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グーグルはなぜイノベーションを起こせるのかについて、グーグルが大切にする考え方をご紹介します。
エントリー内容です。
- 志は大きく、スタートは小さく
- Google が考える 「良い失敗」 と 「悪い失敗」
- スモールスタートと失敗
志は大きく、スタートは小さく
ワーク・スマート - チームとテクノロジーが 「できる」 を増やす という本に、グーグルが考える 「Think Big, Start Small (志は大きく、スタートは小さく) 」 について書かれています。
グーグルがイノベーションに対して持っている基本姿勢の1つです。
Think Big, Start Small の例として、インドにおけるグーグルのある活動が紹介されていました。以下は本書からの引用です。
インドにおける Women Will の活動は、一人の社員が掲げた 「5000万人の女性たちにインターネットのアクセスを」 というビジョンと情熱から始まっています。
はたして5000万人に、トレーニングを実施することな本当にできるのだろうか。私たちも最初はそう考えました。
そこで彼女がとったアプローチは、やはり 「スタートは小さく」 でした。同じ志を持った社員と村をまわり、どれくらいのリソースを用いて一つの村のトレーニングができるか、そして女性たちの反応はどうだったか、小さな活動を積み重ねて把握し、その成果をもとに、社内やパートナー企業を説得したのです。
(引用:ワーク・スマート - チームとテクノロジーが 「できる」 を増やす)
グーグルの 「志は大きく、スタートは小さく」 という考え方は、完成度を高めてから製品をはじめてリリースするよりも、ベータ版で早くリリースし、ユーザーからフィードバックをもらい製品をより良くするアプローチにも通じます。
計画を立てることに注力するよりも、とにかく実行し、フィードバックや成果から学ぶこと、そして、そのスピードを重視する考え方です。
Google が考える 「良い失敗」 と 「悪い失敗」
本書 ワーク・スマート - チームとテクノロジーが 「できる」 を増やす にはグーグルが考える 「良い失敗」 と 「悪い失敗」 について紹介されています。以下は引用です。
自動運転技術やプロジェクトルーン (気球によるインターネット接続環境の提供プロジェクト) を手かげてきた X (旧 Google X) のリーダー、アストロ・テラーは 「よい失敗」 「悪い失敗」 という言葉を使っています。
プロジェクトの早い段階で失敗を見つけ、改善する。もしくは、成功の見込みがないと判断できる材料が集まれば中止する。小さく、早く、かつ次に活かせるのが良い失敗です。
一方、時間とお金を投入したあとで失敗が明らかになれば、組織の痛手が大きくなります。往々にしてプロジェクトを復活させることが難しくなり、次に活かせません。これが悪い失敗でしょう。
(引用:ワーク・スマート - チームとテクノロジーが 「できる」 を増やす)
良い失敗を整理すると、次の2つです。
Google の 「良い失敗」
- できるだけ早い段階で起こる失敗。小さな失敗
- 失敗から学びがある。学びを次に活かせる
「良い失敗」 と 「悪い失敗」 の考え方は、グーグルが Think Big, Start Small をイノベーションのための基本姿勢にしていることにつながります。特に Start Small の部分です。
スモールスタートと失敗
小さく始めると、以下のサイクルを早くまわすことができます。
小さく始める
- つくる
- テストをする (例: ベータ版リリース)
- フィードバックを得る (失敗も含む)
- 学ぶ
フィードバックの中には、自分たちが至らなかったこと、つまりこの時点では失敗も含まれます。
失敗が起こった時点では、まだその失敗は悪い失敗にもなり得るし、良い失敗にもすることもできます。良い失敗にできるかどうかは、失敗後の本人や当事者たち次第です。
目の前の失敗に対して、失敗の受け取り方、失敗の客観的な評価、そこから何を学んだか、それらを経験として蓄積し、次の機会にどう活かすかです。失敗後の行動次第で、その失敗は良いものにも悪いものにもなる可能性を秘めています。