
今回は、マーケティングについてです。私の日常の一コマから、売り手と買い手での視点とタイミングによるズレから、マーケティングの本質を考えます。
エントリー内容です。
- 日常の一コマ
- 買い手が価値を感じるのはいつか
- 顧客視点で利用シーンを描けているか
日常の一コマ (きな粉の新しい食べ方)
普段から、ヨーグルトをよく食べています。自宅でヨーグルトを食べる時は、ほぼ毎回のように蜂蜜ときな粉を混ぜています。ヨーグルトはごく普通の砂糖なしのプレーンです。これだけでも素朴でおいしいのですが、蜂蜜 & きな粉はいつの間にか欠かせないトッピングになりました。最近は、きな粉だけと、黒胡麻きな粉との2つを使い分けています。
ある時に、何気にきな粉の袋の裏面を見ると、きな粉のトッピング使用例が載っていました。その中の1つに、牛乳にきな粉を入れるというものがありました。その場ですぐにできたこともあり試してみると、ヨーグルト+きな粉とはまた違った、きな粉のおいしさを味わうことができました。
きな粉をめぐる、何気ない日常の一コマです。この体験であらためて思ったのは、商品の売り手と買い手の 「タイミングの違い」 でした。
売り手の終わり = 買い手の始まり
売り手の目的は、売ることです。売上によって利益を得ます。目的として売ることに焦点があたりすぎると、売ったら終わりと考えてしまいます。
一方で買い手にとって、買う (= 売られる) のは始まりです。
買い手である顧客が商品を買う時に求めるのは、使った時に価値があるだろうという期待です。
買い手が価値を感じるのは 「使ったとき」
期待への対価でお金を払っても良いと思うものを買います。正確に言えば、期待と対価がイコールではなく少しでも 「期待 > 対価」 となった時に、財布の紐が解かれるわけです。
買った後に使う時が、買い手が 「価値」 を感じる瞬間です。冒頭の例で言えば、ヨーグルトに入れて食べておいしいと感じる瞬間、あるいは、袋の裏面を見て試してみた、きな粉牛乳を飲んだ瞬間です。
買い手が価値を感じる瞬間とは、買い手の利用シーンにあります。
今回、牛乳にきな粉を入れて、(私という) 一人の買い手のきな粉の利用シーンが増えました。実際に私がおいしいと感じ、買い手にとって 「価値と感じる瞬間」 が増えたわけです。
きな粉の袋の裏面の情報が価値を増やし、(やや大げさですが) 結果としてマーケットが広がったのです。
顧客視点で利用シーンを描けているか
袋の裏面等に 「こんなトッピングもどうぞ」 という情報は、きな粉だけではもちろんありません。よくよく意識してみると、同じトッピングとして使っている蜂蜜の容器にも載っています。
今まではあまり気に留めていませんでしたが、あらためて考えると、興味深いです。
- 「売って終わり」 ではなく、「買ったところが始まり」 と買い手目線で捉える
- 買い手の利用場面を増やす
- 利用シーンでいかに商品を通じて 「価値」 を提供するか
普段の日常にこそ、マーケティングの本質があります。