
ソニー創業者の 1 人が故 井深大 (いぶかまさる) です。
著者がその井深大なのと、タイトルにインパクトがあり読み始めたのが 幼稚園では遅すぎる - 人生は三歳までにつくられる! いう本でした。
幼児教育について書かれた本で、サブタイトルは 「人生は三歳までにつくられる!」 です。
読む前は、0 歳 ~ 3 歳までにいかに英才教育をするかという内容かと思ったのですが、そうではありませんでした。もっと奥が深く、読み応えのある本でした。
0 ~ 3 歳と 3 歳以降の脳の成長の違い
この本では、0 歳 ~ 3 歳までと、3 歳以降では特に脳での成長に違いがあると書かれています。本書のポイントの一つで、技術者の井深ならではの説明がされています。
0 歳 ~ 3 歳まではコンピュータでいうハードウェアがつくられ、3 歳以降はソフトウェアがつくられる、という考え方です。3 歳までは 「機械の本体」 、3 歳以後は 「機械の使い方」 です。ここから本書のタイトルである 「幼稚園では遅すぎる」 になったのだと思います。
現代風に解釈すれば、3 歳までは Android や iOS という OS がつくられ、3 歳からは各種アプリができる、という違いです。
幼児教育に 「答え」 はない
書かれていたことで同意だったのは、幼児教育にこうしなければいけないという定型 (答え) はない、ということでした。
以下は本書からの引用です。
私が、幼児期にはよい音楽を聞かせなさい、ホンモノの絵を見せなさいというと、必ず、よい音楽、ホンモノの絵とは何かをぜひ教えてほしいと母親から相談されます。ベートーベンがいいかモーツァルトがいいか、ゴッホがいいかピカソがいいかといったぐあいです。
(中略)
何ごとによらず日本人は、とかく一つの決まった型を求めすぎるように思われます。こういう形で、こういうふうにやるべきといわれないと安心できないようです。しかし、教育とくに幼児に対する教育に定型はありません。母親は、自分がよいと思ったことは、どしどし子どもに与えればいいのです。
0 歳の赤ちゃんでも理解している
本書の内容で印象的だったのは、0 歳児の赤ちゃんでも周囲の環境や親が話す言葉、さらには夫婦げんかなどの雰囲気も敏感に感じ取っているという指摘でした。
だからこそ、著者は 「仲の良い夫婦、明るくなごやかな家庭以上の幼児教育はない」 と言います。
「赤ちゃん」 ではなく 「子ども」 と意識する
この本を読み、自分の考え方で変わったことがあります。今までは自分の娘 (2014年3月現在で生後6ヶ月) を 「赤ちゃん」 と捉えていたのが、「子ども」 という赤ちゃんよりもっと人として意識するようになったことです。
赤ちゃんと見なしていた時は、話しかけてもどうせ中身はまだわからないだろうと思っていました。どこかでまだ一人前の人間とは見ていませんでした。しかし、「子ども」 と捉え直すと、自分の感情や言葉、動きなども、思っている以上に伝わると思うようになりました。
娘とのコミュニケーションが変わった
この意識変化により、話しかける回数や内容が変わりました。
これまでは平日の帰宅後に娘と過ごす時間は、ただ抱っこしていることが多かったです。今は、より積極的に遊んだり、娘の顔を見ながらその日の出来事を家族に言うように普通に話しかけています。
親子の時間が前よりも楽しくなりました。同じことは娘も感じているのかもしれません。帰宅後に見せる笑顔だったり、遊んでいる時の娘の表情もうれしそうです。
この本は自分の子どもとの時間を変えてくれた一冊です。