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データ分析を業務でやっていると、分析自体が目的化してしまうことがあります。本来、分析は手段であり、データ分析結果を使って何かを達成するという目的があるはずです。
価値のあるデータ分析とは、アクションにつながることです。
アクションにつながるデータ分析を行うためには、事前のプランが大切です。実際のデータ集計に入る前にどれだけ準備ができるかです。今回のエントリーは、データ分析に入る前に具体的に何に気をつければよいかのチェックポイントについて書いています。
1. データ分析結果の受け手は誰か
データ分析結果のサマリーやレポートを誰に提供するかです。
同じデータから集計/分析をし、考察や提言を加えたレポートをつくるにしても、誰に読んでもらうかによって、データ分析プロセスとレポートの中身が変わります。
だからこそ、このデータ分析は誰のために実施するのかをまずは明確にする必要があります。
2. 相手が知りたいことは何か (何に答えを出すか)
誰に向けたデータ分析なのかを明らかにした後は、その相手が知りたいことが何かを整理します。何に対してデータ分析から答えや示唆を出すかです。
先ほど1つ目で 「誰がレポートを読むかによって、データ分析プロセスとレポートの中身が変わる」 と書きました。受け手の立場が変われば、知りたいことも変わります。相手によって知りたいことが違うのです。
受け手が知りたいことが何かを明確にするには、現時点で相手が何を知っているかについて理解する必要があります。すでに知っていることを自分が提示しても、受け手にとっては価値はないからです。
相手がまだ知らないことで、かつ、その情報が相手に役に立つかどうかを見極めます。
相手が知りたいことを明確にすることは、アウトプットイメージや仮説を考えることでもあります。プランニング時点で、分析課題 (何に答えを出すか) と、課題に対する答え (仮説) をいかに持てるかです。
3. 受け手に提供するアウトプットは何のために使われるか (活用イメージ)
自分がデータ分析から提供するレポートなどの知的生産物は、受けとった相手がどう使うかを把握します。
役に立つかどうかだけではなく、どう活用され、それが具体的にどう有益なのかです。実際の利用シーンがイメージできるかどうかです。自分が作り出すアウトプットの価値を具体的に知っておきます。
4. 受け手が知りたい答えをどうやって出すか。そもそも答えが出せるか
実際のデータ整備や集計、分析手法を設計します。
忘れてはいけない視点は、そもそも答えが出せるかです。必要なデータがない場合もあれば、自分ができる集計や分析の方法では解決できないケースもあり得ます。
はじめからできないことに自分の時間を使うことは避けるべきです。その場合は早めにアウトプットの受け手に対して状況を説明する必要があります。
5. いつまでに必要か
アウトプットを提供するまでのスケジュール感です。高度なデータ分析を行ったとしても、相手が知りたい期限までに間に合わなければ、相手にとっては価値がないことになります。
スケジュールは、分析で何をどこまで深掘りするかのスコープに影響します。
6. どれだけのリソース (コスト含む) をかけられるか
使える予算や、業務に携わる人数、かけられる時間などのリソースの制約を確認します。
アウトプットの品質、期限、リソース (予算や人など) の3つはトレードオフの関係にあります。期限とリソースが限られている状況では、品質に制約が生じます。
アウトプットを提供する相手と、品質、期限、リソースの状況を共有し、何が優先されるかの合意を取っておきます。受け手との期待値コントロールをいかにできるかです。