投稿日 2011/12/15

Google Map のビッグデータ活用事例と2つの課題

Google マップに新しいサービスが追加されました (2011年12月9日) 。

参考:交通状況が Google マップで見られるようになりました|Google Japan Blog


「交通状況」 という地図上で渋滞状況がわかる新しい機能です。今回のエントリーでは、グーグルマップの新機能と、ビッグデータ活用という観点からの課題について書いています。
投稿日 2011/12/10

ビッグデータに付加価値を与えた企業が次世代の覇者となる


Free Image on Pixabay


ビッグデータという言葉は、少し前であれば、ネット記事やブログなのでよく見かけました。ここ最近ではクライアントとのミーティングの場でもよく出てくるようになってきました。

特に部長職や役員クラスの方の口から出るようになると、浸透してきているなと感じます。

ビッグデータについてまとめられており、体系的に理解するのに役立ったのが、ビッグデータビジネスの時代 - 堅実にイノベーションを生み出すポスト・クラウドの戦略 という本でした。
投稿日 2011/12/03

iPhone4Sを歴史的な製品にするiCloudとSiri

アメリカの調査会社ChangeWave Researchの調査によると、iPhone4Sの顧客満足度が96%と、iPhone4の93%よりもさらに高かったという結果がでています。(96%の内訳は「非常に満足」:77%と「やや満足」:19%)
「iPhone 4S」の顧客満足度、iPhone史上最高の96%に――ChangeWave調べ|ITmedia ニュース

iPhone4Sと、そして同じタイミングでリリースされたiOS5で追加された機能は多くありますが、そのうちiCloudとSiriは画期的なものです。大げさかもしれませんが、iPhoneだけではなく、アップルを次のステージに上げるくらいのインパクトがあると思っています。以下、そう思う理由を書いています。

■iCloudはアップルの次のデジタルハブ戦略の主役

iCloudはアップルのデジタルハブ戦略の主役を担います。iCloud登場前は、PC内のiTunesがハブの中心にいました。iPhoneやiPadなどはPCにつなげ、iTunesと同期させるという形をとっていました。これは2001年のiPod登場から続く関係性で、例えば曲のプレイリスト作成などの機能はiTunesのみで可能とし、それをiPodには同期させる。iPodでできることをあえて制限し、あくまで衛星的な存在でした。iPhoneやiPadでも基本的には同じです。

それがiCloudの登場で、PCを中心としたエコシステムに変化が生じました。デジタルハブと置いたPCを他のデバイス同様のレベルに降格させ、替わりにデジタルハブとして位置付けたのがiCloudです。iPod登場は2001年なので、2000年代はPCであり、次の2010年代はクラウドがハブとなるのではないでしょうか。アップルのあるものを中心に置くというデジタルハブ戦略はぶれることはありませんが、技術や時代に合わせてPCからiCloudへ移行しているのです。iCloudを使っていてすごいと思うのは、一度設定しさえすれば「勝手に同期される」ことです。これまでのようにPCとデバイスとつなげるという手動での同期をする必要がなく、ほんと便利です。

とは言うものの、ハブをPCからiCouldにするという変化はまだまだ移行期にあると感じます。iOS5へのアップデート後に実際にiCloudを使っていますが、アプリの取り込みやバックアップの実行は依然としてPC経由でやることもあります。つまり、今のところハブはPCとクラウドの2つが併存している。ハブがiCloudに切り替わるのはまだ少し時間がかかりそうです。

■アンサーエンジンとなるSiri

iPhone4Sから追加された目玉機能のSiri。Siriは音声アシスト機能で、iPhoneに向かって話しかけることで、いろんなことを実行してくれます。行きたい場所へのナビゲートだったり、かけたい人に電話をつなげてくれたり、天気も教えてくれます。このように、単に人の音声を認識するだけではなく、実際にデバイスが動き、ユーザーが求めている答えを返してくれるのです。

Siriの登場で音声アシストの世界が活性化してくるように思います。例えば、「iris. (alpha)」というAndroidアプリ。これもSiriと似たようなアプリです(実際に使ったことはないのですが)。ちなみに、名前がSiriを逆さに読んだものになっており、Siriを意識したアプリだと感じます。
『iris. (alpha)』~iPhone 4Sの「Siri」機能がAndroidに登場!?音声アシスタント機能を体験~|andronavi

(特殊な機能や技術を除いて)普通の人がPCや携帯電話を操作するにはキーボードや画面に触れることで実行していました。TVやラジオなどほとんど全ての家電も含め、リモコンやボタンを押すのは指です。それがSiriでは声により動かすことになる。音声でユーザーの意図を伝え、コンピュータがそれを認識し意図を解釈する。そして、ユーザーが求めている答えを返す。Siriは検索エンジンならぬ、アンサーエンジンとなっていく可能性を持っており、ここに未来を感じます。

また、SiriにはiPhone以外にも色々と活用できる可能性があります。例えば、現在開発中と言われるアップルのテレビであるiTV。ここでは、Siriをリモコンの代わりに操作するために使われるのではという噂もあります。

■最後に

以上を整理すると、iCloudはアップルの次のデジタルハブ戦略の主役を担う存在であり、Siriはデバイスに話しかけ必要な情報を得るというアンサーエンジンです。iCloudとSiriという新しい機能が2つ追加されたiPhone4Sは、後から振り返った時にアップルの転換点だったと言われる製品になるように思っています。


※参考情報

「iPhone 4S」の顧客満足度、iPhone史上最高の96%に――ChangeWave調べ|ITmedia ニュース
Survey Finds 96% of Customers Satisfied with iPhone 4S|MacRumors
New Owners Survey Shows iPhone 4S More Popular than its Apple Predecessor|ChangeWave Research
iCloudで携帯電話以来の大変化が起こる...それは未来のコンピューティング|ギズモード・ジャパン
『iris. (alpha)』~iPhone 4Sの「Siri」機能がAndroidに登場!?音声アシスタント機能を体験~|andronavi

最新記事

Podcast

書いている人 (多田 翼)

Aqxis 代表 (会社 HP はこちら) 。Google でシニアマーケティングリサーチマネージャーを経て独立し現職。ベンチャーから一部上場企業の事業戦略やマーケティングのコンサルティングに従事。

ブログ以外にマーケティングレターを毎週1万字で配信しています。音声配信は Podcast, Spotify, Amazon music, stand.fm からどうぞ。

名古屋出身、学生時代は京都。気分転換は朝のランニング。