2015/07/08

戦略を 「数字」 に落とし込み、実行結果を数字で 「評価」 しよう




戦略は、実行を伴ってこそ意味のあるものです。

逆に言えば、いくら戦略に魅力があっても実行が伴わなければ、その戦略は絵に描いた餅です。では、どうすれば戦略と実行をつなげることができるのでしょうか?

今回は、戦略を着実に実行するために、数字と評価の大切さについて書いています。

  • 戦略を数字に落とし込む
  • 具体例 (戦略から数字の設定)
  • 数字になっていれば評価できる


数字を数字に落とし込む


戦略 → 実行における 「実行」 の前後に、忘れがちな、かつ重要な要素があります。それは数字と評価です。

戦略 → 数字 → 実行 → 評価

戦略を数字という指標に落とし込みます。戦略が数字で表現できるので、ブレることなく戦略と一貫性のある実行ができます。数字に落とせば実行されたことが測定でき、そして評価することができます。


 「競争力を上げる」 は戦略と言えるか?


例えば、戦略が 「既存店の競争力を上げる」 だとします。

競争力を上げることだけでは適切な戦略とは言えません。具体的ではないからです。

このまま実行すれば、各店舗ごとに競争力の解釈が分かれ、実行策もバラバラになるでしょう。戦略を実行する戦術を考える段階で、各店で、さらには同じ店のメンバーでも認識と行動にブレがでてしまいます。


具体例で考えると


戦略を数字に変え、戦略指標に落とし込みます。例えば、既存店の競争力強化を 「1店あたりの売上高を増やす」 と設定します。

売上高は、売上 = 客単価 x 客数 と分解できます。さらに、次のように分けることができます。

  • 客単価 = 1個あたり商品単価 × 購入個数 × 来店購入回数
  • 客数 = 既存顧客 + 新規顧客

まとめると、売上は以下のように分解できます。

売上 = (1個あたり商品単価 × 購入個数 × 来店購入回数) × (既存顧客 + 新規顧客)

分解すれば、売上を上げるために5つのうち、どれを重点的に取り組むかを考えることができます。

  1. 商品単価
  2. 購入個数
  3. 来店購入回数
  4. 既存顧客数
  5. 新規顧客数


リピート顧客を増やすか、新規顧客の増やすか


例えば、リピート顧客を増やして売上を伸ばす方針にしたとします。

来店購入回数と既存顧客数を増やすことが重要になります。さらに、1つでも多く買っていただくという購入個数を増やすことができればベターです。

一方、そのお店が出店して間もないのであれば、新規顧客開拓によって1店あたりの売上高を増やすことを考えます。

施策案としてチラシを配布する場合、新規顧客を増やすので、お店付近や駅前で見込み客を狙うことになります。もし、リピート顧客を増やすのであれば店内でお客さんに配ります。

チラシに割引券を付ける場合は、新規顧客には目玉商品の 10% オフ、リピート顧客であれば5回来店で次回注文時に使えるデザート無料券の配布が考えられます。

このように戦略が実行されるにあたって大事なのは、戦略を分解して具体化し、何の指標 (数字) を追っていくのかです。組織全体で戦略と一貫性のある施策の実行をするために、戦略指標を関係者で共有されることも重要です。

もう1つポイントを上げるとすると、「売上」 よりも 「客単価 x 客数」 、さらには客数を 「既存顧客」 「新規顧客」 に分けるなど、分解することです。より具体的な実行アイデアが出やすく、その分、きめ細やかな施策が打ち出せます。


数字になっていれば評価できる


実行策が数字をもとに立てられているので、実行した施策に効果があったかの評価ができます。

上記の例で言うと、「競争力がついたかどうか」 という問いは具体的ではないので、人によって Yes とも No ともどちらの解釈もあり得るでしょう。

しかし 「1店あたりの売上高が伸びたかどうか」 と指標として数値化されていれば、前月との比較、もしくは前年同月と比べることで、明確な結果がわかります。

さらに、売上を5つの要素に分けて見ていれば、売上が伸びたのは客数が増えたからなのか、あるいは客単価増加が寄与したのかと、要因がわかります。客単価は、商品単価・購入個数・来店購入回数の、どの要因が効いたかをブレイクダウンできます。

リピート顧客を増やす施策を実行していれば、狙い通りに来店頻度と既存顧客数が伸びているかの数字を追い、結果を評価します。評価を次のサイクルに活かし、「戦略 → 数字 → 実行 → 評価」 をまわし続けます。


まとめ


やっていることは、

  • 戦略というやるべきことを立案する (やらないことを決める)
  • 定量的な数字 (戦略指標) に落とし込み、実行する
  • 問題が発生したら数字から把握し、定量と定性の両方から原因を明らかにする
  • 解決策を考え、打ち手を実行する

戦略を一貫性のある実行に移すために、実行の前に 「数字」 を、後に 「評価」 を加えます。

戦略 → 数字 → 実行 → 評価

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書いている人 (多田 翼)

ベンチャーから一部上場企業の経営・事業戦略を支援。マーケティング、コンサルティング・アドバイザー・メンター、プロダクトマネジメント。前職は Google でシニアマーケティングリサーチマネージャー、現在は独立 (詳細は LinkedIn または Facebook をご覧ください) 。

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1981年 (昭和56年) 生まれ。名古屋出身、学生時代は京都。現在は東京23区内に在住。気分転換は毎朝の1時間のランニング。