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このブログでは、訪問いただいた方に役に立つと思ってもらえる本を紹介しています。読んだ本の書評を書いたり、エントリーの参考情報として本の内容を引用しています。
今回のエントリーでは、2017年2月の1ヶ月でクリックが多かった本をご紹介します (5冊) 。クリック数の多かった順番で並んでいます。
WHY から始めよ! - インスパイア型リーダーはここが違う (サイモン・シネック)
TED での 優れたリーダーはどうやって行動を促すか を語ったサイモン・シネックの著書です。
本書で紹介されているアイデアを一言で表現すると、「人は何を (What) ではなくなぜ (Why) に動かされる」 です。
「なぜ」 は、自分の動機やビジョン、理念です。自分が信じていることを語り、共感が生まれれば人々を惹きつけることができるという考え方です。
本書ではゴールデンサークルというフレームが紹介されています。Why, How, What の3つの円があり、この順番がポイントです。
一般的にはゴールデンサークルの外側から内側に向けて考えると言います。What → How → Why の順番です。しかし優れたリーダーは逆で、Why → How → Whatの順で伝えます。
具体例として Apple が取り上げられています。iPhone や Mac を What からではなく、Why からメッセージがあったと著者のサイモンは説明します。Apple の場合は Why は 「世界を変えること」 であり 「Think different に価値がある」 です。
関連のエントリーはこちらです。
Why からはじまるゴールデンサークル:シンプルかつ応用度の高い思考アイデア
なぜ、あの会社は儲かるのか? - ビジネスモデル編 (山田英夫)
様々な企業のビジネスモデルが紹介されています。不動産、バス、素材、地銀、建機、旅館、タイヤなどの業界です。
本書が他の類似本と違うのは、日本企業の事例が多く扱われていること、そして、単にビジネスモデルを紹介しているだけで終わっていないことです。
紹介されている各ビジネスモデルについて、以下の3つのステップで説明がされます。
- ビジネスモデルの事例紹介
- 仕組みの一般化
- 他業界にある同様のモデル紹介
流れとして、具体例 → 抽象化 → (他の) 具体例、と横展開されています。
この本でのビジネスモデルを学ぶ考え方は、異業種にあるモデルから着眼点を得ることです。具体的に、異業種のどこを見ればよいか、どうすれば移植できるか、その際の課題は何かが書かれています。
同じビジネスモデルでも違う業界に適用されているので、そのモデルの本質的な仕組みを理解できます。書かれている内容がきっかけや刺激になり、そのビジネスモデルを自分の業界や、自分の仕事に活かせないかと考えてみると発想が広がるでしょう。
書評エントリーはこちらです。
書評: なぜ、あの会社は儲かるのか? - ビジネスモデル編 (山田英夫)
How Google Works - 私たちの働き方とマネジメント (エリック・シュミット / ジョナサン・ローゼンバーグ / アラン・イーグル / ラリー・ペイジ)
これまでのグーグルの組織論、人という観点からグーグルがどのようにマネジメントをしているかが紹介されています。この本の内容を簡単に表現すると、次のようになります。
グーグルが求める人材である 「スマート・クリエイティブ」 を同社がいかに大切にしているか、彼ら彼女らが持つ能力を最大限に発揮するためにどういう環境や仕組みをつくり上げてきたのか。
グーグルの企業文化、採用を非常に重視していること、人事や組織のあり方。スマートクリエティブに自由と権限を与え絶え間ないイノベーションをいかに実現するか。
書かれていたことで印象的だったのは以下でした。
- リーダーシップ:自らの職務あるいは組織でリーダーシップを発揮した経験のほか、正式なリーダーに任命されていなくてもチームの成功に貢献した実績が含まれる。(正式な) リーダーという立場ではなくても、リーダーシップを持って行動できるかどうか
- ラーニングアニマル:スマート・クリエイティブになるために必要なのは常に新しいことを貪欲に学ぶこと。特に失敗をした時に、そこから何を学ぶか。何を単に学ぶだけというわけではなく、学んだことを 「次」 に活かす。「学ぶ → 学習内容を活かして成果を出す → 学ぶ → … 」 、というサイクルを回し続ける
- プロジェクト管理:経験則から導かれたプロジェクト管理として、リソースを 「70対20対10」 に振り分ける。70をコアビジネス、20を成長プロジェクト、10を新規プロジェクト
グーグルについて、特にマネジメントやカルチャーのことをよく理解できる一冊です。
経営の教科書 - 社長が押さえておくべき30の基礎科目 (新将命)
書評としてのエントリーは残していませんが、「大局観をいかにして磨くか」 というテーマが興味深かったので、ブログエントリーとして取り上げました。
大局的な視点でものごとを見るには 「多、長、根」 という3つがキーワードだとします。
- 多:複数の視点から全体像を把握する
- 長:短期ではなく長期のスケールで考える
- 根:本質に立ち返る
詳しくはこちらのエントリーで紹介しています。
大局観を持つための視点は 「多 / 長 / 根」
凡人を達人に変える77の心得 (野村克也)
野村克也氏の本です。この本は考えさせられることが多く、時折読み返しています。
本書では、野村氏がヤクルト・阪神・楽天の三球団で監督を務めていた時に、ミーティングで選手によく話していたことがまとめられています。
書かれている内容は野球のことが中心です。本書が考えさせられるのは、野球でこのように言える、同じことは営業などの一般的な仕事に当てはめるとこうではないか、という野球選手 → ビジネスパーソンと横展開されていることです。
具体例 (野球) → 一般化 → 具体例 (ビジネス) となっているのです。
読みながら、自分の状況と照らし合わせながら考えることができます。そのプロセスを踏めることが本書の価値です。
この本を取り上げたエントリーはいくつかあります。
その分野の本質を知らない人間は大成できない
「失敗と書いて、せいちょう (成長) と読む」
凡人を達人に変えるノムさんの心得:「努力している自分」 に満足してはダメ