーの手配をできる仕組みを提供しているが、全てのタクシーで実現すれば利便性は高まる。
この他にも交通事故情報の共有が迅速化されたり、レンタカーやカーシェアも進化する。ヤマトなどの配送サービスも便利になる。
自動車がメディアになる
自動車 × ネットによって実現することの1つは、車がメディアになることです。
パソコンやスマホのネット画面で起こっていることが自動車でも実現されることになります。
例えば、広告が配信されるようになります。ドライバーに対する運転中の広告配信は規制されでしょうが、同乗者に対して、ドライバーへもエンジンをかけた時、電気自動車ならスイッチを入れた時、車を降りる直前など、可能なあらゆるタイミングで広告が表示されるようになります。
広告表示はユーザーにとって悪いことばかりではなく、広告が出るかわりに車の値段が下がる広告モデルが自動車にも適用されるでしょう。広告主が支払う広告出稿料が自動車保有者に還元される仕組みです。広告が出ない自動車は、プレミアムモデルとして値段が高いという価格設定になります。
最後に
車がネットにつながれば、自動車の価値も変わります。移動手段としてと、移動の目的化 (例: 運転する楽しさ、家族 / 恋人とのドライブ) に分かれます。
前者の移動手段では、移動が快適になり、車に乗ることそのものも楽しくなります。後者の移動の目的化は、車内が第二の部屋になり、パーソナルな空間になります。
インターネットが進出していない自動車 × ネットは有望なフロンティアです。実現の期待とどんな未来が実現されるかは楽しみです。
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