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今回のエントリーでは、特にビジネスの交渉で大切にしたい5つのことをご紹介します。
- 交渉で大切なのは良い人間関係を築けるか。どれだけ相手と Win-Win になれるか
- 交渉相手を尊重し、相手の立場で考えることを忘れない
- 人と問題を分ける。フォーカスするのは問題点で、人格攻撃は決してしない
- 自分の感情をコントロールする
- 交渉は準備が8割
1. 交渉で大切なのは良い人間関係を築けるか。どれだけ相手と Win-Win になれるか
交渉は相手があってのものです。交渉とは相手と争うものと思われがちです。しかし、特にビジネスにおける交渉では、交渉相手といかに協力して問題を解決できるかです。
「交渉相手 = 敵」 と位置づけるのではなく、あくまで 「問題解決のパートナー」 とみなすのです。お互いの立場は正反対でも、交渉を通じていかに良い人間関係が築けるか、信頼し合えるかが大事です。
交渉の中で目指したいのは、どれだけ Win-Win になれるかです。交渉の結果にお互いに満足があるか、相互満足をいかに最大化できるかです。
そのためには、信頼に基づく交渉相手との人間関係を築けるかです。
2. 交渉相手を尊重し、相手の立場で考えることを忘れない
交渉で相手との良い人間関係をつくるためには、どうすればよいでしょうか。
大切なのは、交渉相手を尊重することです。お互いに異なる立場と利害があるので、交渉では時として相手への不満や納得できない状況が起こります。それでも相手をリスペクトする気持ちだけは忘れないようにします。
尊重するためには、相手の立場でどれだけ考えられるかです。相手は、どういう立場で交渉に臨んでいるのか、利害は何か、相手の動機はどのようなものかです。
これらを理解するために、相手の言い分や要求はしっかりと聴く姿勢が重要です。
自分が話すよりも相手に話をしてもらう、こちらから質問をすることにウェイトを置きます。相手の要求が合理的でなくても、まずは聴き、言い分や相手のことを理解することです。そして、納得する必要は必ずしもありませんが、相手に対して自分は理解していることを示すことです。
聴く姿勢から入ると、相手からの情報を引き出せます。要求の背景や理由も見え、話を聞く姿勢が相手に満足してもらうことにもつながります。
3. 人と問題を分ける。フォーカスするのは問題点で、人格攻撃は決してしない
交渉において解決しなければいけないのは 「問題」 です。
避けるべきことは、問題ではなく相手を攻めてしまうことです。人格攻撃は決してしてはならず、交渉相手と一緒に問題に焦点を当てます。
問題に対しては厳しい姿勢を取るのに対し、交渉相手には礼儀も含めて丁寧に対応します。
問題について、相手と自分の共通点と相違点はそれぞれ何かを、交渉を通じて相手と話し、お互いの認識や考え方を確認することです。
問題について厳しい姿勢を取るために、こちらも主張すべきことははっきりと言うべきです。意見や考えは言わないと伝わらず、気まずい雰囲気になろうが伝えるべきことはしっかりと言います。
問題は必ず解決できるという前向きな姿勢で臨むことも大切です。
4. 自分の感情をコントロールする
交渉中の自分の感情や態度を、自分で管理できるかです。
ここまでの3つのポイントは以下です。
- 交渉とは信頼と良い人間関係を築くこと
- 相手を尊重し相手の立場で考える
- 相手ではなく問題にフォーカスする
頭ではわかっていても、実際の交渉の場では感情的に難しい場合があります。
相手の言い方や不当な要求に、頭に血が登ってしまうこともあります。意見の隔たりが大きい状況では、交渉を投げ出したくなることもあるでしょう。
その時に立ち止まって、または一歩下がって、冷静な自分を取り戻せるかどうかです。一時の感情に流されずに理性を保てるかです。こうした人間力も問われるのが交渉です。
自分の感情をコントロールするためには、どうすればよいでしょうか。
1つ目は、交渉目的に立ち返ることです。自分は交渉で何を決めようとしているのか、どんな結果が望ましいのかです。
2つ目、感情をコントロールするために、感情的な意見からは良い結果が生まれないと自分に言い聞かせるのも大切です。
3つ目は、あたかも、自分が今いる部屋の上から交渉の現場を眺めているような、交渉の状況を客観視してみるのも有効です。イメージとしては、自分が交渉している場を部屋全体が映るカメラで見ている状態です。その絵を自分の頭の中で思い描いてみると、冷静になれます。
4つ目は、休憩を取ってその場から実際に離れることも有効です。トイレに行くだけでも、お互いに休憩を取りコーヒーなどの飲み物を口にするだけでも、感情的な高まりは収まります。
5. 交渉は準備が8割
交渉の良し悪しは準備で決まります。交渉が困難であるほど準備に時間をかけるべきです。交渉準備のポイントは以下です。
- 交渉の目的を明確にする
- 獲得目標を3段階で設定する
- 1. 理想的なケース
- 2. これ以上は譲歩できない最低ラインの設定
- 3. 理想と最低ラインの間の落とし所
- 落とし所は可能なら複数用意しておくとよい。何が譲れないのか、妥協点は何かを明確にすること。譲れない場合については、最悪、交渉決裂も視野に入れておく
- 代替案や他の選択肢はあるか。代替案はどのタイミングで出すか。すぐに出してもよい案、なるべく出さずに取っておく案をいくつか用意する。多くの選択肢が手持ちにある状況で交渉できるとよい
- 交渉に使える期間を確認する。いつまでに交渉を終え合意する必要があるのか